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『やもり物語』
ふりがな文庫
『
やもり物語
(
やもりものがたり
)
』
ただ取り止めもつかぬ短夜の物語である。 毎年夏始めに、程近い植物園からこのわたりへかけ、一体の若葉の梢が茂り黒み、情ない空風が遠い街の塵を揚げて森の香の清い此処らまでも吹き込んで来る頃になると、定まったように脳の工合が悪くなる。殺風景な下宿 …
著者
寺田寅彦
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出
「ホトトギス 第十一巻第一号」1907(明治40)年10月1日
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約9分(500文字/分)
朗読目安時間
約15分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
笑
(
えみ
)
蟇
(
ひきがえる
)
角
(
かど
)
手
(
で
)
或
(
あ
)
萩
(
はぎ
)
燈
(
ひ
)
玉
(
たま
)
田舎
(
いなか
)
相弔
(
あいちょう
)
瞬
(
またた
)
空風
(
からかぜ
)
箒
(
ほうき
)
結
(
ゆ
)
翌
(
あく
)
華車
(
きゃしゃ
)
浴衣
(
ゆかた
)
蘇
(
よみがえ
)
蚊屋
(
かや
)
衿頸
(
えりくび
)
足駄
(
あしだ
)
輿
(
こし
)
轡虫
(
くつわむし
)
邪慳
(
じゃけん
)
青芒
(
あおすすき
)
鬱陶
(
うっとう
)
麹町
(
こうじまち
)
巴
(
ともえ
)
亭主
(
ていしゅ
)
何処
(
どこ
)
俯向
(
うつむ
)
八
(
や
)
内儀
(
かみ
)
冴
(
さ
)
厭
(
いや
)
名残
(
なごり
)
団扇
(
うちわ
)
女々
(
めめ
)
寂
(
さび
)
漆
(
うるし
)
弓形
(
ゆみなり
)
忽然
(
こつぜん
)
懶
(
ものう
)
曙湯
(
あけぼのゆ
)
更
(
ふ
)
朧
(
おぼろ
)
板庇
(
いたびさし
)
梧葉
(
ごよう
)
此処
(
ここ
)
泥濘
(
ぬかるみ
)
一縷
(
いちる
)