“殲滅:せんめつ” の例文
“殲滅:せんめつ”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治26
夢野久作3
海野十三3
国枝史郎2
和辻哲郎1
“殲滅:せんめつ”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語3.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その結果、朝鮮各道の警察、裁判所に厳重な達示が廻わって、銃砲火薬類取締の粛正、不正漁業徹底殲滅せんめつの指令が下る。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
元の支配は百年ほどに過ぎなかったが、しかしシナの在来の知識階級を徹底的に抑圧し、あるいは殲滅せんめつしたと言われている。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「何か起ったにちがいない。蜀軍の退陣、ただ事ではありません。今こそ急追殲滅せんめつを喰らわす時機ではないでしょうか」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——そして、魏の木牛流馬隊を待ち伏せ、それを殲滅せんめつして、ただ千余輛の器械のみを曳いて、ふたたび北原へ引っ返せ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甲軍の作戦内容は、大略、全軍を二分して、例の啄木の戦法で、敵の一面をち、一面を捕捉ほそく殲滅せんめつするにある。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高坂隊、甘利隊、小山田隊、山県隊、馬場隊、真田隊などの新手は、各所に小包囲形を作ってはその中の上杉勢を殲滅せんめつした。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新たにやってきたプロシアの騎兵は、突進し、疾駆し、なぎ払い、切りまくり、粉砕し、殺戮さつりくし、殲滅せんめつせんとした。
たちまち四山の木々岩石はことごとく人と化し、金鼓は鳴り刀鎗はさけぶ。曹操の指揮下、蒋奇の兵一万の大半は殲滅せんめつされた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
度を失った曹操の兵は、網の中の魚みたいに意気地もなく殲滅せんめつされた。討たれる者、生捕られる者数知れなかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「馬陵山の東西に兵を伏せ、敵をひき寄せ、円陣のうちにとらえて、思う存分、殲滅せんめつしてくれるのだ。わかったか」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「万一、敵に見つかると、一兵のこらず、殲滅せんめつの憂き目にあうおそれもあれば、やはり趙雲ちょううんをやるしかありますまい」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明はさとすのであった。玄徳の仁愛な心はよく分っているが、そのため、敵の殲滅せんめつに会っては、なんの意味もないことになる。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「城内の守りは百姓だけでよい。一部の将士のほかは、みな城を出て、玄徳の軍をこの際徹底的に殲滅せんめつせよ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが先の大館勢は、これを袋の鼠にして殲滅せんめつし、主将の大館宗氏の首をも挙げていたことなので、自然、郭内の兵はおごっていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、そこでは必殺を期していた楠木勢の乱刃に会い、すべてたちどころに殲滅せんめつされたかのようだった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は其の惱を以て祖先の遺傅から來た熱病の一種と考へ、自ら意志を強くして其のバチルスを殲滅せんめつしようと勤めて而してあがいてゐた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
大隊長は、司令部へ騎馬伝令を発して、ユフカに於けるパルチザンを残さず殲滅せんめつせしめたと報告した。
パルチザン・ウォルコフ (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
彼は、俄に呼んで、その二将に精兵をさずけ、兵糧隊を奇襲した敵の退路をたって殲滅せんめつしろと命じた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれの報は、より詳細だ。しかもみじめにまで殲滅せんめつをうけた秀次隊の運命に、いまは疑う余地もない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それも長途の急行軍でつかれぬいていますから、城を出て、逆寄せをくわせれば、それを平野に捕捉して、殲滅せんめつを与え得ることは、間違いなしと
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
逃げおくれた兵は、生駒いこまや龍田あたりで殲滅せんめつされたり降伏した。あるいはまた、自国へさして、逃げ帰った武族も少なくなかったろう。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
である。——尼子一党は旋風のごとくそれを衝いて、直家の行軍を寸断し、箇別的に殲滅せんめつを計った。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マッカーサーは一挙に敵軍を殲滅せんめつすると豪語し、しかし信二には、戦争が日本に波及しない日を予想しての心の準備をすることはできなかった。
その一年 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
舞台のうえでは、イネ国の首都トンキ市がアカグマ国の空軍と機械兵団のために、徹底的に空爆と殲滅せんめつとをうけつつあるところが演ぜられている。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
和田ノ燈籠台への、上陸作戦がおこなわれ、上陸した足利勢二百余人は殲滅せんめつされ、尊氏の本船以下、すべて沖へ逃げ退いたが、やがてのこと、
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに、宇治川で殲滅せんめつされている源三位頼政の一類が蜂起ほうきした事件よりも、はるかに小さい地方的の一騒擾そうじょうと見なしていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
傷口の場合と同じように、水むしの陣地を、灸で包囲し、病巣を火攻めで殲滅せんめつしつくすのである。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なに、八四二区か。ふむ、それは本当に油断がならないぞ。敵機が着陸したら、すぐ毒瓦斯どくガス部隊で取り囲んで、敵を殲滅せんめつしてしまえ」
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もちろんそれらの敵は、すきさえあれば、一挙、京師をついて、軍旅の織田方を殲滅せんめつせんと、日々夜々、きょうかがっているものだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長のいうが如く敵を殲滅せんめつするには、この柵へ敵軍を寄せつけることが絶対の条件となる。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もちろん、京師に兵を進め、淀川、河内かわちの野に、信長を殲滅せんめつすべきである」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうして、池田勝入いけだしょうにゅうが作戦の侵入軍は、その本隊であり、主将のいる最後方の第四隊から、まっ先に、完全なる殲滅せんめつをうけてしまった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今は、何を措いても、五郎蔵一味を殲滅せんめつするか追い払うかしなければならなかった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
戸川志摩は心のうちで、「ああこの要害ではとても代官や領主の力ぐらいで殲滅せんめつすることは思いもよらぬ怖るべき一族だ……」とひそかに舌を巻いている。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いまは時くべきでない。われから攻勢に転じ、まず三井寺の賊軍を殲滅せんめつして後、尊氏、直義を洛中に囲み、このたびこそは、その首級をあげねばならん」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——そのころ和田ノ燈籠台とうろうだいへ上陸をくわだてた尊氏の水軍は、一部、序戦の殲滅せんめつにあって、総勢船列をみだしながら沖へ逃げ退いていたのだった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど十万の大退口おおのきぐちを、どうとるか、由来、前進はやすく、後退は難しい、と兵家もいましめている。——まちがえば、全軍殲滅せんめつの憂き目に遭う。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……しかし幸いに天祐を得ましてこの奸悪団体を二重橋橋下に殲滅せんめつしまして、吾々大和民族の前途を泰山の安きに置くを得ました事は、邦家のため御同慶に堪えませぬ。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
こう聞いた王朗おうろうは、仰天して城を出た。そして査涜へ駆けつける途中、またも孫策の伏兵にかかって、ついに王朗の兵は完膚かんぷなきまでに殲滅せんめつされた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは自然の結果、鼠の一族を殲滅せんめつして、打棄てて置けば化して土地の肥分ともなるであろうが、その筆法で町屋の鼠を始末するのは、看過すべからざる不始末である。
小タマセセは、王及び全白人の島外放逐(或いは殲滅せんめつ)を標榜ひょうぼうして起ったのだが、結局ラウペパ王麾下きかのサヴァイイ勢に攻められ、アアナでついえた。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それを、追って打ち、包んでは殲滅せんめつして賊の首を挙げること一万余。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
方陣をも大砲をも殲滅せんめつせんとする狂猛と疾駆とに駆られ熱狂して高地の頂点に達した胸甲騎兵は、彼らとイギリス兵との間に一つのみぞを、一つの墓穴を見いだしたのである。
「さればよ。信長卿もご出馬あるので、今度はおそらく、北陸の一向門徒と、上杉謙信のあやつる与党よとう蠢動しゅんどう殲滅せんめつし尽すまでは、われらも帰国相成るまい」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つぶうるしのよろいを着、虎御前とらごぜの大太刀を横たえて、三軍のうちに軍師として在る日は、一ぼうに千兵をとらえ、一策に百軍を捕捉ほそくして、これに殲滅せんめつを加えてすらなお
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれどもとより子ども達に、そういう観察はない。血を見れば、自分が血を流したように勇み、槍や長柄の光を見れば、敵を殲滅せんめつして来たものと思いこんで、ただたかぶりさわぐのだった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
合戦長きにわたらんか、賊は、地の利を得て、奇襲縦横にふるまい、諸州の黄匪こうひ、連絡をとって、いっせいに後路を断ち、征途の味方は重囲のうちに殲滅せんめつやくにあわんもはかりがたい。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬超、龐徳、韓遂、馬岱、万余の大軍は関中を突破すると、潼関どうかんの占領などは目もくれず、ひたすら潰走する敵を急追して、「殲滅せんめつを加えん」と、夜も日も、息をつかせず、後から追った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しまった。兵機は一瞬に過ぎるというに、大都督の悠長さが、またしても、絶好なときを逸してしまったではないか。この上は、韓当とそれがしとで、あの一万だけでも、殲滅せんめつしてくれねば気がすまん」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
維は、十八年八月、魏の王経おうけい洮西とうせいに戦って、久しぶりの大戦果をあげた。この時の殲滅せんめつには、魏兵万余人を斬り尽して、洮西の山河をほとんどくれないにしたといわれている。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この時を以て敵を殲滅せんめつするこそ妙策!
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そういう時、領主の兵は、火の手を見るや、那古屋なごや清洲城きよすじょうから殺到して、眼の前で、敵を蹴ちらし、敵を斬り、そして各所のとりでや木戸の兵も出合わせて、これを殲滅せんめつした。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……爆弾漁業、殲滅せんめつすべし。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼等を殲滅せんめつさせるつもりだ
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「それがしは妖怪ではござらぬ。このあたりの土地の神でござる。あなたのような貴人がここへお出でになったのは、まさに妖怪どもが殲滅せんめつの時節到来いたしたものと思われます。それゆえ喜んでお出迎いにまかり出でました」
十三年間、一刻も変らずに、ジーグフリードにむけ、ひたむきに注がれるクリームヒルトの愛は、いかに人倫にそむき、兄弟を殲滅せんめつし尽すとはいえ、その不滅の愛——ただ復讐一途に生きる、残忍な皇后とばかりはいえないのである。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
されど解きてもけ難き一塊の恨みは深く深く胸底に残りて、彼が夜々ハンモックの上に、北洋艦隊の殲滅せんめつとわが討死うちじにの夢に伴なうものは、雪白せっぱく肩掛ショールをまとえる病めるある人の面影おもかげなりき。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
何等罪状の指摘できないマターファ(彼は、いわば喧嘩けんかを売られたに過ぎぬのだから)が千カイリ離れた孤島に流謫るたくされ、一方、島内白人の殲滅せんめつ標榜ひょうぼうして立った小タマセセは小銃五十ちょうの没収で済んだ。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「外のことでないが、大殿が、御帰国になったに就いて、国許の同志は、君側の奸者共を一挙に、殲滅せんめつさせようと、計画しておる。それと一緒に、江戸では——いろいろと、論も出たが、久光殿をばじゃな——この君、在ればこそ、じゃで、勿体ないが——」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
もちろんこれは忽ち数倍する兵力で包囲殲滅せんめつしてしまったが、その戦闘精神の強靱きょうじんなことと、士節の高い心根には、寄手の将士も舌を巻いて歎服たんぷくし、死体はみな一つ一つ手厚く葬って、そこらの野辺の花など手向たむけられていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、べつだんな事でもない。今このあたりの地相を見て、ひとえに周瑜しゅうゆ浅才せんさいや、孔明の未熟が分ったから、ついおかしくなったのだ。もしこの曹操が周瑜か孔明だったら、まずこの地形に伏兵をおいて、落ち行く敵に殲滅せんめつを加えるところだ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後シュリーフェンという参謀総長が長年、ドイツの参謀本部を牛耳っておりまして、ハンニバルのカンネ会戦を模範とし、敵の両翼を包囲し騎兵をその背後に進め敵の主力を包囲殲滅せんめつすべきことを強調し、決戦戦争の思想に徹底して、欧州戦争に向ったのであります。
最終戦争論 (新字新仮名) / 石原莞爾(著)
「しかしテイラー博士の研究は実を結んだじゃないか。テイクロトロンで、あのとおりの巨大なエネルギーを出し、よって日本軍にぶっつければ、その殲滅せんめつはわけなしだ。そうだ、それに違いない。われわれは遂に勝利の女神の手を握ったぞ。万歳ばんざい、テイラー博士」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
羽柴秀長、藤堂高虎とうどうたかとら、細川藤孝ふじたかの援軍などが、一丸になって、河中の船団をつつみ、小舟から投げしば投げ松明たいまつなどで、彼の主船を焼き沈め、乗員三百余人の毛利兵を殲滅せんめつしてしまった上、その主将鹿野元忠しかのもとただの首をあげて、城中へ、
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こゝに切支丹は全く禁令され、これより約三十年、切支丹の最後の一人に至るまで徹底的な探索迫害がくりひらかれ、海外からは之に応じて死を覚悟して潜入する神父達の執拗極まる情熱と、之を迎へて殲滅せんめつ殺戮最後の一滴の血潮まで飽くことを知らぬ情熱と、遊ぶ子供の情熱に似た単調さで、同じ致命をくりかへす。
逃場を失った聯合軍はピレネ山脈とアルプス山脈の内側で、ことごと殲滅せんめつされるであろう。独逸の三色旗が世界の文化を支配する暁が来るであろう。その時に汝等は一人残らず戦死しておれよ。それを好まない者はたった今銃殺してやる。……味方の弾丸を減らして死ぬるも、敵の弾丸を減らして死ぬるも死は一つだ。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「駄目じゃ。やっぱり相手方に知れていけないのじゃ。つまり海面と防潜網との隙間を行くものではあるが、こいつを何千何万せきとぶっ放すと、彼岸ひがんに達するまでに、彼我ひがの水上艦艇に突き当るから、ただちに警報を発せられてしまう。従ってドイツ本土上陸以前に、殲滅せんめつのおそれがある。これはやめたよ」
「人間同士の約束ではない、天則です、でなければ歴史です、人類相愛せよということは、猶太ユダヤの大工さんの子だけが絶叫する一つの高尚なる音楽ですね、相闘え、相殺せ、征伐せよ、異民族を駆逐せよ、しからずばこれを殲滅せんめつせよ——これは、歴史だから如何いかんとも致し難い、そこで、わたくしは殺されないさきに逃げます」
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)