御国みくに)” の例文
旧字:御國
武蔵の入間いるま郡には椿峯つばきみねという所が二箇所あります。その一つは、御国みくにの椿峯で、高さ四五尺の塚の上に、古い椿の木が二本あります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そうでないと、あれでも御国みくにのためには、生命いのちおしまないてあいだから、どんなことをしようも知れない。よく思案して請取るんだ、いいか。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みこと御国みくににとりてかけがえのない、大切だいじ御身おみうえ……何卒なにとぞこのかずならぬおんな生命いのちもっみこと御生命おんいのちにかえさせたまえ……。
露西亜ロシアと戦争が始まって若い人達は大変な辛苦しんくをして御国みくにのために働らいているのに節季師走せっきしわすでもお正月のように気楽に遊んでいると書いてある。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし御国みくにに仇をする怪塔王を本当にやっつけるには、今のところ、このあべこべ砲の研究より外にみちがありません。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
昭和十六年太平洋戦争にはいると、光太郎はそのころの詩人がみんなしたように、かれも御国みくにのための詩を作り、一つの流行詩の表面にうかんでいた。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
その時に限らず、母親の膝を枕に、わたしの父親の話——御国みくにめに戦死したえらい父親の話を聞いてると、いつもわたしほうに冷たいものゝ落ちるのがれいであつた。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
ご兄弟様とのおん仲も御むつまじく、四方よりのご人望は富岳よりも御高く、御在おわしますところの御皇子様! いよいよ弥栄いやさかえましまして、やがてはこの御国みくに御礎石おんいしずえとなられ
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
唐土もろこしから種々いろ/\薬種やくしゅが渡来いたしてるが、その薬種を医者が病気の模様にってあるいゆるめ、或は煮詰めて呑ませるというのも、畢竟ひっきょう多くの病人を助ける為で、結句けっく御国みくにの為じゃの
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
氷室ひむろといふ事、俳諧の季寄きよせといふものなどにもみえたればあまねくひとの知りたる事にて、周礼にもいでたれば唐土のむかしにもありしことなり。 御国みくには仁徳紀に見えたればその古きを知るべし。
すればおまへのその声は天の御国みくにの住民の佳い音楽にまさるだらう。
恋ふまじきおきてもあらで我が歩むこゝろの御国みくに安くもあるかな
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
御国みくににゆりぬ、君はいま
この日 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
すめらぎの御土みつち御国みくに
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御国みくにのうへに美くしく
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
さうすりや些少ちっとあ念ばらしにもなつて、いくらか彼奴あいつらが合点がってんしやう。さうでないと、あれでも御国みくにのためには、生命いのちも惜まないてあいだから、どんなことをしやうも知れない。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あれは日本海を向こうへ越えた国境附近で、御国みくにのために生命いのちを投げだして働いている、わが陸海軍将兵のために敬意を表していたのかと思ったんだが、そうじゃなかったのかね
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
氷室ひむろといふ事、俳諧の季寄きよせといふものなどにもみえたればあまねくひとの知りたる事にて、周礼にもいでたれば唐土のむかしにもありしことなり。 御国みくには仁徳紀に見えたればその古きを知るべし。
わしは、このがいよいよますのをち、服装ふくそうなどもすぐに御国みくにりのきよらかなものにあらためさせ、そしてその姿すがた地上ちじょう両親りょうしん夢枕ゆめまくらたせ、自分じぶんかみさまにつかえているであるから
あめりかのどるを御国みくにのしろかねにひとしき品とさだめしやたれ
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
薔薇色の、天の御国みくにしきみから
この御国みくに、この皇民みたみ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勿論軍律を犯したといふでもないから、将校方は何の沙汰さたをもせられなかつたのであらう。けれどもが、われわれ父母妻子をうつちやつて、御国みくにのために尽さうといふ愛国の志士が承知せん。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
土のごと山と掘りくるどるらるに御国みくにのたからかへまく惜しも
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「すわ、御国みくにの大事」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)