停年教授はと見ていると、彼は見掛によらぬ羞かみやと見えて、立つて何だか謝辞らしいことを述べたが、口籠ってよく分らなかった。
それを摘んで持って行ってやると、モオリーはそのたびに当惑したような羞かんだような、なんともいえないふしぎな表情をうかべた。
吉良の妻女にすすめられると、すなおに盃も受け、吉良や兄が話しかけると羞かんだりしないで、ごく自然におっとりと受け答えをした。
云ってみれば、父がそうやっている私のことをなんにも知らずにいる、——それが私にそういうことを少しも羞かまずにさせていてくれた。
村田珠光の作であるが、四百年も前に作られた庭であるとは思へないほど、親しい新しさがあり、小ぢんまりと纏まり令人のやうに羞かんで見えた。