心掛こゝろがけ)” の例文
文「ウーム、殊勝しゅしょう心掛こゝろがけじゃ、時に吉とやら、そちの親方という新潟の沖にて親船に乗ってる奴はなんという名で何処どこの国の者か」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ゆゑ日本國中につぽんこくちう人民じんみん此改暦このかいれきあやしひとかなら無學文盲むがくもんまう馬鹿者ばかものなり。これをあやしまざるものかなら平生へいぜい學問がくもん心掛こゝろがけある知者ちしやなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
「さうだともさね、さういふ心掛こゝろがけさへすりやけつして間違まちがひはないからね」内儀かみさんはいつてさら以前いぜんからのはなしいくらかまれてるやうで
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
家鴨あひるが外套を脱いで鴨鍋へ飛び込むやうに、自殺でもしようといふ心掛こゝろがけのある者は、履物を脱ぎ揃へて軌道レールに横になる位の儀式はちやんと心得てゐる。
燧石ひうちいしのやうに持ちがいゝに違ひないと思ふ、よい心掛こゝろがけの石を置いてゐるところです。これからはきつと、私の仲間も、遊びも今までとは違つてくるでせう。」
たい多數たすうひとあつまつて一組織そしきすれば自然しぜんいきほひとして多數人たすうじん便宜べんぎといふこと心掛こゝろがけねばなりません、多數たすう都合つがふよろしいとやうにといふのが畢竟ひつきやう規則きそく精神目的せいしんもくてきでありませう。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
取直に稻葉淡路守殿吟味に及ばれし處後家はつゝしんでをつと勘兵衞舊惡の事は私し共一向ぞんじ申さず六年以前夫婦と相成あひなりし以來さら惡事あくじも之なく人の世話せわも致し信心しんじんを第一と心掛こゝろがけ私くし共に目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いはく、(金子かねをとこなんにもらぬ微醉機嫌ほろよひきげん人力車じんりきしや)——少々せう/\間違まちがつてるかもれないが、間違まちがつてれば、藝妓げいしや心掛こゝろがけで、わたしつたことではない。なにしろうした意氣いきうたつてあつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
画家達が要塞地だからいては悪からうと問ふと、番兵はくのは構はないが草木の花を摘むなと答へた。自然を愛すると云ふ日本人にかへつて是丈これだけの植物を保護する心掛こゝろがけは無い様である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
江戸屋の清次さんといういきな女惚れのする人が、お前の親孝行で、心掛こゝろがけが宜く、器量もいから、おらアほんとうに女房にょうぼに貰いたいと云ってるんだが、たった一晩でお金を五円あげるとさ
うかい。でも、おまへやさしいお心掛こゝろがけだね。」
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わしやお内儀かみさんだけ心掛こゝろがけてんでがすよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うかい。でも、おまへやさしいお心掛こゝろがけだね。」
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)