こつ)” の例文
『早くけえつて寢るこつた。恁麽こんな時何處ウ徘徊うろつくだべえ。天理樣拜んで赤痢神が取附とつつかねえだら、ハア、何で醫者藥がるものかよ。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
この図をながら、ちょんぼりひげの亭主が、「えへへ、ごさかんこつだい。」いきおいの趣くところ、とうとう袴を穿いて、辻の角の(安旅籠やすはたご)へ
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それには及ばんと云ふのに、是非浜まで見送ると言うで、気の毒なと思うてをつたら、僕を送るのを名として君達は……しからんこつたぞ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「トいうが畢竟つまるとこ、これが奥だからのこつサ。私共がこの位の時分にゃア、チョイとお洒落しゃらくをしてサ、小色こいろの一ツも掙了かせいだもんだけれども……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ゾラの小説「土」に、ある慾深よくふかの若い百姓が雹に降られて天に向ってこぶしをふり上げ、「何ちゅうこつをしくさるか」と怒鳴どなるところがあるが、無理はない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「へえ、大けな體して、おまわりさんみたいな髯はやした男が、御酒もよう飮めへんのか。そんなこつて、御役所だか病院だか知らんが、よう勤まるもんですな。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
「よかよか、人んこつ心配せんちゃよか、金持ちどもは卑俗げさくしなん、構いなはらんがよかたい。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
長「にゆうを知らんか、道具商だうぐや御飯おまんまつてゝ「にゆう」を知らんやつもねえもんだ。弥「アハヽヽなんこつた。長「きず出来できたとつてはあんま素人染しらうとじみるから、きずを「にゆう」とふが道具商どうぐや通言あたりまへだ。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
『早くけえつて寝るこつた。恁麽こんだ時何処ウ徘徊うろつくだべえ。天理様拝んで赤痢神が取付とツつかねえだら、ハア、何で医者いしやくすりが要るものかよ。』
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「大きな聲出してつまらん事いふて濟んまへん。さぞ御きゝ苦しいこつておましたやろ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
わしあ、よかこつした。今日たい。小樽へ帰ってっと馬車ん一台ったもんな。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
文三は覚えずも莞然にっこり、「それは至極こつだ」ト言ッてまた莞然。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼奴あいつこつた、橋の方へでも行つてブラ/\してるだらう。それより俺は頭が痛くて為様しやうがないから、寝かして呉れよ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「こん人酔うとる。もうそげんかこついわんちゃよか。」Yは元気だ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「えらい申譯の無いこつてして……」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
阿諛おべつかを使はんのが一つぢや。却々なか/\頑としたところがある。そいから、我々新聞記者の通弊たる自己廣告をせんこつちや。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
だがねお八重さん、お定さんもだ、まあよつく考へてみるこつたね。俺は奈何でも構はねえが、彼方へ行つてから後悔あとくやみでもする樣ぢや、貴女方あんたがた自分のこつたからね。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『それや不可いかん。止せ、後藤君。自殺は弱い奴等のするこつた。……死ぬまでれ。いや、殺されるまでだ。……』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
偸む。のう文明の盜賊とは奴等のこつちや。社會の毒蟲ぢや。我輩不敏といへども奴等よりはまだ高潔な心をもつとる。學問をせなんだ者は眞に爲樣がないなあ。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
だがねえお八重さん、お定さんもだ、まあよつく考へて見るこつたね。俺は奈何どうでも構はねえが、彼方へ行つてから後悔でもする様ぢや、貴女方あんたがた自分のこつたからね。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『あ、陸奥ですか。あれには僕も一度乗ツた事がある。余程ようぽど以前まへこつたが………………………』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『何もその錢金のかゝこつえのだ。私は其麽者で無え。自分で宿料を拂つてゐて、一週間なり十日なり、無料たゞで近所の人達に聞かして上げるのだツさ。今のその、有難いお話な。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『何もその銭金のかかこつで無えのだ。わし其麽そんなもので無え。自分で宿料を払つてゐて、一週間なり十日なり、無料ただで近所の人達に聞かして上げるのだツさ、今のその、有難いお話な。』
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『可いさ。外交に出たら、家へ寄つてゆつくり晝寢をして來れば同じこつた。』
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それで、村の入口に入るや否や、吠えかゝる痩犬を半分無意識に怕い顏をして睨み乍ら、ふやけた樣な頭を搾り、あらん限りの智慧と勇氣を集めて、「兎も角も、宿を見附るこつた。」と決心した。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其処の角には勧工場くわんこうばと云つて何品なんでも売る所があるし、右へ行くと三丁目の電車、左へ行くと赤門の前——赤門といへば大学のこつてすよ、それ、日本一の学校、名前位は聞いた事があるんでせうさ。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それで、村の入口に入るや否や、吠えかかる痩犬を半分無意識にこはい顔をして睨み乍ら、ふやけた様な頭脳あたまを搾り、有らん限りの智慧と勇気を集中あつめて、「兎も角も、宿を見付けるこつた。」と決心した。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『あいさ。暑いこつたなす。』
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『あゝ、そのこつですか。』
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『あゝ、そのこつですか。』
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)