金があるかないかはもとより知らず、この家に来てから五年になるが「ろくなお小遣も貰わなかった」と少し怨ずる色があります。
夏子は小声になって、目を細めて、ニッコリと怨じて見せた。アア、その艶かしさ! 蘭堂は段々自信を失って行く様な気がした。
と怨じるのが聞えた。が彼はそのまま廊の闇をどすどす歩いて、燃えやまぬその五体を、大庭の夜気に立って冷やした。
“怨(怨み)”の解説
怨み(読み: うらみ、うらめしみ、表記揺れ: 恨み、憾み)は、他者からの仕打ちに対して不満と思い、憤って憎む気持ちのことを指す。また、心残りや悲しみなどを指すこともある。「怨み」(うらめしみ)という言葉は、形容詞「うらめしい」の語幹に、連用修飾語の「み」をつけたものが語源となっている。怨念(おんねん)、怨恨(えんこん)ともいう。古来は、怨みや憎しみを持った人の生霊や、非業の最期を遂げた人の霊などが怨霊になると考えられていた。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)