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金鎖
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きんぐさり
ふりがな文庫
“
金鎖
(
きんぐさり
)” の例文
「
御蔭
(
おかげ
)
で
取
(
と
)
られた
品物
(
しなもの
)
が
又
(
また
)
戻
(
もど
)
りましたよ」と
云
(
い
)
ひながら、
白縮緬
(
しろちりめん
)
の
兵兒帶
(
へこおび
)
に
卷
(
ま
)
き
付
(
つ
)
けた
金鎖
(
きんぐさり
)
を
外
(
はづ
)
して、
兩葢
(
りやうぶた
)
の
金時計
(
きんどけい
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
せた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
太い
金鎖
(
きんぐさり
)
をチョッキの胸にからませた夕月のように赤い丸い顔をした
田舎大尽
(
いなかだいじん
)
風の老人がのっしのっしと現われて来た。
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
体格の
逞
(
たくま
)
しい谷村博士は、すすめられた茶を
啜
(
すす
)
った
後
(
のち
)
、しばらくは
胴衣
(
チョッキ
)
の
金鎖
(
きんぐさり
)
を太い指にからめていたが、やがて電燈に照らされた三人の顔を見廻すと
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
まだ暗いうちに
一帳羅
(
いっちょうら
)
のフロックコートを着て、
金鎖
(
きんぐさり
)
を
胸高
(
むなだか
)
にかけて、玄関口に寄せかけた新調の自転車をながめながら、ニコニコ然と朝飯の膳に坐ったが
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
鬢毛
(
びんもう
)
が薄くて
髯
(
ひげ
)
が濃いので、少女は
顋
(
あご
)
を頭と
視
(
み
)
たのである。優はこの容貌で洋服を
著
(
つ
)
け、時計の
金鎖
(
きんぐさり
)
を
胸前
(
きょうぜん
)
に垂れていた。女主人が立派だといったはずである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
金側
(
きんがわ
)
懐中時計(
金鎖
(
きんぐさり
)
共)一番
金目
(
かねめ
)
なのは、室の中央の丸テーブルの上にあった、金製の煙草セット(煙草入れと灰皿
丈
(
だ
)
けで、盆は残っていた。盆は
赤銅
(
しゃくどう
)
製である)
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その上、暑苦しいのに
錦紗
(
きんしゃ
)
縮緬の半コートまでも
羽織
(
はお
)
っていた。首には
金鎖
(
きんぐさり
)
、指には金の指環、調和はとれないが一眼見てどこかの貴婦人だと思わせるような服装だった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
もし血気に
逸
(
はや
)
る
半可通
(
はんかつう
)
が新式の自動車を
駆
(
か
)
り催して正面から乗りつけて行っても、「御紹介のないお客様は」の一点張りで、その来る者の、自動車であろうと、
金鎖
(
きんぐさり
)
であろうと
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そのほかとけいの
飾金具
(
かざりかなぐ
)
、首にかけた
金鎖
(
きんぐさり
)
や、ダイヤモンドのゆびわなど、すでにごしょうちのとおりですから申しません。じっさい、影は、すばらしくいい身なりをしていました。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
東雲
(
しのゝめ
)
の
太陽
(
たいやう
)
の
惠
(
めぐみ
)
の、
宛然
(
さながら
)
處女
(
しよぢよ
)
の
血
(
ち
)
の
如
(
ごと
)
く、
爽
(
さわやか
)
に
薄紅
(
うすくれなゐ
)
なるに、
難有
(
ありがた
)
や、
狐
(
きつね
)
とも
成
(
な
)
らず、
狸
(
たぬき
)
ともならず、
紳士
(
しんし
)
と
成
(
な
)
り、
貴婦人
(
きふじん
)
となり、
豪商
(
がうしやう
)
となり、
金鎖
(
きんぐさり
)
となり、
荷物
(
にもつ
)
と
成
(
な
)
り、
大
(
おほい
)
なる
鞄
(
かばん
)
と
成
(
な
)
る。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
金時計
(
きんどけい
)
だの
金鎖
(
きんぐさり
)
が
幾
(
いく
)
つも
並
(
なら
)
べてあるが、
是
(
これ
)
もたゞ
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
や
恰好
(
かつかう
)
として、
彼
(
かれ
)
の
眸
(
ひとみ
)
に
映
(
うつ
)
る
丈
(
だけ
)
で、
買
(
か
)
ひたい
了簡
(
れうけん
)
を
誘致
(
いうち
)
するには
至
(
いた
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いや、
真平
(
まつぴら
)
だ」と云つて
兄
(
あに
)
は
苦笑
(
にがわら
)
ひをした。さうして大きな
腹
(
はら
)
にぶら
下
(
さ
)
がつてゐる
金鎖
(
きんぐさり
)
を
指
(
ゆび
)
の
先
(
さき
)
で
弄
(
いぢく
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
兄
(
あに
)
は
角帯
(
かくおび
)
に
金鎖
(
きんぐさり
)
を
巻
(
ま
)
き
付
(
つ
)
けて、近頃流行る妙な
絽
(
ろ
)
の羽織を
着
(
き
)
て、
此方
(
こちら
)
を
向
(
む
)
いて立つてゐた。代助の
姿
(
すがた
)
を見て
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
鎖
常用漢字
中学
部首:⾦
18画
“金鎖”で始まる語句
金鎖子