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鳥渡
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ちょっと
ふりがな文庫
“
鳥渡
(
ちょっと
)” の例文
「それで、わしには
鳥渡
(
ちょっと
)
分らんところもあるから、お前、この図について、報告せよ。一体、“人造人間戦車”とは、どんなものか」
人造人間戦車の機密:――金博士シリーズ・2――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
こんな理窟を並べて読者諸君を退屈させては相すまん次第だが、こう云った事が後の事件にも多少関係があるので
鳥渡
(
ちょっと
)
申述べて置く。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
平馬は
鳥渡
(
ちょっと
)
、妙に考えたがそのまま、女に
跟
(
つ
)
いて行った。女中は本降になった外廊下を抜けて、
女竹
(
めだけ
)
に囲まれた
離座敷
(
はなれざしき
)
に案内した。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「何故と云われると
鳥渡
(
ちょっと
)
困るが、洪将軍は退職なすっても、この辺では守備隊長も遠慮する
御人
(
ごじん
)
じゃ……君子危きに近寄らずでな」
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
ここで
鳥渡
(
ちょっと
)
其
(
そ
)
の𤢖なるものを説明して置く必要が有る。
此
(
こ
)
の土地に限らず、奥州にも九州にも昔から山男又は山𤢖の名が伝えられている。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
蟠「紀伊國屋百両と
纒
(
まと
)
まった金だ、貴様は堅い
商人
(
あきんど
)
だから間違はあるまいが、
鳥渡
(
ちょっと
)
証文を書かぬと
私
(
わし
)
が証人になって困るから」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「化石に模した粘土細工とは誰でも
鳥渡
(
ちょっと
)
気がつくまい」博士は
可笑
(
おか
)
しさに微笑して、捨てた模造品を見返えりもせず、先へ悠々と歩いて行く。
木乃伊の耳飾
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「もし/\
鳥渡
(
ちょっと
)
待って下さい。」と泉原は数間離れたところから夢中で声をかけたが、三人連は振返りもせず、そのまゝ
歩廓
(
プラットフォーム
)
を歩いていった。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
さきにも
鳥渡
(
ちょっと
)
言って置いたように金魚の
糞
(
ふん
)
のような無意志の生活をしていたのであって、金魚が泳げば私もふらふらついて行くというような
ダス・ゲマイネ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そのお三人のお姿がちっとも塾に見えないことがありまして、どうしたことかしらと思って居りましたら、
鳥渡
(
ちょっと
)
この頃破門でということでした。
昔のことなど
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
衣裳は染返しの小紋に比翼の襟が飛出しているし半襟の
縫
(
ぬい
)
もよごれている。
鳥渡
(
ちょっと
)
見ても、丸抱えで時間かまわずかせぎ廻される可哀そうな連中です。
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「いくら、わめいた所で、こんな淋しい町で助けに来る奴はありゃしない。だが、念の為に
鳥渡
(
ちょっと
)
我慢して貰おう」
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
司馬温公
(
われまつば
)
というのは三方に峯のある石のまん中が水鉢になり居り、風雅であるが
居処
(
いどころ
)
をきらうものであるから、
鳥渡
(
ちょっと
)
据えるところに難しいしろものである。
庭をつくる人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「やれ妹もいてくれたか。いよいよ船出も迫ったゆえ、今宵は
鳥渡
(
ちょっと
)
暇を貰って、
母
(
かか
)
さんに別れに来た」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
そして、それが幸子の
故
(
せい
)
だと云って、彼女は
鳥渡
(
ちょっと
)
でも姿をかくしたりすると、旻は一層亢奮して看護婦や女中を怒鳴りつけて、幸子を呼んでくれと云い張ってきかなかった。
勝敗
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
こう云って、友人は
鳥渡
(
ちょっと
)
僕から目を離して、猪口に手をかけた。僕も一杯かさねてから
戦話
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
然し
鳥渡
(
ちょっと
)
鵜の目鷹の目の小頭、世話役の目の緩むのを見て同様の会話が伝わる、外の組へも、又其外の組へも、悪事じゃ無いが千里を走って、此現場中へ
只
(
たっ
)
た一日で噂は拡まる。
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
ゲートルは暗闇のなかでもすぐ捲けるが、
手拭
(
てぬぐい
)
とか
靴箆
(
くつべら
)
とかいう細かなもので正三は
鳥渡
(
ちょっと
)
手間どることがある。が、警戒警報のサイレン迄にはきっと玄関さきで靴をはいている。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
それに慎作の演説会場に於ける一種の勇姿も、
鳥渡
(
ちょっと
)
捨てかねる風でもあった。
十姉妹
(新字新仮名)
/
山本勝治
(著)
序でに
鳥渡
(
ちょっと
)
言っておくが、彼は、柔よく剛を制すという
戦術
(
タクチック
)
を殆んど盲目的に信じていて、嫌疑者や犯人が
手剛
(
てごわ
)
い人間であればある程ますますおとなしい調子で話しかけるのが習慣であった。
犠牲者
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
「なんだ、そんなものが
鳥渡
(
ちょっと
)
毀れたと言って何だ、失敬な」
夜汽車
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
二人は非常に人目を忍ぶ事情にあるというのが、これが
鳥渡
(
ちょっと
)
でも、旦那どのの耳に入れば、二人とも殺されてしまうに、きまってる。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おつねは
鳥渡
(
ちょっと
)
可愛らしい眼鼻立で、みがき上げれば相当に光りそうな娘なので、自分も自然そんな気になったのかも知れません。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僕は
鳥渡
(
ちょっと
)
立腹した。然し、直ぐに彼に同情した。善悪は兎に角、そうしなければならなかった彼の心情を憐む他はないのだ。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「君鞄を提げて何処へ」「いや
鳥渡
(
ちょっと
)
亜米利加まで行って来ます」などと云うような訳で、隣の
家
(
うち
)
へでも
行
(
ゆ
)
くように思っていらッしゃいますが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
誰かその中に批評するだろうと、今日
迄
(
まで
)
待っていたのでしたが、誰もが批評をしないので、そこで私は呆れ返って、
鳥渡
(
ちょっと
)
ここで書いた次第です。
印象に残った新作家
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「アハハハ。お前達に肝を取られるような間抜じゃない。今のは
鳥渡
(
ちょっと
)
嘘を
吐
(
つ
)
いて
嘲弄
(
からか
)
ったのさ。
態
(
ざま
)
を見ろヤイ」
猿小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
萠円山人
(著)
「お千代お千代大変だぜ。
鳥渡
(
ちょっと
)
来て見ろ。」と
四辺
(
あたり
)
を
憚
(
はばか
)
る小声に、お千代も何事かと教えられた
目隠
(
めがくし
)
の節穴から同じように片目をつぶって隣の二階を覗いた。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「私はコックス夫人から御伝言を頼まれたものですが、お嬢様に
鳥渡
(
ちょっと
)
電話口まで出て頂きたいのです」
P丘の殺人事件
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
大急ぎで片づけてしまいますから、それまで
鳥渡
(
ちょっと
)
、待っていて下さいね。お話したいことがあるのです
ダス・ゲマイネ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「たしか
此処
(
ここ
)
は南海寺、わしは寺内に棲んで居る知人をたずねてゆきたい故、
鳥渡
(
ちょっと
)
下して下さんせ」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
老人は、考え込んでいる孫永才を、
鳥渡
(
ちょっと
)
憐れむように見たが、
直
(
す
)
ぐいそいそとした様子で立ち上った。孫永才には、老人のいうことが、分った様でやはりハッキリ分らなかった。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
葉子さんは三十過ぎだがボンヤリと
鳥渡
(
ちょっと
)
見たところでは、気の善すぎる、だまされやすく騙してみたいような美しさを持っている人だが、この父朔太郎の思い出をくぐり抜けている葉子さんは
わが愛する詩人の伝記(三):――萩原朔太郎――
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「ああ、
下田
(
しもだ
)
のおばさんの家だったネ」波二と呼ばれた少年は、
鳥渡
(
ちょっと
)
顔を赤くした。「こっちから見ると、電灯の影で判らなかった」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
市郎は
衣兜
(
かくし
)
の
紙入
(
かみいれ
)
から紙幣を探り出して、黙って男の手に渡すと、彼は
鳥渡
(
ちょっと
)
頂いて
直
(
すぐ
)
に我が
洋袴
(
ずぼん
)
の
衣兜
(
かくし
)
へ
捻込
(
ねじこ
)
んで
了
(
しま
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
森「お母さん、旦那だって馬鹿でも気狂いでもねえから無闇に人を殺す気遣いはねえ、何か云訳があるんでしょうから
鳥渡
(
ちょっと
)
此方
(
こっち
)
へおいでなせえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
宮越
(
みやのこし
)
へ向う峠の上からご料林を眺めた風景が
鳥渡
(
ちょっと
)
心を引きましたので或日私は三脚を据えて其写生に取りかかりました。
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あの狐のような玉島が赤い血潮を流しながら、彼の
足許
(
あしもと
)
でヒクヒクと四肢を顫わして、息の絶えて行く哀れな姿を思い浮べると、彼は
鳥渡
(
ちょっと
)
愉快だった。
罠に掛った人
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
仮に之を北里に
譬
(
たと
)
えて見たら、京町一丁目も西
河岸
(
がし
)
に近いはずれとでも言うべきものであろう。聞いたばかりの話だから、
鳥渡
(
ちょっと
)
通
(
つう
)
めかして此盛場の沿革を述べようか。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
なんだい? と母が眼鏡を
額
(
ひたい
)
のほうへ押し上げて女中に訊ねましたら、女中は、軽く
咳
(
せき
)
をして、あの、芹川さまのお兄様が、お嬢さんに
鳥渡
(
ちょっと
)
、と言いにくそうに言って
誰も知らぬ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「今宵は折あしく、のっぴきならぬ所用があって、
鳥渡
(
ちょっと
)
其処まで行きます途中、
何
(
いず
)
れ明日にも参上いたし、御用の趣きも
承
(
うけたまわ
)
り、
且
(
か
)
つは久々にての御物語もお聴致し度う存じまする……」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「……いかにも……
御尤
(
ごもっと
)
も様で、それでは
鳥渡
(
ちょっと
)
一走り御免を蒙りまして……」
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
わたくしは曾て面を覆うような燈籠を崩して、台石と中台とを飛石につかうて見たが、春日であったために
鳥渡
(
ちょっと
)
よい飛石につかえた。蒼みもあり燈籠らしい由緒をも持っているせいか、仲々よかった。
庭をつくる人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「はア、今夜は公用で
鳥渡
(
ちょっと
)
帰って来て、休暇を
貰
(
もら
)
ったところです」
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
「ウン。——」長造は、言おうか言うまいかと、
鳥渡
(
ちょっと
)
考えたのち「こう世間が不景気で
萎
(
しな
)
びちゃっちゃあ、何もかもお
終
(
しま
)
いだナ」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ナーニ何んでもありゃァしません、別離を告げる意味なので。ところが私の奥さんですが、
鳥渡
(
ちょっと
)
用達しに行く時でも、それをやるのでございますよ。
奥さんの家出
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これから助右衞門の
女房
(
にょうぼう
)
や
忰
(
せがれ
)
が難儀を致しますお話に移りますのでございますが、
鳥渡
(
ちょっと
)
一息
吐
(
つ
)
きまして申上げます。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
捕えられた支倉の奇々怪々な言行を述べるのに先立って、
鳥渡
(
ちょっと
)
断って置きたい事がある。之は読者諸君に取っては退屈な事で御迷惑であるかも知れない。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
相手も
鳥渡
(
ちょっと
)
踏めるような御面相の女で、頻りにちやほやと御世辞をいう。それに釣り込まれて飲んでいるうちに、大次郎もよほど酔がまわって来ました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三歳のとき、
鳥渡
(
ちょっと
)
した事件を起し、その事件のお蔭で鍬形太郎の名前が村のひとたちのあいだに少しひろまった。それは新聞の事件でないゆえ、それだけほんとうの事件であった。
ロマネスク
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
鳥
常用漢字
小2
部首:⿃
11画
渡
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
“鳥渡”で始まる語句
鳥渡見
鳥渡成
鳥渡々々
鳥渡申上々