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長
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とこし
ふりがな文庫
“
長
(
とこし
)” の例文
何らその
間
(
かん
)
にイヤな事もない、利休が佳とし面白しとし貴しとした物は、
長
(
とこし
)
えに真に佳であり面白くあり貴くある物であるのであるが
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
僅か半歳の間、
匇々
(
そう/\
)
たる
貧裡半歳
(
ひんりはんさい
)
の間とは云へ、僕が君によつて感じ得た幸福は、
長
(
とこし
)
なへに我等二人を親友とするであらう。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
数株の
蒼松
(
そうしょう
)
は、桜樹に接して、その墓門を護し、一個の
花崗石
(
かこうせき
)
の鳥居は、「王政一新之歳、
大江孝允
(
おおえたかよし
)
」の字を刻して、
長
(
とこし
)
えに
無韻
(
むいん
)
の
悼歌
(
とうか
)
を伝う。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼の精神が
朦朧
(
もうろう
)
として不得要領
底
(
てい
)
に一貫しているごとく、彼の眼も
曖々然
(
あいあいぜん
)
昧々然
(
まいまいぜん
)
として
長
(
とこし
)
えに
眼窩
(
がんか
)
の奥に
漂
(
ただよ
)
うている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(憶ふ昔し曾て曲水の
浜
(
ほとり
)
に遊ぶや、未だ春ならざるに
長
(
とこし
)
へに春を探るの人有りしに、春に遊ぶの人尽きて空く池在り、直ちに春の深きに至りて春に似ず。)
閑人詩話
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
▼ もっと見る
詩人として生れたる幾多の人物は暗黒に生れて暗黒に死に、其声は聞へず、其歌は歌はれずして
長
(
とこし
)
へに眠れり。
詩人論
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
星眼
長
(
とこし
)
へに秋波を浮べて、「悪の
華
(
はな
)
」の詩人が臨終を見る、
猶
(
なほ
)
往年マドリツドの宮廷に、黄面の
侏儒
(
しゆじゆ
)
が
筋斗
(
きんと
)
の
戯
(
ぎ
)
を傍観するが如くなりしと云ふ。(五月二十九日)
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
借款はかくの如く支那全土を通じて
大賑
(
おおにぎ
)
わいであるが、これはたとい支那の国家が土崩瓦解に至るともその大なる富には変化なく、山河と共に
長
(
とこし
)
えに存在するからである。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
然るに意識の分化発展するに従い主客相対立し、物我相
背
(
そむ
)
き、人生ここにおいて要求あり、苦悩あり、人は神より離れ、楽園は
長
(
とこし
)
えにアダムの子孫より
鎖
(
とざ
)
されるようになるのである。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
長
(
とこし
)
えに封ぜられて居た「女人」の秘密を
発
(
あば
)
き、いたるところに驚異の文字を連ねてある不思議な手紙を、もう少し胸騒ぎが治まってから読み返して見ようと思いながら、そっと机の上に載せたまゝ
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
我は
長
(
とこし
)
へに安かるべく、世は時じくに楽しかるべし。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
暗憺として
長
(
とこし
)
なへに生きるに倦みたり。
氷島
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
世は
長
(
とこし
)
への春ならず。
天地有情
(旧字旧仮名)
/
土井晩翠
(著)
僅か
半歳
(
はんさい
)
の
間
(
あひだ
)
、匇々たる貧裡半歳の間とは云へ、僕が君によつて感じ得た幸福は、
長
(
とこし
)
なへに我等二人を親友とするであらう。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
是
(
これ
)
からどの位廻転するかわからない、
只
(
ただ
)
長
(
とこし
)
えに変らぬものは甕の中の猫の中の眼玉の中の
瞳
(
ひとみ
)
だけである。
『吾輩は猫である』下篇自序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
千年流れて盡きず、六月地
長
(
とこし
)
へに寒しといふ詩の句の通り、人をして
萬斛
(
ばんこく
)
の凉味に夏を忘れしめ、飛沫餘煙翠嵐を卷いて、松桂千枝萬枝
潤
(
うるほ
)
ひ、龍姿雷聲白雲を起して
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
結構な御馳走が次から次へ運ばれるにつれて、私の心は
益々
(
ますます
)
不快になった。人間は人情を食べる動物である。折角御馳走になりながら、私の舌に
長
(
とこし
)
えに苦味を残した。
御萩と七種粥
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
「この国の春は
長
(
とこし
)
えぞ」とクララ
窘
(
たしな
)
める如くに云う。ウィリアムは嬉しき声に Druerie ! と呼ぶ。クララも同じ様に Druerie ! と云う。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨の汝が松風名月の
怨
(
うらみ
)
長
(
とこし
)
なへに盡きず……なりしを知るものにして、今來つて此盛裝せる汝に對するあらば、誰かまた我と共に
跪
(
ひざま
)
づいて、汝を讃するの辭なきに苦しまざるものあらむ。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
神通の
宝輅
(
はうらく
)
に召し虚空を凌いで速かに飛び、真如の浄域に到り、光明を発して
長
(
とこし
)
へに
熾
(
さかん
)
に御坐しまさんこと、などか疑ひの侍るべき、仏魔は一紙、
凡聖
(
ぼんじやう
)
は不二、
煩悩即菩提
(
ぼんなうそくぼだい
)
、
忍土即浄土
(
にんどそくじやうど
)
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
愛吟長不飽 愛吟
長
(
とこし
)
へに飽かず
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
口を
開
(
あ
)
けて
鰯
(
いわし
)
を吸う
鯨
(
くじら
)
の待ち構えている所まで来るやいなやキーと
軋
(
きし
)
る音と共に
厚樫
(
あつがし
)
の扉は彼らと浮世の光りとを
長
(
とこし
)
えに
隔
(
へだ
)
てる。彼らはかくしてついに宿命の鬼の
餌食
(
えじき
)
となる。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨
(
さく
)
の汝が松風明月の
怨
(
うらみ
)
長
(
とこし
)
なへに尽きず……なりしを知るものにして、今来つて此盛装せる汝に対するあらば、誰かまた我と共に跪づいて、汝を讚するの辞なきに苦しまざるものあらむ。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
まして
此境
(
こゝ
)
が冬になつて氷雪の時にあへば、岩壁四圍悉く水晶とこほり白壁と輝いて、たゞ一條
長
(
とこし
)
へに九天より銀河の落つるを看る、その美しさは夏季に勝ることは遠いものであらうが、今は
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
苦しみは払い落す
蜘蛛
(
くも
)
の巣と消えて
剰
(
あま
)
すは
嬉
(
うれ
)
しき人の
情
(
なさけ
)
ばかりである。「かくてあらば」と女は危うき
間
(
ひま
)
に際どく
擦
(
す
)
り込む石火の楽みを、
長
(
とこし
)
えに
続
(
つ
)
づけかしと念じて両頬に
笑
(
えみ
)
を
滴
(
したた
)
らす。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
“長”を含む語句
長椅子
成長
生長
長老
身長
船長
長閑
年長
長生
村長
長刀
酋長
長男
長座
長病
年長者
長者
長夜
長髯
長尻
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