“はため”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
傍目61.3%
傍眼9.7%
側目9.7%
他目6.5%
外目3.2%
機女3.2%
端目3.2%
3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その老母が病んで逝去みまかると、生信房のなげきは傍目はためにも痛々しいほどで、幾日も食を断って、母の墓掃はかはきに余念なく暮している様子を見
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
桑十はその鼾声いびきに驚いて時折眼をさました程だった。——が、考えてみると、毎日、栗原山の上まで通った肉体の疲れと心労は、傍眼はために見ていてさえ並大抵ではなかった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老いたる師の体が毎夜、かんなけてゆくように痩せてゆくのを側目はために見ても。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他目はためからは、どうても医者いしゃ見舞みまいとしかおもわれなかった駕籠かご周囲まわりは、いつのにやら五にんにん男女だんじょで、百万遍まんべんのように取囲とりかこんで、えばほど、そのかずしてるばかりであった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
四粒の天地振分けが、その中に隠れているのか、いないのか、外目はためで見てはわからない、軽いものです。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
漢土から帰化した織部おりべ機女はため縫工女ぬいめたちが、たわむれにしていた技法が進んで、武術にまで利用されるようになり、独立した武器とはならないが、攻撃法の前の奇手として、足利あしかが時代にまで
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母親に叱られてばかりいるつつましい娘は、端目はためには、その羞恥はじらいが、なおさら美しく見えた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たけのこを輪切りにすると、こんな風になる。はりのあるまゆに風を起して、これぎりでたくさんだと締切った口元になおこもる何物かがちょっとはためいてすぐ消えた。母は相槌あいづちを打つ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)