聖人せいじん)” の例文
けだし聖人せいじん君子くんし高僧こうそう等より見れば、普通にわれわれの賞賛する武勇は猛獣もうじゅうの勇気に類したもので、孟子もうしのいうところの匹夫ひっぷの勇に過ぎぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ゆめ五臟ござうのわづらひといひつたふれども正夢しやうむにして賢人けんじん聖人せいじん或は名僧めいそう知識ちしきの人をむは天竺てんぢく唐土もろこし我朝わがてうともにそのためすくなからずすで玄奘法師げんさうほふしは夢を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひとりぽっちで、いかにもその姿すがたがさびしそうにえることもあれば、また、さびしいということなどらぬ聖人せいじんのように、いつもにこにことして
町はずれの空き地 (新字新仮名) / 小川未明(著)
嗚呼ああ、先生は我国の聖人せいじんなり。その碩徳せきとく偉業いぎょう、宇宙に炳琅へいろうとして内外幾多の新聞みな口をきわめて讃称さんしょうし、天下の人の熟知じゅくちするところ、予が喋々ちょうちょうを要せず。
およそ学問の道は、六経りくけいを治め聖人せいじんの道を身に行ふを主とする事は勿論もちろんなり。さてその六経を読みあきらめむとするには必ず其一言いちげん一句をもつまびらかに研究せざるべからず。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
(七〇)同明どうめい相照あひてらし、(七一)同類どうるゐ相求あひもとむ。くもりようしたがひ、かぜとらしたがふ。(七二)聖人せいじんおこつて萬物ばんぶつる。
聖人せいじん君子のごときをもってしても、意志強く、自分の目的をあくまでも貫徹せんとする者は、必ず何人だれからか邪魔視じゃましされる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
さめ仁義じんぎをもつてたみ百姓ひやくしやうをしたがへ道におちたるをひろはず戸さゝぬ御代とせんとなりまことにしゆんといへども聖人せいじんの御代には庭上ていじやうつゞみを出しおき舜帝しゆんていみつから其罪そのつみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まことこのみな聖人せいじんなるも、えきしてわたくのごとひくきことあたはず。すなは(一〇〇)能仕のうしづるところあらず。そう富人ふうじんあり、あめりてかきやぶる。
これもそのはずであって、むかしは堅苦かたくるしき文字をりて、聖人せいじんにも凡人ぼんじんにも共通なる考えを言い現すくせがあった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
つぐなうとあれば聖人せいじんおきてにも有事なり然らばあし御政事ごせいじにてはなきと决せり又非學者ひがくしやなんじていはく文王は有徳うとくな百姓町人のつみけいにあらざるものを過料くわれうさせて其金銀を以て道路だうろにたゝずみ暑寒しよかん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)