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わけ
ふりがな文庫
“
次第
(
わけ
)” の例文
「承知しました。今度の日曜に行って出来る
丈
(
だ
)
け早く切り上げさせましょう。一日でも早ければそれ丈け伯母さんの顔が立つ
次第
(
わけ
)
です」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
これはおのずから
雫
(
しずく
)
して、下の板敷の
濡
(
ぬ
)
れたのに、目の加減で、向うから影が
映
(
さ
)
したものであろう。はじめから、提灯がここにあった
次第
(
わけ
)
ではない。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やっと
仮病人
(
けびょうにん
)
の
次第
(
わけ
)
が分ったので、守青年は俄かに
安堵
(
あんど
)
を感じながら、彼の口辺にも、思わず笑いが浮かんだ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
先日も手紙で申上げたやうな
次第
(
わけ
)
で、当時差し
懸
(
かゝ
)
つた用事がありますので、
殆
(
ほとん
)
ど足を抜くことが出来ないのですが——何だか
無闇
(
むやみ
)
に貴女が恋しくなつたもんですから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
とまあ言い含めて出してやった
次第
(
わけ
)
なんで——お騒がせして、相済みません、へえ。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
「然う分って戴ければ僕も主張しません。斯うしましょう。僕の方は明日ってことに
定
(
き
)
めましょう。明日なら僕の方が一日早い
次第
(
わけ
)
です」
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その様な者は来ない、何ぞまた
此家
(
ここ
)
へ来たという
次第
(
わけ
)
でもあるのか。「私どもの部屋から
溢
(
こぼ
)
れて続いてる血の痕が、お邸の裏手で止まっております。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ハヽヽヽイヤ
何
(
ど
)
うも驚きました、成程、さすが明智の松島大佐も、恋故なれば心も
闇
(
やみ
)
と云ふ
次第
(
わけ
)
で
御
(
ご
)
わすかな、松島さん、シツカリ
御頼
(
おたのみ
)
申しますよ、相手が
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
露西亜
(
ロシヤ
)
ですゼ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
『何れを見ても
山家育
(
やまがそだ
)
ち。繁華の地と違い』って
次第
(
わけ
)
で、侍の子は我輩一人だった。小さい刀を一本差していた。自然押しが利く
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
対手
(
あいて
)
にならないが、
次第
(
わけ
)
は話そう。——それ、弁持の甘き、月府の
酸
(
す
)
きさ、
誰某
(
たれそれ
)
と……久須利苦生の苦きに至るまで、目下、素人堅気輩には用なしだ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「今日は又た曇つて来た、
何卒
(
どうぞ
)
降雪
(
ふら
)
ねば可いが」と、空
眺
(
なが
)
めながら伯母は篠田を見送りの為め、其の後に付いて、雪の山路を
辿
(
たど
)
り来りしが「其う云ふ
次第
(
わけ
)
で、長二や、気を着けてお呉れよ、 ...
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「でも、あの男はマザーの信用がありますからな。それに僕の分まで働いているんですから、感情を害する
次第
(
わけ
)
には行きません」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そんな、そんな
貴女
(
あなた
)
、
詰
(
つま
)
らん、
怪
(
け
)
しからん事があるべき
次第
(
わけ
)
のものではないです。
汚
(
けが
)
れた
身体
(
からだ
)
だの、人に顔は合わされんのとお言いなさるのはその事ですか。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それはその折直感したことだったが、申開きの立つまでは訊いて見る
次第
(
わけ
)
にも行かなかった。しかし今や自分の立場の説明がついたので
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その肖たという事の
次第
(
わけ
)
を話すがね、まあ、もっとお寄んなさい。
大分
(
だいぶ
)
眩
(
まぶ
)
しそうだ。どうも、まともに日が射すからね。さあ、遠慮をしないで、お敷きなさい。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「無論出世さ。幾度も話しているじゃないか? 自叙伝に
粉骨砕身
(
ふんこつさいしん
)
してから、感心な奴だという
次第
(
わけ
)
で引き立てゝ貰うんだよ」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
晃 これか、谷底に
棲
(
す
)
めばといって、
大蛇
(
うわばみ
)
に呑まれた
次第
(
わけ
)
ではない、こいつは
仮髪
(
かつら
)
だ。(脱いで棄てる。)
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
掌
(
てのひら
)
を
翻
(
かえ
)
したようで
可笑
(
おか
)
しいが、僕は今はお父さんに日本中の面白いところを是非隈なく歩いて戴かなければならない。その
次第
(
わけ
)
は先ず斯うだ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「お前これから駿河台へ行っての、
次第
(
わけ
)
を申して御老体御苦労じゃが、鮫ヶ橋まで
御出向
(
おでむき
)
のあるように、なりたけ内証での、そこを旨く、可いか。」「はッ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「叱ったって
次第
(
わけ
)
でもありませんが、新太郎君が
余
(
あんま
)
りいつまでも帰って来ないものだから、伯父さんの御機嫌が悪いんです」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
といった
次第
(
わけ
)
で、雪の神様が、黒雲の中を、
大
(
おおき
)
な袖を開いて、虚空を
飛行
(
ひぎょう
)
なさる姿が、遠くのその日向の路に、
螽斯
(
ばった
)
ほどの小さな旅のものに、ありありと拝まれます。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな
次第
(
わけ
)
で河原老人は特別関係だったが、
他
(
ほか
)
の同僚とも追々懇意になった。殊に英語の同僚は交渉が多いから、
否応
(
いやおう
)
ない。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
おのずと変なこともなくなりましょうと、相談をいたしまして、申すもいかがでございますが、
今日
(
こんにち
)
久しぶりで、
湧
(
わ
)
かしも使いもいたしましたような
次第
(
わけ
)
なのでございます。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
気がついたときはもう
晩
(
おそ
)
かった。原口君が信用がないとすれば、原口君に引き廻される僕も信用がない
次第
(
わけ
)
だ。社長令息が何かの問題について
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「どういう
次第
(
わけ
)
だか知らないけれど、折角あんなにお謂いのだから持って行くが可いよ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と奥さんはその
次第
(
わけ
)
の説明が長かった。安達君のところでは長兄が某私立大学へ入ると間もなく金を使い始めて、半途退学の余儀なきに至った。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
……その
次第
(
わけ
)
は「島津は近頃浮気をして、
余所
(
よそ
)
の
婦
(
おんな
)
と、ここで
逢曳
(
あいびき
)
をするらしい。」……
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「場で顔を合せるだけです。別に仲違いをしたって
次第
(
わけ
)
でもありませんから、話もします。しかしもう一緒に歩きません」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
売溜
(
うりだめ
)
の
金子
(
かね
)
はいくらあろうと
鐚一銭
(
びたいちもん
)
でも
手出
(
てだし
)
をしめえぜ。金子で買って
凌
(
しの
)
ぐような優長な
次第
(
わけ
)
ではないから、
餓
(
かつ
)
えてるものは何でも食いな。寒い手合は、そこらにある
切
(
きれ
)
でも
襯衣
(
しゃつ
)
でも構わず貰え。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
持ちかけるのさ。それじゃ西遠寺さんにお目にかゝる研究が一番出世の近道ですわねと言っていたよ。本当です。大いにやりましょうってな
次第
(
わけ
)
さ
善根鈍根
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
学円 その鳴らしてならないというは、どうした
次第
(
わけ
)
じゃね?
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「実は僕もそれを言ったんだけれど、突っ込まれて返辞に困った。単に君が貰ってくれるだろうという想像で有力な縁談を断る
次第
(
わけ
)
には行かない」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「ええ、いや、
私
(
てまえ
)
の方で、気にしない
次第
(
わけ
)
には参りません。」
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし広く世間へ出て探す
次第
(
わけ
)
に行かないから、親が然るべき候補者を吟味して当てがう。娘は交際して見て、その中から気に入ったのを極める。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「ああ、じゃあ、それからまた
縒
(
より
)
が戻った
次第
(
わけ
)
だな。」
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
馬は毎回
馬槽
(
うまおけ
)
一杯当てがわれて、後は文句を言わない。袖の香組は実力組に較べると、背景があるから裕福な
次第
(
わけ
)
だ。
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
次第
(
わけ
)
と申すは、余の事、別儀でもござりませぬ。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「溝淵閣下の令嬢を貰う。落伍したんでも何でもない。仲人に横領されてしまったんだ。自分ながら
次第
(
わけ
)
が分らない」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「自分でも
次第
(
わけ
)
が分らない。僕を採用した校長が転任して、教頭の野郎が昇格したんだ。すると単に学校の都合だから
余所
(
よそ
)
へ行ってくれという相談さ」
首切り問答
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「今に何かやるよ。屹度やる。まあ/\
然
(
そ
)
う
急
(
せ
)
き立てないでお呉れ——食うに困るという
次第
(
わけ
)
でもないんだからね」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
『さあ、この怪我人を何うして下さる』というような
次第
(
わけ
)
で、今度は車屋仲間が私達を取り巻きました。江戸っ子も斯うなると
全然
(
から
)
意気地がありません
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「しかし不思議なものだよ。皆、兎に角食っていく。金持になったって胃袋の大きさが倍になる
次第
(
わけ
)
でもなかろう」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「東金も格式が出来た。娘さんの嫁入り先のお母さんは華族さんから来ているそうだ。して見れば華族さんと親類になった
次第
(
わけ
)
だから素晴らしいものだ」
村一番早慶戦
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「残っているものが少ないから当り
䰗
(
くじ
)
が多い
次第
(
わけ
)
さ。しかし我輩は死ぬのを恐れてこんなことを言うのじゃない」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そういう家庭の事情なら本当の仕事は出来ないからという
次第
(
わけ
)
で、到頭引かなければならないことになりました
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
昨今は本業以外に芝居の方も引受けて、雑誌を発行している。義太夫のことなら何でも鐘太夫のところへ持って行けという
次第
(
わけ
)
だ。仕事が一ところに集まる。
心のアンテナ
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
見たいのですが、人目がありますから、会社の玄関まで来て貰う
次第
(
わけ
)
に行きません。それで有り得る中で一番近い而も一番安全な地帯で待っていて貰ったのです
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
僕は特別に女が好きという
次第
(
わけ
)
ではないが、一番綺麗なのに目を留めて、其奴がどれくらい菊太郎君に好意を持っているかを考えて見る。当り前なら構わない。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「教員会議で定ったことを私一人で動かす
次第
(
わけ
)
に行きません。この問題丈けなら、もうこれで失敬します」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「大丈夫でございますよ。未だ肺炎と定まった
次第
(
わけ
)
ではありませんから、御心配なすっちゃいけません」
女婿
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“次第”の意味
《名詞》
事を行う一定の順序。
経過。なりゆき。事情。理由。
(「次第に」の形で)徐徐に。
(出典:Wiktionary)
次
常用漢字
小3
部首:⽋
6画
第
常用漢字
小3
部首:⽵
11画
“次第”で始まる語句
次第々々
次第次第
次第柄
次第浜
次第低
次第書
次第高
次第禅門