“急霰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゅうさん81.8%
きふさん18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
拍手の音が急霰きゅうさんのように場内一面に湧き起った。その響きのうちに道化男は、裸馬に乗ったまま犬に吠え立てられつつ楽屋の中に駈け込んで行った。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
矢は急霰きゅうさんのように追ったが、徐栄軍はついに追いきれなかった。曹操たちは、一叢ひとむら蒼林そうりんを見て、ほっと息をついた。見ると五百ばかりの兵馬がそこにいる。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やゝ待ちあぐみたる会員は急霰きふさんの如き拍手をもつて温厚なる浦和議長を迎へたり、議長はおもむろに開会の辞を宣して、今や書記をして今夜の議案を朗読せしめんとする時「議長ツ」と
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
洪濛こうもうたる海気三寸の胸に入りて、一心見る/\四劫しごふに溢れ、溢れて無限の戦の海を包まんとすれば、舷に砕くるの巨濤ほとばしつて急霰きふさんの如く我と古帽とに凛烈りんれつの気を浴びせかけたる事もありき。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)