暖爐だんろ)” の例文
新字:暖炉
木彫きぼりのあの、和蘭陀靴オランダぐつは、スポンとうらせて引顛返ひつくりかへる。……あふりをくつて、論語ろんごは、ばら/\と暖爐だんろうつつて、くわつしゆそゝぎながら、ペエジひらく。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
玄關げんくわんさき別室全體べつしつぜんたいめてゐるひろこれが六號室がうしつである。淺黄色あさぎいろのペンキぬりかべよごれて、天井てんじやうくすぶつてゐる。ふゆ暖爐だんろけぶつて炭氣たんきめられたものとえる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ふ。こゑさへ、いろ暖爐だんろ瓦斯がす颯々さつ/\霜夜しもよえて、一層いつそう殷紅いんこうに、鮮麗せんれいなるものであつた。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
貴方あなたは一生涯しやうがいだれにも苛責かしやくされたことく、健康けんかうなることうしごとく、嚴父げんぷ保護ほごもと生長せいちやうし、れで學問がくもんさせられ、それからしてわりやく取付とりつき、二十年以上ねんいじやうあひだも、暖爐だんろいてあり
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
うつくしさは、よるくもくらこずゑおほはれながら、もみぢのえだうらくばかり、友染いうぜんくれなゐちら/\と、櫛卷くしまき黒髮くろかみ濡色ぬれいろつゆしたゝる、天井てんじやうたかやまに、電燈でんとうかげしろうして、ゆらめくごと暖爐だんろほのほ
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
デミトリチは彼等かれら厨房くりや暖爐だんろなほしにたのであるのはつてゐたのであるが、きふなんだかうではいやうにおもはれてて、これ屹度きつと警官けいくわんわざ暖爐職人だんろしよくにん風體ふうていをしてたのであらうと
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)