“よそめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨソメ
語句割合
他目23.2%
余所目23.2%
外目16.2%
他所目11.1%
他處目4.0%
餘所目4.0%
他所眼3.0%
余所眼3.0%
他人眼2.0%
余処目2.0%
傍目2.0%
他処目1.0%
他処眼1.0%
傍眼1.0%
外見1.0%
岡目1.0%
餘處目1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四畳の座敷に六人がいる格で一ぜんのお膳に七つ八つの椀茶碗わんぢゃわんが混雑をきわめてえられた。他目よそめとは雲泥うんでいの差ある愉快なる晩餐ばんさんが始まる。
水籠 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しかも涼しい風のすいすい流れる海上に、片苫かたとまを切った舟なんぞ、遠くから見ると余所目よそめから見ても如何いかにも涼しいものです。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なお、「外目よそめにも君が光儀すがたを見てばこそ吾が恋やまめ命死なずは」(巻十二・二八八三)があり、「わが恋やまめ」という句が入って居る。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
養子に離れ、娘にも妻にも取り残されて、今は形影相弔あいちょうするばかりの主人は、他所目よそめには一向悲しそうにも見えず、相変らず店の塵をはたいている。
やもり物語 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
われゆゑぬるひとのありとも御愁傷ごしうしようさまとわきくつらさ他處目よそめやしなひつらめ、さりともおりふしはかなしきことおそろしきことむねにたゝまつて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
くばり曾て外々ほか/\の者とは事變り其辛抱は餘所目よそめにも見ゆる程なれば近所近邊の者に至るまで伊勢五の忠義ちうぎ々々/\と評判高く一年々々ととしかさなりて終に二十年を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
他所眼よそめにはいつもと何の変りもない静かな別荘の昼前の時間を過ごしていたのであったが、さすがにいくら気持が落ち付いていたとはいえ人一人殺してしまった今となっては
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
一日でも多くの時を此方で過したいと願っている様子は、余所眼よそめにもよく分っていた。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
他人眼よそめから見て相当の精進しょうじんと思われるべき私の生活が幾百日か続いた後、私は或る決心を以て神のふところに飛び入ったと実感のように空想した。弱さの醜さよ。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
これもとわがなしたるつみなれば、人はしらずとも余処目よそめに見んはそらおそろしく、命をかけてちぎりたることばにもたがへりとおもふから、むすめごのいのちかはりて神に御ばつわび候はん。
火をく、味噌みそる、魚鳥ぎょちょうを料理する、男世帯おとこじょたいの目つらをつかむ勝手元の忙しさを傍目よそめに、関翁はじめ余等一同、かわる/″\川畔かわばたに往って風呂の馳走ちそうになる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
我ゆゑ死ぬる人のありとも御愁傷さまとわきを向くつらさ他処目よそめも養ひつらめ、さりとも折ふしは悲しき事恐ろしき事胸にたたまつて
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私が他処眼よそめをはばかるほど、イラついて、お茶に浸る人々をとらえ、とまれ美的感覚の向上をうながすゆえんのものは、総合美の構想になった芸術の発見
茶美生活 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
その保胤の時から慈悲牛馬に及んだ寂心が、自己の証得愈々いよいよ深きに至って、何で世人の衆苦充満せる此界しかいあえぎ悩んでいるのを傍眼よそめにのみ見過し得ようや。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そうしっかり決心している彼女は、外見よそめには蝦蟇に狙われている、胡蝶さながらに憐れに不憫に、むごたらしくさえ見えるけれど、心境は澄み切り安心立命、すがすがしくさえあるのであった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
兼太郎がそのころ目をつける芸者は岡目よそめには貧相ひんそうだと言われる位な痩立やせだちな小作りの女ばかり。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
餘處目よそめには見て居られぬどうぞして那節あのせつくだされたる二十兩の金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)