舌皷したつゞみ)” の例文
非常ひじやう甘味うま菓子くわし舌皷したつゞみちつゝ、や十五ふんすぎたとおもころ時計とけい午後ごご六時ろくじほうじて、日永ひながの五ぐわつそらも、夕陽ゆふひ西山せいざんうすつくやうになつた。
四馬路スマロ菜館さいくわん廣東料理くわんとんれうり舌皷したつゞみち、外國人ぐわいこくじんのバアでリキユウルをすすり、日本料理屋にほんれうりや藝者達げいしやたち長崎辯ながさきべんき、さらにフランス租界そかい秘密ひみつ阿片窟あへんくつ阿片あへんまでつてみた。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
おどろいてればもうこんな始末しまつである。卯平うへいいた。かれ煙管きせるんではたゞ舌皷したつゞみつてつばんだ。勘次かんじたゞいてた。かれはおしな發病はつびやうからどれほど苦心くしんしてそのらうしたかれぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
勘次かんじたのまれてみなみ亭主ていしゆはなしをしたとき卯平うへいはどうしたものかとあんじたほどでもなく「子奴等こめらこまるといへばどうでもざらによ、ねえでどうするもんか」と煙管きせるつてくせ舌皷したつゞみ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その翌日よくじつは、漂流へうりう以來いらいはじめてすここゝろ落付おちついて、れい雨水あめみづみ、沙魚ふかにく舌皷したつゞみちつゝ、島影しまかげきか、滊船きせんけむりへぬかと始終しじうくばる、けれどこの何物なにものまなこさへぎるものとてはなく