“ねもと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
根元47.4%
根本33.3%
根許8.8%
根下5.3%
毛根3.5%
根方1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平岡のうちまへた時は、くもつたあたまあつく掩ふかみ根元ねもと息切いきれてゐた。代助はいへに入るまへづ帽子をいだ。格子にはしまりがしてあつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そこは白晝ながら朦朧として、丁度海の底でも見るやうに薄ぐらく、森の骨まばらな巨木が昆布のやうに根本ねもとから搖らめいてゐるのが眼に入る。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
廣介の声にふと見ると、森の入口の一本の杉の木の根許ねもとに、誰が乗り捨てたのか、毛並艶けなみつややかな二匹の驢馬ろばがつながれて、しきりに草を噛んでいます。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すると大きな大きなけやきの樹の、すでに立枯れになっているのが、妖魔の王の突立つ如くに目に入った。その根下ねもとに、怪しい人影が一個認められた。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
彼らはからだの重みのはなはだしい苦痛のために閉じた目がつるし上がり、顔はあおい土色をし、そしてその引きつった髪の毛根ねもとからは血がしたたっている。
その女が前を横切る度毎たびごとに、桐の木の根方ねもとに土下座をして、あまたたび礼拝を捧げておりまするひげだらけの大男は、長崎の某小学校の校長で御座います。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さも大切そうに根方ねもとに砂を被せておりまするところがねうちで……しかし、それでも折角、世話してやった竹の棒が二三度も倒れますと……アレ、あの通り癇癪かんしゃくを起しまして
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)