拍手はくしゅ)” の例文
「そうだ、ぼくも、あらしなんかにけず、元気げんきよくやるぞ!」と、勇吉ゆうきちは、自分じぶんおもったくろいこいにむかって、拍手はくしゅをおくりました。
心は大空を泳ぐ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ハムーチャは少しびっくりしましたが、やがて、ようようと場所のまん中に進み出ました。四方から、らいのような拍手はくしゅが起こりました。
手品師 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
私は会釈えしゃくしてだんを下り拍手はくしゅもかなり起りました。異教徒席の神学博士たちももうこれ以上論じたいような景色も見えませんでした。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
寝台ねだいの上にあお向いたまま、ただ両手を動かして拍手はくしゅかっさいした。半身不随はんしんふずいなのかしら、板の上にりつけられたように見えた。
いっぽう、主人公役は、自分が出るときは、いつも幕切れのまえでなければこまる、なぜなら、お客さんはそこで拍手はくしゅするのだから、と、言いました。
そう云う内にもう一度、舞台の拍子木ひょうしぎが鳴り始めた。静まり返っていた兵卒たちは、この音に元気を取り直したのか、そこここから拍手はくしゅを送り出した。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
三人が待ちかまえていたように拍手はくしゅをした。重苦しい空気が室にみなぎった。黙然もくねんと腕をくんできいていた富士男はこのとき、しずかに立ちあがった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ふしぎな独楽こま乱舞らんぶを、かれの技力ぎりょくかと目をみはる往来おうらいの人や行路こうろ閑人ひまじんが、そこでバラバラとぜに拍手はくしゅを投げる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういって、やおら席につくと、われるような拍手はくしゅが起こって、人々は口々に、その紳士の機知きち賞讃しょうさんしました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
そして結局、青山敬太郎の発言で大河をし、それがほとんど全部の塾生に拍手はくしゅをもってむかえられたのであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
中からは見物人けんぶつにん拍手はくしゅが、あらしのように鳴りひびいて来ます。楽隊の音は、大なみのように鳴りわたります。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
拍手はくしゅが起り、すると、花火があがって、何か沸々ふつふつとたぎるような音がしはじめ、眼下に見下される町の中から叫喚きょうかんの声がとどろきはじめると見る間に、町はきたち
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
四、と読みかけた時拍手はくしゅの音が急にはりを動かして起った。演奏者はすでに台上に現われている。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
歓声かんせい拍手はくしゅがおこった。みんなさんせいらしい。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
わると、兵隊へいたいさんたちは、をパチパチとたたいてくれました。拍手はくしゅはそのへやからばかりでなく、へやのそとほうからもこったのです。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
陳氏はあらしのような拍手はくしゅ一緒いっしょに私の処へ帰って来ました。私が陳氏に立って敬意を示している間に演壇にはもう次の論士が立っていました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
だからようやく独唱ソロが終って、けたたましい拍手はくしゅの音が起った時、彼はわずかにほっとした眼を挙げて、まるで救いを求めるように隣席の大井おおいを振返った。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ちょうどそれと同じ心にしみ入る、深い苦痛が現われていました。そしてあたりには、数千年の昔と同じように、ふたたび拍手はくしゅ歓呼かんこの声がひびきわたりました。
つづいて大ぞうのファットマンが、のそりのそりとまかり出ました。見物席けんぶつせきからはあらしのような拍手はくしゅが起こりました。三人は一列にならんで見物席へあいさつをしました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
急霰きゅうさんのような拍手はくしゅが島をゆるがす、小鳥がおどろいて一時にパッと飛びたった。一同はまるでなつかしい校庭で遊びたわむれているときのように競技にむちゅうである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
わッ! という歓声かんせいは天地をとどろかしました。日本士官は思わずもき合っておどり上がりました。しばらくはすべての人の拍手はくしゅが鳴りやまなかったのであります。この光栄、この名誉めいよ
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
春秋しゅんじゅうに指を折り尽して、白頭はくとう呻吟しんぎんするのといえども、一生を回顧して、閲歴の波動を順次に点検し来るとき、かつては微光の臭骸しゅうがいれて、われを忘れし、拍手はくしゅきょうび起す事が出来よう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見物人の拍手はくしゅかっさいとわらごえで、しかしその答えはじゅうぶんであった。みんなは親方に賛成さんせいして巡査じゅんさ嘲弄ちょうろうした。とりわけジョリクールがかげでしかめっつらをするのをおもしろがっていた。
そして、手を高くあげてさけんだり、拍手はくしゅをしたりして、歓迎かんげいの意を表した。むろん、みんなの顔は笑いでほころびていた。それはちょうど町の群衆が凱旋がいせんの軍隊を迎える時のような光景であった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そのあとですぐに、万雷ばんらいのごとき拍手はくしゅがおこった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうした、二つのおどりは、みんなに不思議ふしぎかんじをあたえました。みんなは、よろこびました。拍手はくしゅしました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
首尾よく第六交響曲を仕上げたのです。ホールでは拍手はくしゅの音がまだあらしのように鳴ってります。
セロ弾きのゴーシュ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
みんなが拍手はくしゅした。拍手にまじって、だれかがとんきょうな声でさけんだ。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
と、まるで子供みたいな拍手はくしゅかッさい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
パチパチと拍手はくしゅがとんだ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
拍手はくしゅと一処に六七人の人が私どもの方から立ちましたが祭司次長が割合前の方のモオニングの若い人をさしまねきました。その人は落ち着いた風で少し微笑わらいながら演説しました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
賛成さんせい賛成さんせい!」と、エヌくんが同感どうかんして、あつ拍手はくしゅをおくりました。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)