根下ねもと)” の例文
そこで、もし雷の神がその木に落ちて、それから地面に転がり落ちたら、木の根下ねもとに大きな穴があいて、そこに不思議な珠が落ちるだろう。
雷神の珠 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
すると大きな大きなけやきの樹の、すでに立枯れになっているのが、妖魔の王の突立つ如くに目に入った。その根下ねもとに、怪しい人影が一個認められた。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
あくる朝、私が行って見ると、梯子は根下ねもとから見事に折れて、その隣の垣を倒していた。その垣には烏瓜からすうりが真赤に熟して、つるや葉がからみ合ったままで、長い梯子と共によこたわっていた。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)