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殲滅
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せんめつ
ふりがな文庫
“
殲滅
(
せんめつ
)” の例文
血を見れば、自分が血を流したように勇み、槍や長柄の光を見れば、敵を
殲滅
(
せんめつ
)
して来たものと思いこんで、ただ
昂
(
たか
)
ぶり
躁
(
さわ
)
ぐのだった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は其の惱を以て祖先の遺傅から來た熱病の一種と考へ、自ら意志を強くして其のバチルスを
殲滅
(
せんめつ
)
しようと勤めて而して
踠
(
あが
)
いてゐた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「なに、八四二区か。ふむ、それは本当に油断がならないぞ。敵機が着陸したら、
直
(
すぐ
)
に
毒瓦斯
(
どくガス
)
部隊で取り囲んで、敵を
殲滅
(
せんめつ
)
してしまえ」
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かくもすみやかに勝利を得たことに彼らは憤激していたに違いない。追撃は猛烈であった。ブリューヘルは敵を
殲滅
(
せんめつ
)
するように命じた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
之を迎へて
殲滅
(
せんめつ
)
殺戮最後の一滴の血潮まで飽くことを知らぬ情熱と、遊ぶ子供の情熱に似た単調さで、同じ致命をくりかへす。
イノチガケ:――ヨワン・シローテの殉教――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
わしらの企てが破れたなら、或いは油煮、鋸引きに処せられるかもしれんが、それを覚悟の上にて、彼等を
殲滅
(
せんめつ
)
させるつもりだ
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
元の支配は百年ほどに過ぎなかったが、しかしシナの在来の知識階級を徹底的に抑圧し、あるいは
殲滅
(
せんめつ
)
したと言われている。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
敵の両翼を包囲し騎兵をその背後に進め敵の主力を包囲
殲滅
(
せんめつ
)
すべきことを強調し、決戦戦争の思想に徹底して、欧州戦争に向ったのであります。
最終戦争論
(新字新仮名)
/
石原莞爾
(著)
独木舟を操るに
巧
(
たく
)
みでない遊牧民は、湖上の村の
殲滅
(
せんめつ
)
を断念し、湖畔に残された
家畜
(
かちく
)
を
奪
(
うば
)
っただけで、また、疾風のように北方に帰って行った。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
マッカーサーは一挙に敵軍を
殲滅
(
せんめつ
)
すると豪語し、しかし信二には、戦争が日本に波及しない日を予想しての心の準備をすることはできなかった。
その一年
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
その結果、朝鮮各道の警察、裁判所に厳重な達示が廻わって、銃砲火薬類取締の粛正、不正漁業徹底
殲滅
(
せんめつ
)
の指令が下る。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
兄弟を
殲滅
(
せんめつ
)
し尽すとはいえ、その不滅の愛——ただ復讐一途に生きる、残忍な皇后とばかりはいえないのである。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
で慶安の義挙が破れ、正雪一味が
殲滅
(
せんめつ
)
されるや、その遺業を継ごうものと、ひそかに同志を集め出した。
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
大隊長は、司令部へ騎馬伝令を発して、ユフカに於けるパルチザンを残さず
殲滅
(
せんめつ
)
せしめたと報告した。彼は、部下よりも、もっと精気に満ちた幸福を感じていた。
パルチザン・ウォルコフ
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
これは自然の結果、鼠の一族を
殲滅
(
せんめつ
)
して、打棄てて置けば化して土地の肥分ともなるであろうが、その筆法で町屋の鼠を始末するのは、看過すべからざる不始末である。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
使わずに、
殲滅
(
せんめつ
)
することが出来ないだろうか、爆撃機の代りに潜水艦を総動員して魚形水雷で不意打ちに一撃をくらわしてから、水中電気砲でとどめを刺す——この戦法はどうだ
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
若しわしが赤蠍の
張本
(
ちょうほん
)
を捕え、その
殲滅
(
せんめつ
)
を目的とするのでなかったら、可哀相な珠子さんに、これ程怖い思いもさせず、相川さんが麻酔薬で眠らされる様なことも起らなかったであろう。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
されど解きても
融
(
と
)
け難き一塊の恨みは深く深く胸底に残りて、彼が夜々ハンモックの上に、北洋艦隊の
殲滅
(
せんめつ
)
とわが
討死
(
うちじに
)
の夢に伴なうものは、
雪白
(
せっぱく
)
の
肩掛
(
ショール
)
をまとえる病めるある人の
面影
(
おもかげ
)
なりき。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
猶太
(
ユダヤ
)
の大工さんの子だけが絶叫する一つの高尚なる音楽ですね、相闘え、相殺せ、征伐せよ、異民族を駆逐せよ、しからずばこれを
殲滅
(
せんめつ
)
せよ——これは、歴史だから
如何
(
いかん
)
とも致し難い、そこで
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
農民たちよ
蹶起
(
けっき
)
して日本軍を
殲滅
(
せんめつ
)
せよ。
遊撃隊
(
ユーチートイ
)
が書いて行ったのだ。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「それがしは妖怪ではござらぬ。このあたりの土地の神でござる。あなたのような貴人がここへお出でになったのは、まさに妖怪どもが
殲滅
(
せんめつ
)
の時節到来いたしたものと思われます。それゆえ喜んでお出迎いに
罷
(
まか
)
り出でました」
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
官軍の
呼延灼
(
こえんしゃく
)
と
韓滔
(
かんとう
)
の二大将に追いまくられ、あわや宋江や軍師呉用すらが、あぶなく、
殲滅
(
せんめつ
)
の危機に見舞われかけたほどだったが
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして煙が散じた時には、そこにはもはや何物も残っていなかった。恐るべき残兵らは
殲滅
(
せんめつ
)
されていた。近衛は全滅していた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
舞台のうえでは、イネ国の首都トンキ市がアカグマ国の空軍と機械兵団のために、徹底的に空爆と
殲滅
(
せんめつ
)
とをうけつつあるところが演ぜられている。
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小タマセセは、王及び全白人の島外放逐(或いは
殲滅
(
せんめつ
)
)を
標榜
(
ひょうぼう
)
して起ったのだが、結局ラウペパ王
麾下
(
きか
)
のサヴァイイ勢に攻められ、アアナで
潰
(
つい
)
えた。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
一挙に、
殲滅
(
せんめつ
)
させようと、計画しておる。それと一緒に、江戸では——いろいろと、論も出たが、久光殿をばじゃな——この君、在ればこそ、じゃで、勿体ないが——
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
……しかし幸いに天祐を得ましてこの奸悪団体を二重橋橋下に
殲滅
(
せんめつ
)
しまして、吾々大和民族の前途を泰山の安きに置くを得ました事は、邦家のため御同慶に堪えませぬ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もし五郎蔵一味に自分が殺されたならば、左門を討つことが出来なくなってしまうからである。今は、何を措いても、五郎蔵一味を
殲滅
(
せんめつ
)
するか追い払うかしなければならなかった。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
退くとなるや、蜀勢はいちどに乱れ、一律の連脈ある敵の包囲下に、随所に捕捉され、
殲滅
(
せんめつ
)
にあい、討たるる者、数知れなかった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
単に日本民族の
殲滅
(
せんめつ
)
にとどまらず、全世界人類、否、今後に生を得る者までも、この禍に破壊しつくされる
虞
(
おそ
)
れがある。
海野十三敗戦日記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すべてそれらの凶暴な高地は
茫乎
(
ぼうこ
)
と現われきたって、その上には、互いに
殲滅
(
せんめつ
)
し合う幽鬼の旋風が荒れ狂っている。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
逃場を失った聯合軍はピレネ山脈とアルプス山脈の内側で、
悉
(
ことごと
)
く
殲滅
(
せんめつ
)
されるであろう。独逸の三色旗が世界の文化を支配する暁が来るであろう。その時に汝等は一人残らず戦死しておれよ。
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何等罪状の指摘できないマターファ(彼は、いわば
喧嘩
(
けんか
)
を売られたに過ぎぬのだから)が千
浬
(
カイリ
)
離れた孤島に
流謫
(
るたく
)
され、一方、島内白人の
殲滅
(
せんめつ
)
を
標榜
(
ひょうぼう
)
して立った小タマセセは小銃五十
梃
(
ちょう
)
の没収で済んだ。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この時を以て敵を
殲滅
(
せんめつ
)
するこそ妙策!
赤坂城の謀略
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
越吉
(
えつきつ
)
元帥もそれに励まされて、ふたたび鉄車の猛進を令し、兵を分けて、まず陣の四門を
塞
(
ふさ
)
ぎ取って、平攻めに敵残兵の
殲滅
(
せんめつ
)
を計った。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
テイクロトロンで、あのとおりの巨大なエネルギーを出し、よって日本軍にぶっつければ、その
殲滅
(
せんめつ
)
はわけなしだ。そうだ、それに違いない。われわれは遂に勝利の女神の手を握ったぞ。
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
実際、
臓腑
(
はらわた
)
のドン底から
慄
(
ふる
)
え上ってしまったのだ。……爆弾漁業、
殲滅
(
せんめつ
)
すべし。鮮海五十万の漁民を救わざるべからず……というので、第一着に総督府の諒解を得て、各道の司法当局に
檄
(
げき
)
を飛ばした。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
逃げおくれた兵は、
生駒
(
いこま
)
や龍田あたりで
殲滅
(
せんめつ
)
されたり降伏した。あるいはまた、自国へさして、逃げ帰った武族も少なくなかったろう。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
従ってドイツ本土上陸以前に、
殲滅
(
せんめつ
)
のおそれがある。これはやめたよ
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
こうして、
池田勝入
(
いけだしょうにゅう
)
が作戦の侵入軍は、その本隊であり、主将のいる最後方の第四隊から、まっ先に、完全なる
殲滅
(
せんめつ
)
をうけてしまった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もちろんそれらの敵は、
隙
(
すき
)
さえあれば、一挙、京師をついて、軍旅の織田方を
殲滅
(
せんめつ
)
せんと、日々夜々、
虚
(
きょ
)
を
窺
(
うかが
)
っているものだった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが先の大館勢は、これを袋の鼠にして
殲滅
(
せんめつ
)
し、主将の大館宗氏の首をも挙げていたことなので、自然、郭内の兵は
驕
(
おご
)
っていた。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義の一字を大きく書いた白旗を城壁のうえに立てますから、それを合図に、一挙に濮陽の兵を
殲滅
(
せんめつ
)
なさるように
祷
(
いの
)
る——機はまさに今です
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孔明は
諭
(
さと
)
すのであった。玄徳の仁愛な心はよく分っているが、そのため、敵の
殲滅
(
せんめつ
)
に会っては、なんの意味もないことになる。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
和田ノ燈籠台への、上陸作戦がおこなわれ、上陸した足利勢二百余人は
殲滅
(
せんめつ
)
され、尊氏の本船以下、すべて沖へ逃げ
退
(
の
)
いたが、やがてのこと
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高坂隊、甘利隊、小山田隊、山県隊、馬場隊、真田隊などの新手は、各所に小包囲形を作ってはその中の上杉勢を
殲滅
(
せんめつ
)
した。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでに、宇治川で
殲滅
(
せんめつ
)
されている源三位頼政の一類が
蜂起
(
ほうき
)
した事件よりも、はるかに小さい地方的の一
騒擾
(
そうじょう
)
と見なしていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれど十万の
大退口
(
おおのきぐち
)
を、どうとるか、由来、前進はやすく、後退は難しい、と兵家も
訓
(
いまし
)
めている。——まちがえば、全軍
殲滅
(
せんめつ
)
の憂き目に遭う。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
全城の魏兵が
殲滅
(
せんめつ
)
に遭ったことはいうまでもない。
夏侯楙
(
かこうも
)
も防ぐに手だてなく、
扈従
(
こじゅう
)
一隊を引き連れたのみで、からくも南の門から逃げ落ちた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こう聞いた
王朗
(
おうろう
)
は、仰天して城を出た。そして査涜へ駆けつける途中、またも孫策の伏兵にかかって、ついに王朗の兵は
完膚
(
かんぷ
)
なきまでに
殲滅
(
せんめつ
)
された。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殲
漢検1級
部首:⽍
21画
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“殲滅”で始まる語句
殲滅戦