“ねつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
75.5%
寐付4.1%
寝就4.1%
𤍠2.0%
根本2.0%
根継2.0%
熱症1.0%
体熱1.0%
寐着1.0%
寝付1.0%
寝附1.0%
眠付1.0%
眠就1.0%
眠附1.0%
睡着1.0%
臥就1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ねこは、さもむかしのことをおもしたように、周囲しゅういをぐるりと、ねつのためにふらふらするあしつきで、からだをすりつけながらまわりました。
木の上と下の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供はうに寐付ねついたあとなので奥はしんとしていた。下女げじょは一番懸け離れた台所のそばの三畳にいるらしかった。こんな時に細君をたった一人で置くのが健三には何より苦しかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
つまり、犯人は被害者の昼寝の習慣を知っていて、丁度被害者が寝就ねついた頃、この窓の外へ忍び寄り、静かにこの窓を開けてその火繩銃で狙撃したのです。
火縄銃 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
けだ阿弗利加アフリカ沙漠さばくにしたるしき𤍠ねつ気息いきのみ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
平常ひごろから、住民の衣、食、住——その生活全体を根本ねつから改めさせるか、でなくば、初発患者の出た時、時を移さず全村を焼いて了ふかするで無ければ
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
まあ、おはいんなせえ。だが、きょうはあいにくの日で、大変ですよ。隣りの長屋二軒が根継ねつぎを
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
薬をんでいるし、手当も十分なはずなのに、どうしたのか、こんどの熱症ねつはさがらない。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうしてこう痩せてしまうのかしら——そこについ神経質な悩みと熱症ねつがからむ。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝夕の体熱ねつに浮かされるように口走るのが、やはり栄三郎の名——それは、恋と病に娘ざかりの身をがれてゆく、あさましいまでに痩せ細った弥生のすがたであった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
すると上人しやうにんうなづいて、わし中年ちうねんから仰向あふむけにまくらかぬのがくせで、るにも此儘このまゝではあるけれどもだなか/\えてる、きふ寐着ねつかれないのはお前様まへさま同一おんなしであらう。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またばんのこと童子どうじ寝付ねつけないでいつまでもとこの上でもがきなさいました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大病たいびやうでも自分で死ぬと覚悟かくごをし、医者いしや見放みはなした事も知つてり、御看病ごかんびやうは十分にとゞき、自分もう死ぬとあきらめがいてしまつても、とろ/\と病気びやうきづかれで寝附ねついた時に
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
階下が寢鎭まつてから暫らく立つて、榮一は部屋にみなぎつた煙を外へ出して、燈火あかりも消して寢床に就いた。平生ふだん眠付ねつきの惡いのが病ひなのに、堅い寢床が身體に馴染まなくてますます寢づらかつた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
偶然に見染めた彼女の幻はずつと眼から去らず、或年の四月の新学期に小学校に上つて来た彼女を見附けた日は私は、一夜うれしさに眠就ねつかれなかつた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
宗「ついでに水を持って来ておくれ、病人がうと/\眠附ねつくかと思うと向座敷で時々大勢がわアと笑うので誠に困る」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何様いふ様子か見ても遣りたし、心にかゝれば参りました、と云へば鋭次も打頷き、清は今がたすや/\睡着ねついて起きさうにも無い容態ぢやが
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
年わかい女は、可哀そうに、その悲しみに打ちのめされて、どッととこ臥就ねついてしまい、六週間と云うものは譫言うわごとばかり云いつづけていた。
狂女 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)