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唐繻子
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とうじゅす
ふりがな文庫
“
唐繻子
(
とうじゅす
)” の例文
お政は
鼠微塵
(
ねずみみじん
)
の糸織の一ツ小袖に黒の
唐繻子
(
とうじゅす
)
の丸帯、
襦袢
(
じゅばん
)
の
半襟
(
はんえり
)
も黒
縮緬
(
ちりめん
)
に金糸でパラリと縫の
入
(
い
)
ッた奴か何かで、まず気の利いた
服飾
(
こしらえ
)
。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
お柳の
装
(
なり
)
は南部の藍の
子持縞
(
こもちじま
)
の袷に黒の
唐繻子
(
とうじゅす
)
の帯に、
極微塵
(
ごくみじん
)
の
小紋縮緬
(
こもんちりめん
)
の
三紋
(
みつもん
)
の羽織を着て、水の
滴
(
たれ
)
るような
鼈甲
(
べっこう
)
の
櫛
(
くし
)
笄
(
こうがい
)
をさして居ります。
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
紺ぽい麻の
単物
(
ひとえ
)
を着て、
唐繻子
(
とうじゅす
)
の細い帯をキチンとしめている盲目のお婆さんは、坊主頭でもいきな顔立ちだった。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
服装
(
いでたち
)
は、
将棊
(
しょうぎ
)
の
駒
(
こま
)
を大形に散らしたる紺縮みの
浴衣
(
ゆかた
)
に、
唐繻子
(
とうじゅす
)
と
繻珍
(
しゅちん
)
の昼夜帯をばゆるく引っ掛けに結びて、空色
縮緬
(
ちりめん
)
の
蹴出
(
けだ
)
しを
微露
(
ほのめか
)
し、素足に
吾妻下駄
(
あずまげた
)
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朝飯
(
あさめし
)
と
午餉
(
ひるめし
)
とを一つに片付けたる
兼吉
(
かねきち
)
が、
浴衣
(
ゆかた
)
脱捨てて引つ掛くる衣は
紺
(
こん
)
にあめ入の
明石
(
あかし
)
、
唐繻子
(
とうじゅす
)
の丸帯うるささうに
締
(
し
)
め
畢
(
おわ
)
り、
何処
(
どこ
)
かけんのある顔の
眉
(
まゆ
)
蹙
(
しか
)
めて
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
今日は洗い髪の
櫛巻
(
くしまき
)
で、
節米
(
ふしよね
)
の
鼠縞
(
ねずみじま
)
の着物に、
唐繻子
(
とうじゅす
)
と
更紗縮緬
(
さらさちりめん
)
の昼夜帯、羽織が
藍納戸
(
あいなんど
)
の薩摩筋のお
召
(
めし
)
という
飾
(
めか
)
し込みで、宿の女中が
菎蒻島
(
こんにゃくじま
)
あたりと見たのも無理ではない。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
藍
(
あい
)
の
万筋結城
(
まんすじゆうき
)
に、黒の小やなぎの半えり、
唐繻子
(
とうじゅす
)
と
媚茶博多
(
こびちゃはかた
)
の
鯨
(
くじら
)
仕立ての帯を、ずっこけに結んで立て膝した裾のあたりにちらつくのは、
対丈緋
(
ついたけひ
)
ぢりめんの長じゅばん……どこからともなく
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
黒の
唐繻子
(
とうじゅす
)
の帯を締めて、黒縮緬の羽織なら何処へ出しても立派な奥さん、また
商人
(
あきんど
)
の内儀にも好し、
権妻
(
てかけ
)
にも、新造だって西洋げんぶく
大丸髷
(
おおまるまげ
)
でも好し
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この
女
(
ひと
)
が、大学出の子息が二人もあって、一人は出征もしていられるときくと、
嘘
(
うそ
)
のような気のするほど、古代紫の
半襟
(
はんえり
)
と、やや赤みの底にある
唐繻子
(
とうじゅす
)
の帯と
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
黒の
唐繻子
(
とうじゅす
)
と、
薄鼠
(
うすねずみ
)
に納戸がかった絹ちぢみに宝づくしの
絞
(
しぼり
)
の入った、腹合せの帯を漏れた、
水紅色
(
ときいろ
)
の
扱帯
(
しごき
)
にのせて、美しき手は
芙蓉
(
ふよう
)
の
花片
(
はなびら
)
、風もさそわず無事であったが
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鼻が
忌
(
いや
)
アに段鼻になって、眼の小さな口の大きい
方
(
ほう
)
で、
服装
(
なり
)
は
木綿縮
(
もめんちゞみ
)
の浅黄地に
能模様丸紋手
(
のうもようまるもんて
)
の
単物
(
ひとえもの
)
に
唐繻子
(
とうじゅす
)
の帯を
〆
(
し
)
め、丸髷には
浅黄鹿
(
あさぎが
)
の
子
(
こ
)
の手柄を掛けて居ます
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
沢山ある髪を
結綿
(
ゆいわた
)
に結っていた、
角絞
(
つのしぼ
)
りの
鹿
(
か
)
の子の
切
(
きれ
)
、
浅葱
(
あさぎ
)
と赤と二筋を花がけにしてこれが昼過ぎに出来たので、
衣服
(
きもの
)
は薄お納戸の
棒縞
(
ぼうじま
)
糸織の
袷
(
あわせ
)
、薄紫の
裾
(
すそ
)
廻し、
唐繻子
(
とうじゅす
)
の襟を
掛
(
かけ
)
て
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と奥から出ましたお村は袋物屋の女房には
婀娜
(
あだ
)
過ぎるが、達摩返しに金の
簪
(
かんざし
)
、南部の
藍
(
あい
)
の
子持縞
(
こもちじま
)
に
唐繻子
(
とうじゅす
)
に
翁格子
(
おきなごうし
)
を腹合せにした帯をしめ、小さな茶盆の上へ
上方焼
(
かみがたやき
)
の茶碗を二つ載せ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
達摩返しと云う
結髪
(
むすびがみ
)
で、
一寸
(
ちょっと
)
いたした
藍
(
あい
)
の
万筋
(
まんすじ
)
の小袖に黒の
唐繻子
(
とうじゅす
)
の帯で、上に
葡萄鼠
(
ぶどうねずみ
)
に小さい
一紋
(
ひとつもん
)
を付けました
縮緬
(
ちりめん
)
の
半纏羽織
(
はんてんばおり
)
を着まして、其の頃
流行
(
はや
)
った吾妻下駄を穿いて這入って来る。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かた/\の方は南部の
乱立
(
らんたつ
)
の
疎
(
あら
)
っぽい縞の小袖、これは芸妓の時の着替をふだん着に卸したと云うような
著物
(
きもの
)
に、帯が
翁格子
(
おきなごうし
)
と紺の
唐繻子
(
とうじゅす
)
と腹合せの帯を締めて、丸髷に
浅黄鹿子
(
あさぎかのこ
)
の手柄が掛って
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
繻
漢検1級
部首:⽷
20画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“唐”で始まる語句
唐突
唐
唐紙
唐土
唐桟
唐櫃
唐草
唐辛子
唐人
唐黍