不規則ふきそく)” の例文
しかし實際じつさいは、うみやま不規則ふきそくみだれてゐますから、その水平的森林帶すいへいてきしんりんたいも、ところ/″\で中斷ちゆうだんし、また氣候きこうにも影響えいきようされて不規則ふきそくおびとなつてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
小麥こむぎちがつてしめつぽい夏蕎麥なつそばからがくた/\として幾度いくどたゝきつけねばなか/\ちない。それでも種子不規則ふきそく成熟せいじゆくをしてるので、まだあをいのはどうしてもしがみいてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
他の不規則ふきそくに高低は或はき或はりて全体ぜんたいを大なる牡丹餅ぼたもちの如き形とし兩面れうめん中央部ちうわうぶには尖端せんたんの鋭き石片せきへん又は鹿しか角抔つのなどて、他の小石を槌として之をち徐々にくぼみをまうけしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
大きな川が一つ、わたしたちのそのとき行き着いたおかのぐるりをゆるやかに流れていた。この川のはるか向こうに不規則ふきそくにゆがんだ地平線までは、大都市の屋根や鐘楼しょうろうつづいてらばっていた。
宗助そうすけ二人ふたりもんまへたゝずんでゐるとき彼等かれらかげまがつて、半分はんぶんばかり土塀どべいうつつたのを記憶きおくしてゐた。御米およねかげ蝙蝠傘かうもりがささへぎられて、あたまかはりに不規則ふきそくかさかたちかべちたのを記憶きおくしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
石匕 石鏃せきぞく石錐抔いしきりなど同質どうしつにして其大さ是等の五倍或は十倍なる物有り。形状けいじよう長方形ちようはうがた橢圓形たいえんがた三角形さんかくがた等の不規則ふきそくなるものにして一部に必ずみじかき把柄有り。此の如き石器せききぞく天狗テング飯匙メシカヒぶ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
どろ拗切ちぎつてげたやうなくも不規則ふきそくはやしうへ凝然ぢつとひつゝいてそらはまださわがしいことをしめしてる。それで時々とき/″\おもしたやうにえだがざわ/″\とる。世間せけんにはかこゝろぼそくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)