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噴飯
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ふきだ
ふりがな文庫
“
噴飯
(
ふきだ
)” の例文
年内の
御重宝
(
ごちょうほう
)
九星売が、
恵方
(
えほう
)
の方へ
突伏
(
つっぷ
)
して、けたけたと
堪
(
たま
)
らなそうに
噴飯
(
ふきだ
)
したれば、苦虫と呼ばれた
歯磨屋
(
はみがきや
)
が、うンふンと鼻で笑う。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
Naiveな、
可憐
(
かれん
)
な、見ていても
噴飯
(
ふきだ
)
したくなるような連中だ。御蔭で私も紛れて行った。Iの方は私の家の大屋さんの娘だ。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
子供のようなからだに、しかつめらしいかみしもを着ているのだから、ふだんなら
噴飯
(
ふきだ
)
すものがあるかも知れないがいまは、それどころではない。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
柳麗玉 (気を引き立てるように
噴飯
(
ふきだ
)
す)ぷっ、嫌よ、あんなやつに似ちゃあ——。で、どうしようっていうの?
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
呆
(
あき
)
れた酒井は、ふつと、
噴飯
(
ふきだ
)
しかけたのを
半巾
(
ハンケチ
)
を
銜
(
くわ
)
へて後ろ向きになつたが、込みあげてくる笑ひが止まらず
癖
(新字旧仮名)
/
喜多村緑郎
(著)
▼ もっと見る
そうして腕を組み直しながら、今一度よく考え直してみましたが、そのうちに私は又、とても
訝
(
おか
)
しい……
噴飯
(
ふきだ
)
したいくらい変テコな事実に気が付いたのです。
死後の恋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ダイアナとメァリーが歸つて來ると、ダイアナは自分の生徒が兄の生徒になつて了つたと知つて
噴飯
(
ふきだ
)
した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その
面
(
つら
)
つきいと
真面目
(
まじめ
)
なれば逃げんとしたれども、ふと思い付きて、まず
殻
(
から
)
をとりてたまわれと答えける。亭主
噴飯
(
ふきだ
)
して、さてさておかしきことを云う人よと云う。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
光秀も
恐
(
おそら
)
く竹槍を
担
(
かつ
)
いで逃げ出すより
他
(
ほか
)
はあるまい。私は独りで
噴飯
(
ふきだ
)
してしまった。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ふとくすぐられるような
弛
(
ゆる
)
びを覚えて、双方で
噴飯
(
ふきだ
)
してしまうようなことはこれまでにめずらしくなかったが、このごろの笹村の
嫌厭
(
けんえん
)
の情は妻のそうした
愛嬌
(
チャーム
)
を打ち消すに十分であった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
甲乙
(
ふたり
)
は
噴飯
(
ふきだ
)
して、申し合したように
湯衣
(
ゆかた
)
に着かえて
浴場
(
ゆどの
)
に逃げだして
了
(
しま
)
った。
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ルパンは突然プッと
噴飯
(
ふきだ
)
した。そして死骸を
攫
(
つか
)
んでグイと
傍
(
そば
)
へ押し転がした。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
すべてのおそろしさも打ち忘れてプッと
噴飯
(
ふきだ
)
さずにはゐられなかつた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:06 紛失した国書
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
篠田は腹を拘へて
噴飯
(
ふきだ
)
せり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
女のような、形のいい小さな
頤
(
あご
)
を、引き気味にしていた。ぞっとするほど通った、高い鼻だった。おちょぼ口が、いまにも
噴飯
(
ふきだ
)
しそうに歪んでいた。
あの顔
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
とお房は妹を手招きして呼んで、やがて棺の中に眠るようなお繁の死顔を
覗
(
のぞ
)
きに行った。急に二人の子供は
噴飯
(
ふきだ
)
した。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と正木博士は
噴飯
(
ふきだ
)
した。その拍子に
嚥
(
の
)
み込みかけていた葉巻の煙に
咽
(
む
)
せて、苦しさと
可笑
(
おか
)
しさをゴッチャにした表情をしながら、慌てて鼻眼鏡を押え付けた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
お吉とも/″\
噴飯
(
ふきだ
)
して笑ひ、清吉昨夜は如何したか、と
嬲
(
なぶ
)
れば急に
危坐
(
かしこま
)
つて無茶苦茶に頭を下げ、つい御馳走になり過ぎて何時か知らず寝て仕舞ひました、姉御
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ダイアナは
噴飯
(
ふきだ
)
した。「まあ、セント・ジョン、この方はまだせい/″\十七か十八よ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
あの
嘴
(
くちばし
)
で
丹念
(
たんねん
)
に、
這奴
(
しやつ
)
我
(
わ
)
が
胸
(
むね
)
、
我
(
わ
)
が
腹
(
はら
)
の
毛
(
け
)
を
殘
(
のこ
)
りなく
毮
(
むし
)
り
取
(
と
)
つて、
赤裸
(
あかはだか
)
にした
處
(
ところ
)
を、いきみをくれて、ぬぺらと
出
(
だ
)
して、
葉隱
(
はがく
)
れに……へたばる
人間
(
にんげん
)
をぎろりと
睨
(
にら
)
んで、
噴飯
(
ふきだ
)
す
由
(
よし
)
。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ハッハッハッハッハッハッ」と二三人が
噴飯
(
ふきだ
)
して了った。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「うふッ」叩きつけられたように伏していた喬之助が、
噴飯
(
ふきだ
)
したのだ。「あははははは、御苦労な!
土偶人形
(
でくにんぎょう
)
の勢揃い……カッ! これでも
喰
(
くら
)
えッ!」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
中には、手を
叩
(
たた
)
いて、踊り上って笑うものもあった。それを聞くと、私も
噴飯
(
ふきだ
)
さずにはいられなかった。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
誰も
噴飯
(
ふきだ
)
して笑うので有りますが、当今の紳士の旅行の状態を見ると、余り贅沢過ぎて何の事は無い、つまり御茶壺になって歩いて居るのだ、と或人が評を仕ましたのを聞いて
旅行の今昔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「ハッハッハッハッハッ」と一同が
噴飯
(
ふきだ
)
して了った。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
女中も思わず
噴飯
(
ふきだ
)
して
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
去年——一昨年——一昨々年——
噫
(
あゝ
)
、未だ世の中を
其程
(
それほど
)
深く思ひ知らなかつた頃は、
噴飯
(
ふきだ
)
したくなるやうな、気楽なことばかり考へて、この大祭日を祝つて居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
むくむくと起き上ったる清吉
寝惚眼
(
ねぼれめ
)
をこすりこすり
怪訝顔
(
けげんがお
)
してまごつくに、お吉ともども
噴飯
(
ふきだ
)
して笑い、清吉
昨夜
(
ゆうべ
)
はどうしたか、と
嬲
(
なぶ
)
れば急にかしこまって無茶苦茶に頭を下げ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
絵でも、見ようによっては、おちょぼ口が、いまにも
噴飯
(
ふきだ
)
しそうに歪んでいた。夢と同じに、お久美にとって、生れるまえから相識のような、たまらなくなつかしいものに思われてならない顔だった。
あの顔
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
榊も
噴飯
(
ふきだ
)
した。「姉さん、この二人は株屋に成りたてなんです。まだ成りたてのホヤホヤなんです」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
客が
清
(
すず
)
しい、ほれぼれとするような声を
有
(
も
)
っていることは岸本もよく知っていた。この無邪気とも言えない、しかし子供のように
噴飯
(
ふきだ
)
したくなるような告白は岸本を驚かした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
読む繁も聞く泉太も二人とも
噴飯
(
ふきだ
)
してしまった。その時、泉太の方は何か思出したように
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三吉は
噴飯
(
ふきだ
)
して了った。お雪は巻煙草の灰を落しながら、二人の話を聞いていた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
岸本は節子が学問した娘のようでも無いことを言出したので、
噴飯
(
ふきだ
)
そうとした。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼様
(
あん
)
な立派なことを言つて居ましても、
畢竟
(
つまり
)
猪子といふ人を抱きこんで、道具に
使用
(
つか
)
ふといふ腹に相違ないんです。彼の男が高尚らしいやうなことを言ふかと思ふと、私は
噴飯
(
ふきだ
)
したくなる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
熊吉は往来で姉の
風体
(
ふうてい
)
を眺めて、子供のように
噴飯
(
ふきだ
)
したいような顔付を見せたが、やがて連立って出掛けた。町で行逢う人達はおげんの方を振返り振返りしては、いずれも首を
傾
(
かし
)
げて行った。
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ああ、ツライなあ、運が悪いなあ」などと戯れて、直樹が手に持った札を数える若々しい声を聞くと、何時もお雪は
噴飯
(
ふきだ
)
さずにいられないのであるが、その晩は一緒に遊ぼうともしなかった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「叔父さんは好かった」と小金と老松の間に居る
年増
(
としま
)
も
噴飯
(
ふきだ
)
した。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それを見ると、私は子供のように
噴飯
(
ふきだ
)
したくなる。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“噴飯”の意味
《名詞》
噴飯(ふんぱん)
口にくわえている飯を噴出してしまうほど滑稽で馬鹿馬鹿しい様子。「そのような戯言など噴飯物だ」という形で「~もの」を付随させ用いる。
(出典:Wiktionary)
噴
常用漢字
中学
部首:⼝
15画
飯
常用漢字
小4
部首:⾷
12画
“噴飯”で始まる語句
噴飯材料