天候てんこう)” の例文
どう今日きょう船出ふなで寿ことほったのもほんのつか、やや一ばかりもおかはなれたとおぼしきころから、天候てんこうにわかに不穏ふおん模様もようかわってしまいました。
ながわづか日數ひかずうち渺々べうべうたるはたけをからりとさせて、しばらくすると天候てんこうきはまりない變化へんくわを一ぱいひろげて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
植木屋うえきやは、そのみち嶮岨けんそなことをかんがえました。また、あきわりやすい天候てんこうのことをおもいました。
大根とダイヤモンドの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
午後ごゞいたりて、如何どう天候てんこう不良ふれうである。それで女連をんなれんだけきへへさうとした。
石沙無人せきさむにんきやうの、いへとなり、みづとなり、となり、むらとなつた、いま不思議ふしぎきやうにのぞみながら、古間木こまきよりしてわづかに五、あとなほ十をひかへた——前途ゆくて天候てんこうのみ憂慮きづかはれて、同伴つれ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今日けふのやうな天候てんこうは、べつしてもあたま差響さしひゞく。わたしくのも可厭いやひとられるのも、ひと訪問はうもんするのも臆劫おつくうつたかたちで——それならてゞもゐるかとおもふと、矢張やつぱりきて、つくゑすわつてゐる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
これは天候てんこう険悪けんあくだぞ
天候てんこうの険悪いよよ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はなまえには、とかく、さむかったり、あたたかかったりして天候てんこうさだまらぬものです。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
勘次かんじまたはなしきながらさだまりない天候てんこう變化へんくわあんじた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「これは不気味ぶきみ天候てんこうになったものだ。」
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)