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姪
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めひ
ふりがな文庫
“
姪
(
めひ
)” の例文
「そんなことぢやありません。金貸しの鍵屋金右衞門がやられましたよ。手代の喜三郎も斬死で、
姪
(
めひ
)
のお縫が泣いてばかり居ります」
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
喚出
(
よびいだ
)
し三四度御
自分樣
(
じぶんさま
)
と
引合
(
ひきあひ
)
たる家も有り殊に御自分の云はるゝには小夜衣は我が
姪
(
めひ
)
なれば
行末
(
ゆくすゑ
)
共に
懇
(
ねんご
)
ろに私に
頼
(
たの
)
むと小夜衣が文を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし紀伊は自分達の家世を語つて、
姪
(
めひ
)
を妾にすることを辞退した。そこで綱宗と初子とは、明暦元年の正月に浜屋敷で婚礼をしたのである。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
残念なことに、母は五年前に亡くなりました。私の妻はこの母の
姪
(
めひ
)
にあたる女です。私たちには四歳になる娘があります。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「兄さんは
矢張
(
やつぱり
)
叔母さんの
生家
(
さと
)
へ知らずに買物に行つたのよ。三度も。なんでもハイカラな娘が居たなんて——
必
(
きつ
)
とお
君
(
きみ
)
さん(叔母さんの
姪
(
めひ
)
)のことよ。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
我には世に、名をアラージヤといふひとりの
姪
(
めひ
)
あり、わが
族
(
うから
)
の惡に染まずばその
氣質
(
こゝろばへ
)
はよし 一四二—一四四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
今一人の妹とか、幾人かの
姪
(
めひ
)
や
甥
(
をひ
)
、又
従姉妹
(
いとこ
)
たち——その他の人達とも話を
交
(
まじ
)
へたりして、各人のその後の運命や生活内容にも、久しぶりで触れることができた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
一心に長い手紙を
披
(
ひろ
)
げてゐる、お文の肉附のよい横顔の、白く光るのを、時々振り返つて見ながら、源太郎は、
姪
(
めひ
)
も
最
(
も
)
う三十六になつたのかあアと、
染々
(
しみ/″\
)
さう思つた。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
夕方の燈が
点
(
つ
)
く。稲の葉の
香
(
にほひ
)
が際立つて鼻をついて来た。野良帰りには不思議に逢はなかつた。唐もろこしに囲まれた
姪
(
めひ
)
の家まで来た。
背後
(
うしろ
)
の山はもう真黒に暮れてゐた。
反逆の呂律
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
叔父御
(
をぢご
)
カピューレット
殿
(
どの
)
、
同
(
おな
)
じく
夫人
(
ふじん
)
、
同
(
おな
)
じく
令孃達
(
むすめごがた
)
。
麗
(
うるは
)
しき
姪
(
めひ
)
のローザライン。リヸヤ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
不在中泊りに来てゐた
姪
(
めひ
)
や、又訪ねて来た母などの話をきくと余程孤独を感じてゐた様子で、母に、あたし死ぬわ、と言つた事があるといふ。丁度更年期に接してゐる年齢であつた。
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
主人の家内の
姪
(
めひ
)
に当ります者が、内に引取つて御座いまして、これを私に
妻
(
めあは
)
せやうと云ふ
意衷
(
つもり
)
で、
前々
(
ぜんぜん
)
からその話は有りましたので御座いますが、どうも私は気が向きませんもので
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
今は
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
芸人の
片端
(
かたはし
)
ぢや、此頃の乱暴は
何
(
ど
)
うぢや、
姪
(
めひ
)
を売つて権門に
諂
(
へつら
)
ふと世間に言はれては、新俳優の名誉に
関
(
かゝ
)
はるから、
其方
(
そち
)
を取り戻すなどと、イヤ、飛んだ活劇をし居つたわイ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
婆やは息子が一人ありながら、いろんな訳があつて、その子にかゝることが出来なくて、五十六の年に、一人で、こちらにゐた
姪
(
めひ
)
の方へたよつて来て、それからこゝへ奉公に来たのださうであつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
もう一人、お稻の後ろに引添ふやうに、美しい顏を
俯向
(
うつむ
)
けて居るのは、お由といつて先代の
配偶
(
つれあひ
)
の遠い
姪
(
めひ
)
で、十九になつたばかり。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
五十兩九郎兵衞里兩人の
養育料
(
やういくれう
)
として
遣
(
つかは
)
し候儀に御座候其後九助同村の周藏喜平次木
祖
(
そ
)
兵衞等が
取持
(
とりもち
)
にて私し
姪
(
めひ
)
節儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私は今踊つた人がM—氏の令嬢で、もう一人の美しい人が
姪
(
めひ
)
で、今一人の娘さんが友達だことを知つた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
鶴子は信徳の傍に行つて夕刊を渡すと、嫂の隣に腰かけて小さい
姪
(
めひ
)
の袖口の
綻
(
ほころび
)
をなほしはじめた。——彼女が万事派手な嫂とそのやうに居並ぶと、その対照は一寸妙だつた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
重三郎は主人の
甥
(
をひ
)
で、音松は主人の弟だ。この二人とお染を殺せば、萬といふ金が遠縁乍ら
姪
(
めひ
)
の自分へ入つて來るとお今は考へたのさ。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
以て
貴殿
(
きでん
)
の
姪
(
めひ
)
小夜衣を身請して御當家へ
置
(
おく
)
とのお約束ゆゑ
金子
(
きんす
)
をばお渡し申せしに
何故
(
なにゆゑ
)
然樣のことを仰せられ候やと申に長庵大いに
怒
(
いか
)
り
這
(
こ
)
は
怪
(
けし
)
からぬことを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「まア、
口惜
(
くや
)
しいツ。第一私は、昨日一日、此處を一寸も動きやしません。嘘だと思つたら下に居る
姪
(
めひ
)
のお雪に訊いて下さい」
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
姪
(
めひ
)
のお辰はどうでせう。——あの女はやけに綺麗だが、何を訊いても物を言はず、二人が殺された時刻にも、何處に居たか判りませんよ」
銭形平次捕物控:149 遺言状
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
先々代の
姪
(
めひ
)
の子で、
十歳
(
とを
)
で
孤兒
(
みなしご
)
になつたお夏に、佐渡屋の女主人や娘達、奉公人達まで殺す動機があらうとも思はれません。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの時巴屋の若旦那は、
姪
(
めひ
)
のお照に逢ひ度さに、島田町から入船町あたりを、ウロウロして居たことでせう、どうぞ、重三郎さんをお助け下さい
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
姪
(
めひ
)
のお咲は、いろ/\の用事で、昨日晝頃から參りました。歸りは夜になるが、同じ芝口二丁目の仕事場に、正
亥刻
(
よつ
)
(十時)を合圖に順八さんを
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、あいにく金之助は前の日から、貸金の取立てに、八王子まで行つてまだ歸らず、下女のお徳は持て餘して、
姪
(
めひ
)
のお粂に相談をして見ました。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう一人はお半と言つて丸屋の
掛
(
かゝ
)
り
人
(
うど
)
ですが、死んだ六兵衞の女房の
姪
(
めひ
)
で、取つて二十二になる小意氣な年増女です。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それではお前はいろ/\の事を知つて居るだらう、——先づ第一に二人の
姪
(
めひ
)
のこと、若旦那の民彌のこと、この家の主人のことなどを訊き度いが」
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それからお銀は邪魔物扱ひにされてゐるわけではないのか。あの通り口が惡くて、それに先代の
姪
(
めひ
)
に當るから、今の主人夫婦も遠慮があるだらう」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
主人總兵衞の死骸は、今朝
姪
(
めひ
)
のお杉——下女同樣に働いてゐる二十五の大年増が、雨戸が一枚開いてゐるのに驚いて、その寢間を覗いて發見しました。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに
昨夜
(
ゆうべ
)
は、越後屋の
姪
(
めひ
)
でお糸といふのが急病で、下男の
寅藏
(
とらざう
)
は在所へ歸つて留守だし、小僧や下女では夜のことで役に立たず、親切者の金次郎が
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
は腹の立つほど地味で、頭の良いにしては、物言ひはハキハキしない方、
姪
(
めひ
)
のお紋の陽性なのに比べて、これはいくらか陰性な感じのする女です。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
親分方の前だが、娘のお
此
(
この
)
も良い女だが、
姪
(
めひ
)
のお糸といふのは、
跛者
(
びつこ
)
で病身だといふけれど、そりや美い女ですよ
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
默りこくつてゐる一座の中で、斯う最初に口をきつたのは、陽氣で明けつ放しで、一番美しい、
姪
(
めひ
)
のお紋でした。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
内儀のお富は貧乏人の子で、金襴の帶どころか、ろくな
前掛
(
まへかけ
)
も持たずに嫁入して居るし、
姪
(
めひ
)
のお梅は、お轉婆で
粹好
(
いきごの
)
みで、そんな大時代なものは大嫌ひ。
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
若旦那の新六郎と
姪
(
めひ
)
のお銀の
履物
(
はきもの
)
は兩國の橋の上に脱ぎ捨ててありましたが、二人の死骸は房州まで流れて行つたものか、到頭あがらなかつた樣子です。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その鬼の小左衞門にこんな可愛らしくて純情らしい
姪
(
めひ
)
があるといふのは、何にか造化の神の大きな
惡戯
(
いたづら
)
を見せつけれらるやうな氣がしないでもありません。
銭形平次捕物控:269 小判の瓶
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「上總屋の
姪
(
めひ
)
で、掛り
人
(
うど
)
になつてゐるお紋といふ、少し
鐵火
(
てつくわ
)
だが、滅法綺麗なのが、向柳原の叔母の知合ひで」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「主人夫婦には、
姪
(
めひ
)
のお縫を殺すわけはない。お縫は
孤兒
(
みなしご
)
で、金も身分もなし、それに少し陰氣ではあつたが、申分なく綺麗で、上品で、優しくもあつた」
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
姪
(
めひ
)
のお梅が、日頃から
虐待
(
ぎやくたい
)
されて物置に寢泊りして居ることに氣が付いて、若しや
氣取
(
けど
)
られたんぢやあるまいかと、
梁
(
はり
)
に吊つて俺の眼から隱さうとしたんだ。
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
伯母
(
をば
)
姪
(
めひ
)
同士が奉公してゐると言ひますが、おさのの方は、彈三郎の
妾
(
めかけ
)
だつたといふ近所の噂が本當でせう。
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その上、新六郎樣は先代の忘れ形見、お銀さんは先代の御内儀の
姪
(
めひ
)
、二人は兄妹のやうに育つたんですもの
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
早く女房に死に別れて、跡を
繼
(
つ
)
ぐべき子供も無かつたので、二人の
姪
(
めひ
)
——お道、お杉——を養つて淋しいが、
併
(
しか
)
し滿ち足りた暮しをして居る、有徳の米屋でした。
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「では、御當家に御泊りの、園山樣若樣、鶴松樣に、この北と申す
姪
(
めひ
)
が御目通りいたしたいと申します。それを
御叶
(
おかな
)
へ下されば、迷子札は相違なく差上げますが」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでも、三日に一度、七日に一度づつは、泊りがけにやつて來て、
姪
(
めひ
)
のお雛の美しく
生
(
お
)
ひ立つのと病弱な富太郎が、少しづつでも丈夫になるのを見て歸りました。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お萬は、
姪
(
めひ
)
のお
信乃
(
しの
)
を歸せと、うるさく八五郎を
責
(
せ
)
めたさうだが、たつたそれ丈けのことで、若い男と幾晩も睨めつこをしたのか、——嘘を言つちやならねえよ」
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
萬兵衞は
姪
(
めひ
)
のお喜代を可愛がり過ぎた。内儀は病身で、義理の姪があんなに綺麗で陽氣でお轉婆だ。
銭形平次捕物控:231 鍵の穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
姪
(
めひ
)
のお粂さんに訊くと、滅茶々々でしたよ、あんなに言はれては、死んだ叔父さんも浮ばれない」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
親分のところに泊つて居るのは、田舍から
姪
(
めひ
)
が來て、向柳原の叔母の家が急に狹くなつたからだ。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さう言ひ乍らもお時は、
姪
(
めひ
)
の小娘に眼顏で何やら含めさせて、狹い梯子をトントンと踏むのです。
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“姪”の意味
《名詞》
(めい)兄弟姉妹の娘。
(出典:Wiktionary)
“姪”の解説
姪(めい)とは、傍系3親等の親族で、兄弟姉妹の娘を指す語。対義語は甥またはおじ、おば。
(出典:Wikipedia)
姪
漢検準1級
部首:⼥
9画
“姪”を含む語句
女姪
姪御
叔姪
小姪
姪浜
犯姪
幼姪
愚姪
愚姪方
我姪
曾姪
阿姪
甥姪
異母姪
賢姪
賤姪
令姪
姪筋
姪浜石
姪成
...