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呉々
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くれぐれ
ふりがな文庫
“
呉々
(
くれぐれ
)” の例文
その節は、亡父の
誼
(
よし
)
みもあり、東海道愛好者としても
呉々
(
くれぐれ
)
も
一臂
(
いっぴ
)
の力を添えるよう主人に今から頼んで置くというのであった。
東海道五十三次
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「牧野を援助するように」と
呉々
(
くれぐれ
)
も言われたそうであったが、某氏はしかし私に対しては極めて冷淡であり、援助もやがて途絶えてしまった。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
夫人はあなたからの贈物を大変喜んで、近日中是非御礼に伺うけれど、
呉々
(
くれぐれ
)
もよろしく申上げてくれという事でした。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
芥川ヒロシ氏の友人の由で、明日、芥川家を訪ねると云ふから、その節は、葛巻義敏に
呉々
(
くれぐれ
)
もよろしく、とたのむ。
戯作者文学論:――平野謙へ・手紙に代へて――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
御膝下を離れてむしろ今、人となる道を
訓
(
おし
)
えられ、また、御両親様の大愛の一しお身に迫るものを新たに覚えておりまする。では
呉々
(
くれぐれ
)
も、御自重のほどを。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それでないとこの先の見込みが
付
(
つか
)
ないからと
諄々
(
じゅんじゅん
)
と清吉の不勉強や不品行や
物覚
(
ものおぼえ
)
の悪い点を列挙して、清吉の教育法について
呉々
(
くれぐれ
)
も心配してくれたのである。
蝋人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その深い罪のお詫びは、
仮令
(
たとえ
)
、この
儚
(
はか
)
ない玉の
緒
(
お
)
が絶えましてもキットお側に付添うて致します。……お別れしたくない……子供の事を
呉々
(
くれぐれ
)
もお願いします。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
終
(
おわり
)
に
臨
(
のぞ
)
み、私の妻もあなたの
負
(
お
)
われ負わるゝ
数々
(
かずかず
)
の重荷に対し、真実御同情申上げる旨、
呉々
(
くれぐれ
)
も申しました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そこで泰さんもやむを得ず、
呉々
(
くれぐれ
)
も力を落さないようにと、再三親切な言葉を添えてから、電車では心もとないと云うので、車まで云いつけてくれたそうです。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
秀子の為に人を劫かし、又は法律の力を借りなどする事は有るまいと見て取ったのだ、秀子が若し夏子でなければ、成るほど甚蔵は余に巴里へ行けなど
呉々
(
くれぐれ
)
も云う筈はない。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
外国人は矢ツ張り目が
肥
(
こ
)
えて居りますのネ、ゼームスつて
彼
(
あ
)
の
洋琴
(
オルガン
)
を寄附した宣教師さんがネ、
米国
(
くに
)
へ帰る時、
前
(
ぜん
)
の奥様に
呉々
(
くれぐれ
)
も仰つしやつたさうですよ、山木様は余り
悧巧
(
りかう
)
だから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
私をなにか若木山の熊の仔の如き鈍物とは
呉々
(
くれぐれ
)
も思わないで欲しい。
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
木村父子に対して氏郷を親とも主とも思えと秀吉の
呉々
(
くれぐれ
)
も訓諭したのは、善意に解すれば氏郷を羊の番人にしたのに過ぎないが、人を悪く考えれば、羊が狼に食い殺された場合は番人には切腹させ
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「一
阿弟
(
あてい
)
官吉御督責成し下され候様
呉々
(
くれぐれ
)
も願上げ候。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
文庫のことは
呉々
(
くれぐれ
)
も頼むと仰せがございました。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
呉々
(
くれぐれ
)
も身体を大切にしてネ。
偽悪病患者
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
あれほど
呉々
(
くれぐれ
)
も言つたではないか。お前もよく納得したことではないか。今更そんなことを言つてどうなるものか。
狼園
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
もちろんその儀は
仔細
(
しさい
)
なしという事ではあったが、
呉々
(
くれぐれ
)
も無理をせぬようにと、重ねて信長は見舞をよこした。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いいえ。……その……別にソンナ訳じゃありませんけど、あの後家さんがツイこの間来ましてね。
呉々
(
くれぐれ
)
もよろしく……買手があったら安く売りますからってね」
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ついてはどうか
呉々
(
くれぐれ
)
も、恩人「ぽうろ」の魂のために、一切
他言
(
たごん
)
は
慎
(
つつし
)
んで下さい。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
見当違いに恥じたりなさるな。と
呉々
(
くれぐれ
)
も申し聞かせたのですが駄目です
荘子
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
文庫のことは
呉々
(
くれぐれ
)
も頼むと仰せがございました。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
芥川
(
あくたがわ
)
ヒロシ氏の友人の由で、明日、芥川家を訪ねると云うから、その節は、
葛巻義敏
(
くずまきよしとし
)
に
呉々
(
くれぐれ
)
もよろしく、とたのむ。
戯作者文学論:――平野謙へ・手紙に代えて――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
などと一同をよろこばせ、また
呉々
(
くれぐれ
)
も念を押して町へ帰って行った。それが
宵
(
よい
)
の
戌
(
いぬ
)
の
刻
(
こく
)
ころだったのである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思わず
噎
(
む
)
せかえってゴホンゴホンと
咳
(
せき
)
をしたが、それにしてもこの際
呉々
(
くれぐれ
)
も残念なことは、自分の受持区域でありながら、被害者の
家
(
うち
)
に見舞に行けない事であった。
老巡査
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
但
(
ただ
)
し
呉々
(
くれぐれ
)
も妻は己の職業に
慢心
(
まんしん
)
して大切にして
貰
(
もら
)
う夫に
狎
(
な
)
れ、かりにも
威張
(
いば
)
ったり
増長
(
ぞうちょう
)
せぬこと。月並の
戒
(
いましめ
)
のようなれど、
余程
(
よほど
)
の心がけなくてはいわゆる女性の
浅
(
あさ
)
はかより、この
弊
(
へい
)
に
陥
(
おちい
)
り
易
(
やす
)
かるべし。
良人教育十四種
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
八月九日までには帰ってきますが、歌川先生御夫妻は
呉々
(
くれぐれ
)
も御注意下さい。部屋の鍵は紐でグルグル巻きに結びつけるのも結構です。食べ物にも御注意下さい。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「かたじけないが後も大事だ。万一、毛利家に豹変あるときは、お
汝
(
こと
)
らの力に
俟
(
ま
)
つものが多い。ここの一塁は、毛利への抑えとして、筑前が
恃
(
たの
)
みおくもの。
呉々
(
くれぐれ
)
、抜からぬように」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呉々
(
くれぐれ
)
も女車掌なんて止して頂戴。ね。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
父の
莫逆
(
ばくげき
)
の友だつた市島春城翁、政治上の同輩だつた町田忠治といふやうな人の話に、長男のことを常に
呉々
(
くれぐれ
)
も頼んでをり、又、長男のことを非常によく話題にして
石の思ひ
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
と、使いの口上にも意中をふくませて、その将来を
呉々
(
くれぐれ
)
も頼んだのであった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呉々
(
くれぐれ
)
も
宜
(
よろ
)
しくお頼み申します。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
父の
莫逆
(
ばくげき
)
の友だった
市島春城
(
いちしましゅんじょう
)
翁、政治上の同輩だった町田忠治というような人の話に、長男のことを常に
呉々
(
くれぐれ
)
も頼んでおり、又、長男のことを非常によく話題にして
石の思い
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「ぬかりもあるまいが、油断すな。
呉々
(
くれぐれ
)
、身に気をつけよ」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
呉々
(
くれぐれ
)
も云いおいて行った。
衝突心理
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
青木は長平と会うたび、礼子から
呉々
(
くれぐれ
)
もよろしくとのことだったよ、とか、上京の節はぜひ泊りにきてくれと頼まれたよ、などと付け加えるのが例であったが、あるとき
街はふるさと
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「立ち帰ったら劉玄徳へはよろしく伝えてくれい。そしてもし、曹操の大軍にささえ難く、徐州も捨てるのほかないような場合になったらいつでも我が
冀州
(
きしゅう
)
へ頼って参られるがよいとな。……
呉々
(
くれぐれ
)
、悪く思わないように」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貴殿の女房が丸まげに結ひ
簪
(
かんざし
)
さしてゐる時にはいかなる油断を見すましてこれを逆手に貴殿の脾腹や眼の玉をブスリとやるか知れないことを
呉々
(
くれぐれ
)
も心得てゐなければならぬ。
総理大臣が貰つた手紙の話
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
千谷さんから
呉々
(
くれぐれ
)
も云われたように、当時の私はまだ恢復が充分ではなかったところへ、暑気に当てられ、決して多くの催眠薬を服用したとは思わぬうちに、春の病状をくりかえしていた。
わが精神の周囲
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
呉
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
々
3画
“呉”で始まる語句
呉
呉服屋
呉絽
呉竹
呉服店
呉服
呉淞
呉春
呉懿
呉公