餘所目よそめ)” の例文
新字:余所目
かれ奉公ほうこうして給料きふれう自分じぶんつひやしてころでは餘所目よそめにはうたがはれる年頃としごろの卅ぢかくまで獨身どくしん生活せいくわつ繼續けいぞくした。そのあひだかれ黴毒ばいどくんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くばり曾て外々ほか/\の者とは事變り其辛抱は餘所目よそめにも見ゆる程なれば近所近邊の者に至るまで伊勢五の忠義ちうぎ々々/\と評判高く一年々々ととしかさなりて終に二十年を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
餘所目よそめには君、まことに樂しく見え給へり。さるを心には樂しとおもひ給はずや。
晝間ひるまから一と間に閉じ籠って病人のようにしていることがしば/\であったし、餘所目よそめにもひどく憔悴しょうすいして、鬱々うつ/\としているように見えたので、そう云う父が子供にはひとしお薄気味悪く
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)