辻堂つじだう)” の例文
ところで、子供達がよく遊んでゐる辻堂つじだうの見える角まで来たとき、良寛さんは、自分がうつかりしてゐたことに気づいた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
ところで、わたしが、おうらすくみちとして、すゝむべき第一歩だいいつぽは、何処どこでもい、小家こいへ一軒いつけんさがことだ。小家こやでもいゝ辻堂つじだうほこらでもかまはん、なんでもひとない空屋あきやのぞみだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ながれにはをのひゞきにはのみおとしろ蝙蝠かはほりあかすゞめが、ふもとさといろどつて、辻堂つじだううちなどはかすみかゝつて、はな彫物ほりものをしてやうとまで、しんじてたのが、こひしいをんな一所いつしよたゝめ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこで良寛さんは、辻堂つじだうかたはらに腰をおろしてやすんだ。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
をとこ呼吸いきめた途端とたんに、立留たちどまつたさかくち。……病院下びやうゐんしたかどは、遺失おとすくらゐか、路傍みちばた手紙てがみをのせてても、こひ宛名あてなとゞきさうな、つか辻堂つじだうさいかみ道陸神だうろくじんのあとらしいところである。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
落着おちついて相談さうだんと? ……うへなん相談さうだんるんです。おうらすくふのには一刻いつこくあらそふ、寸秒すんべうをしむ。早速さつそくさあ、ひとない小家こや辻堂つじだうほこらなんでもかまはん、其処そこかう。つてぐに仕事しごとにかゝる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)