修業しゆげふ)” の例文
この矮小わいせう若僧じやくそうは、まだ出家しゆつけをしないまへ、たゞの俗人ぞくじんとして此所こゝ修業しゆげふとき七日なのかあひだ結跏けつかしたぎりすこしもうごかなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うも可哀かあいさうな事をしましたな、わたしも長らく一緒しよつたがふ物もはずに修業しゆげふして歩き、金子かねためた人ですから少しは貯金こゝろがけがありましたらう。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
十六のとしからおもことがあつて、うまれもいやしいであつたれど一ねん修業しゆげふして六十にあまるまで仕出來しでかしたることなく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
心細こゝろぼそさはもをすまでもなかつたが、卑怯ひけふやうでも修業しゆげふまぬには、恁云かういくらところはうかへつて観念くわんねん便たよりい。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「三ばかりあちらで学校がくかうはいりたまへ。そしてみつちり勉強べんきやうしてはうがいゝね。」竹村たけむらはさうつて、作家さくかとしてよりも、むしろもつとひろ意味いみ修業しゆげふかれ要望えうばうした。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
へい、今日けふは休みましてござります、きまして差配さはいさん少々せう/\ねがひがあつて出ました。「アヽなんだイ。金「私共わたしども隣家となり源八げんぱち修業しゆげふに出ますばうさんナ。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
くなられた洪川和尚こうせんをしやうなどは、もと儒教じゆけうをやられて、中年ちゆうねんからの修業しゆげふ御座ございましたが、そうになつてから三ねんあひだふものまる一則いつそくとほらなかつたです。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
修業しゆげふはしてことだ。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やうや此頃このごろになつてすこらくになりました。しかしさき御座ございます。修業しゆげふ實際じつさいくるしいものです。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
誠にどうもお仕立したてまうし、お落着おちつきのある流石さすが松花堂しようくわだうはまた別でございます、あゝ結構けつこう御品おしなで、斯様かやうなお道具だうぐ拝見はいけんいたすのは私共わたくしども修業しゆげふ相成あひなりますとつて、卑下ひげするんだ。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)