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択
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え
ふりがな文庫
“
択
(
え
)” の例文
旧字:
擇
択
(
え
)
りにも択ってこんな貧乏な人間を友達にして、大小となく相談をかけている印度の太子やそれに
随
(
つ
)
き従っている周囲の人々の心を考えると
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
お俊は叔父の髪に触れて、一本々々
択
(
え
)
り分けた。
凋落
(
ちょうらく
)
を思わせるような、白い、光ったやつが、どうかすると黒い毛と一緒に成って抜けて来た。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
御馳走は
更
(
かわ
)
る
更
(
がわ
)
る
出
(
い
)
でて尽くる事なし。続いて来れるは西洋チサの
心
(
しん
)
のみを
択
(
え
)
りたる上等のサラダ、サラダを喫しおわりし時
美事
(
みごと
)
なる
寄物
(
よせもの
)
出
(
い
)
ず。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
さう云つて高一も、なるべく大きな栗を五つだけ
択
(
え
)
り出して、みんなのそばへ坐ると、その皮をむき、渋をとつて、カリ/\と食べはじめました。
栗ひろひ週間
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
さすがはうちの山から一本
択
(
え
)
りに択つて伐り出した柱だ、目ざはりな節一つない、と大工はその中古の柱を愛撫しながら自分のもののやうに褒めた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
すべてを念入りに
択
(
え
)
り分けてみると、初めに想像していたよりももっと
莫大
(
ばくだい
)
な富が手に入ったことがわかった。貨幣では四十五万ドル以上もあった。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
男色
(
なんしょく
)
を売る少年や、十人あまりを
択
(
え
)
りあつめて、僧のまわりに
茵
(
しとね
)
をしき、枕をならべさせて、その淫楽をほしいままにさせると、僧は眉をも動かさず
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「しかし吉川君は当り前だと言うんだ。
先方
(
むこう
)
だって三人候補者を集めて置いて、その中から
択
(
え
)
り取るんだからって」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
お前なんかは、墓地の
択
(
え
)
り好みなんて出来る身分ではないのだ。はっきりと、身の程を知らなければならぬ。
花吹雪
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
……この渡辺利右衛門というのは、二年前まで、三里塚の御馬囲場の野馬役で、不思議と馬を見ることが上手なので、お囲場から
択
(
え
)
りぬかれて西丸へ呼上げられた。
顎十郎捕物帳:03 都鳥
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
隠坊
(
おんぼう
)
が
目塗
(
めぬり
)
の土をばらばらとはぎおとして鉄の扉をあける。鉄板のうえに砕けた骨が灰にまざってるのを
荒神箒
(
こうじんぼうき
)
に長い柄をつけたようなものでかきだして
択
(
え
)
りわける。
妹の死
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
その頃の名流を
択
(
え
)
りすぐった各種の演芸の
粋
(
すい
)
を抜いて番組をこしらえました。また主人や出入りの者もおのおの腕に
撚
(
よ
)
りをかけて、その隠し芸を発揮しようということでありました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
美妙は特にその作「
蝴蝶
(
こちょう
)
」のための
挿画
(
さしえ
)
を註文し、普通の画をだも評論雑誌に
挿入
(
そうにゅう
)
するは異例であるのを、
択
(
え
)
りに択ってその頃まだ
看慣
(
みな
)
れない女の裸体画を註文して容易に
容
(
い
)
れしめたのは
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
それまでに、姑は片見分けに自分の持って帰るようなものを、母親と一緒に、すっかり箪笥のなかから
択
(
え
)
り分けた。中には叔母が田舎にいた時分から離さなかった
頭髪
(
あたま
)
のものなどもあった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼はその中に、支那から帰った友達に
貰
(
もら
)
った
北魏
(
ほくぎ
)
の
二十品
(
にじっぴん
)
という
石摺
(
いしずり
)
のうちにある一つを
択
(
え
)
り出して入れた。それからその額を
環
(
かん
)
の着いた細長い
胡麻竹
(
ごまだけ
)
の下へ
振
(
ぶ
)
ら下げて、床の間の
釘
(
くぎ
)
へ懸けた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
屑籠
(
くづかご
)
を
打
(
ぶ
)
ちあけさせて、
一々
(
いち/\
)
択
(
え
)
り分けて、本当に
酷
(
ひど
)
い目に
逢
(
あ
)
ひましたよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
あたしに
択
(
え
)
らして下さらないかしら……。
百三十二番地の貸家
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
またおもむろに花を
択
(
え
)
り分け初めた。
あいびき
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
択
(
え
)
りに択ったその末が
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一番早く食べをはつた金太が、もう大きなのを二つ
択
(
え
)
り出して、今にもその皮を前歯でむきさうにして云ふと、すぐ勇治と庄吉とが賛成しました。
栗ひろひ週間
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
そこで親がこの人を
択
(
え
)
り出して娘にどうだと聞いた時娘の心にも異存がなければ
忽
(
たちま
)
ち相談は
纏
(
まと
)
まりますけれども
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
季節に入ってから、季節のものを買うようではもう
晩
(
おそ
)
いというのが安子さんの持論である。猫も杓子も手を出すようになると
択
(
え
)
り古しばかりで好い柄がない。
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
家畜の方は少しも
択
(
え
)
り好みがなく、どんな犬でも猫でも平等に愛していた。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
さう希望者の
択
(
え
)
り好みはできませんよ。
ママ先生とその夫
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「光子さんの実例で察しるんだが、女ってものは皆秘密を持っているらしい。今更結婚しても、赤いリボンで束ねた手紙なんか持っている女を
択
(
え
)
り当てると大変だ」
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
択
(
え
)
って青い皮をグルリと薄く剥いて頭の処を手際よく皮だけ
円
(
まる
)
く切って中をくり抜いておいて別に牛肉でも鳥肉でも魚肉でも
肉挽器械
(
にくひききかい
)
で挽いたものかあるいは
叩
(
たた
)
いて
摺
(
す
)
ったものへ塩胡椒で味を
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
みんなは
環
(
わ
)
になつて
坐
(
すわ
)
つて、自分の籠の中から、なるべく大きいのを
択
(
え
)
り出して、その皮を前歯でむくと、中の
渋
(
しぶ
)
を
拇指
(
おやゆび
)
の
爪
(
つめ
)
や、前歯でとつて、とてもいゝ音をさせて、カリ/\と食べだしました。
栗ひろひ週間
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
「学科の
択
(
え
)
り
食
(
ぐ
)
いをするってことを先生が仰有いましたが、矢っ張りそれが悪かったんですね」
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それは
末成
(
うらなり
)
と申して珈琲の実が枝の一番先へ成ったのを
択
(
え
)
りましたのです。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
元来試験官と受験者は
氷炭
(
ひょうたん
)
相容
(
あいい
)
れない。先方は意地悪い小面倒なことを
択
(
え
)
りに択って訊くのだから、
此方
(
こっち
)
も、そら、先刻の英語の
句
(
フレーズ
)
のように、出来る丈け高く命を売るのさ
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と言って、官立学校の試験を受ける為めに、英語の授業丈け
択
(
え
)
り
食
(
ぐ
)
いをしていた。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
未だ海水浴には
少時
(
しばらく
)
間があるから、今の中なら
択
(
え
)
り取りらしい。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「何うだい? 貰ってくれるかい? 今のうちなら
択
(
え
)
り取りだ」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
僕は
択
(
え
)
りに択って悪い話題を持ち出したものだと後悔して
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
といいながら、
照彦
(
てるひこ
)
様は初心の
手頃
(
てごろ
)
の弓を
択
(
え
)
って渡した。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
択
(
え
)
りに択って掃溜へお嫁にやることもありますまい」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
尤も
択
(
え
)
り食いをしていたら永久に有りつけない。
恩師
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
択
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“択”を含む語句
選択
択取
選択集
撰択
択捉
捫択
選択本願念仏集
択好
撰択集
揀択
決択
能書不択筆
選択器
選択意思
采采択
銓択
顕撰択
撰択淘汰
撰択本願念仏宗
取捨選択
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