岩石がんせき)” の例文
これはその山體さんたいつくつてゐる岩石がんせき玄武岩げんぶがん)の性質せいしつるものであつて、そのけてゐるさい比較的ひかくてき流動りゆうどうやすいからである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
と思うと、神代川の渓流がさかまきだしたように、ウワーッとあなたこなたの岩石がんせきのかげから、いちじに姿をあらわした伏兵ふくへい
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いえ、そこには第一水がなくて土と岩石がんせきばかりです。だから魚はすめやしません。しかし一番上へ行けば、海の中が見えますから、魚も見えるわけです」
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
富士男はドノバンの腕をぐっとつかむやいなや、右にひきよせて岩石がんせきがえしに大地にたたきつけた。それはじつにかんはつをいれざる一せつなの早わざである。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
岩石がんせきつるぎのやうに削立つゝたつて荒磯あらいそへんだのを、兵曹へいそう元氣げんきまかせて引廻ひきまはされたので、ひどつかれてしまつた。
こゝからは岩石がんせき砂礫されきみち一歩々々いつぽ/\みすゝんで、つひに海拔かいばつ一萬二千餘尺いちまんにせんよしやく絶頂ぜつちようへたどりつくわけです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
はるかしたほうをのぞくと、おおきな岩石がんせきにくだけながら、谷川たにがわしろくあわだってながれていました。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが人類じんるいはまた偶然ぐうぜん岩石がんせきあひだにあるきんだとかどうだとかのような金屬きんぞく發見はつけんして、こんどはその金屬きんぞくをもつて器物きぶつつくるようになりましたが、これはいしほね器物きぶつくらべると
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
するといっぽうの急坂きゅうはんからも、血路けつろをひらいた卜斎ぼくさいが、血刀ちがたなを引っさげてこの磯へ目ざしてきたので、ふたりは前後ぜんごになって磯の岩石がんせきから岩石を飛びつたい、やがて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
草本そうほんばかりとなり、なほのぼると、しまひには、たゞ岩石がんせきばかりでくさもなくなつてしまひます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
月世界の上では、同じ大きさに見える岩石がんせきでも、地球の上で感ずる重さの六分の一にしか感じない。だから大きな岩石を隊員はかるがると持ちあげて遠くまでなげとばすことが出来た。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
鐵車てつしやふたゝ猛烈まうれつなるいきほひをもつてみ、岩石がんせきくだいて突進とつしんする。あゝ好漢かうかんこのをとこじつ壯快さうくわい男兒だんじだが、をしむらくばすこしく無鐵砲むてつぽうぎるので、萬一まんいち※失あやまちければよいがとおも途端とたんたちま
「いずれ要所ようしょ要所には、石扉せきひてたり岩石がんせき組木くみきんで、ふだんは通れぬ仕掛しかけになっているだろう。それをおまえたちのつちでいけるところまでりぬいていくのだ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
草本帶そうほんたいには、乾燥かんそうしたところにえる植物しよくぶつ、すなはち『乾生かんせい』のものと、濕氣しつきのあるところにえる『濕生しつせい』のものとの區別くべつがあつて、前者ぜんしや岩石がんせき砂地すなじ乾燥かんそうした場所ばしよ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)