呼立よびた)” の例文
ひとらないぎやうをします——ひる寢床ねどこから當番たうばんをんな一人ひとり小脇こわきかゝへたまゝ、廣室ひろま駈込かけこんでたのですが、みんない! と呼立よびたてます。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちからあるにつよくおさへて、一兎角とかくまぎらはすことなり、をとこならでは甲斐かひのなきに、其事そのことあればといはず夜中よなかはず、やがて千葉ちばをば呼立よびたてゝ、そりかへるおさへさするに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ものの懸念さに、母様おっかさんをはじめ、重吉じゅうきちも、嘉蔵かぞう呼立よびたてる声も揚げられず、呼吸いきさへ高くしてはならない気がした。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
この美登利みどりさんはなにあそんでる、あめるにおもてての惡戯いたづらりませぬ、また此間このあひだのやうに風引かぜひかうぞと呼立よびたてられるに、はいいまゆきますとおゝきくひて、其聲そのこゑ信如しんによきこえしをはづかしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あのとほ呼立よびたる——成程なるほどおもへば、何時いつ温泉をんせん宿やどて、何処どことほつて、じやうぬまたかおぼえてらぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かまびすしくおの家号やごう呼立よびたてる、中にもはげしいのは、素早すばやく手荷物を引手繰ひったくって、へい難有ありがとさまで、をくらわす、頭痛持は血が上るほどこらえ切れないのが
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かまびすしくおの家号やがう呼立よびたてる、なかにもはげしいのは、素早すばや手荷物てにもつ引手繰ひツたぐつて、へい有難ありがたさまで、をくらはす、頭痛持づゝうもちのぼるほどこられないのが
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『まだ、れんのだね、あゝして呼立よびたてゝるのをると。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)