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笑声
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わらいごえ
ふりがな文庫
“
笑声
(
わらいごえ
)” の例文
旧字:
笑聲
そういうわけで、知るかぎりの人々に愛され、いたわられて、この小さな藁小屋の中はいつもたのしげな
笑声
(
わらいごえ
)
がみちていました。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
三人づれで、
声高
(
こわだか
)
にものを言つて、笑ひながら入つた、
何
(
ど
)
うした、などと言ふのが手に取るやうに聞えたが、又
笑声
(
わらいごえ
)
がして、其から
寂然
(
ひっそり
)
。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
旦那様も早く銀行から御帰りになる、御二人とも御客様の
御待遇
(
おもてなし
)
やら東京の御話やらに紛れて、久振で楽しそうな御
笑声
(
わらいごえ
)
が奥から聞えました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
二人は喫茶店の店先までそっと歩いていったが、
恰度
(
ちょうど
)
その時、中から女の
笑声
(
わらいごえ
)
がしたので、びっくりして、小さい中学生達はどんどん逃げ出しました。
誰が・何時・何処で・何をした
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
その癖
下坐舗
(
したざしき
)
でのお勢の
笑声
(
わらいごえ
)
は意地悪くも善く聞えて、
一回
(
ひとたび
)
聞けば
則
(
すなわ
)
ち耳の
洞
(
ほら
)
の
主人
(
あるじ
)
と成ッて、
暫
(
しば
)
らくは立去らぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
女は短い
笑声
(
わらいごえ
)
を漏した。「いいえ。それでは
宜
(
よろ
)
しゅうございます。どうせ起して貰うように頼んで置きましたから」
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「まあ、御隠居様が、ほほほほほ……」無論彼女の
笑声
(
わらいごえ
)
はこんなによくはないのだが、これは女中の声である。
毒草
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは
哥薩克
(
コサック
)
の部落であって鶏犬の声や馬の
嘶
(
いなな
)
きや若い男女の
笑声
(
わらいごえ
)
などが風に運ばれて聞えて来る。
死の復讐
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
珠運
(
しゅうん
)
も思い
掛
(
がけ
)
なく色々の始末に七日余り
逗留
(
とうりゅう
)
して、
馴染
(
なじむ
)
につけ
亭主
(
ていしゅ
)
頼もしく、お
辰
(
たつ
)
可愛
(
かわゆ
)
く、
囲炉裏
(
いろり
)
の
傍
(
はた
)
に極楽国、
迦陵頻伽
(
かりょうびんが
)
の
笑声
(
わらいごえ
)
睦
(
むつま
)
じければ客あしらいされざるも
却
(
かえっ
)
て気楽に
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
女の姿は、
赫
(
かがや
)
く霧の中へ隠れてしまって、その霧の中から、女の
笑声
(
わらいごえ
)
が聞える。幸福の笑声、歓喜の笑声である。そしてその霧が散ってしまうと、女の踊っているのが見える。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
ひやかすように云って
笑声
(
わらいごえ
)
をする者があった。それは茶の
中折
(
なかおれ
)
を着た小柄な男であった。
女の首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お杉は又もや
凱歌
(
かちどき
)
の
笑声
(
わらいごえ
)
を揚げた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さわやかな海風に
笑声
(
わらいごえ
)
が流れた。
水中の怪人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「旦那いかがでございます。えへへ、」と、かんてらの灯の蔭から、気味の悪い
唐突
(
だしぬけ
)
の
笑声
(
わらいごえ
)
は、当露店の亭主で、目を細うして、額で
睨
(
にら
)
んで
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
詳しい事情を知らぬ家族の者は、日頃陰気な平田氏が、
俄
(
にわか
)
に快活になって、彼の口からついぞ聞いたことのない
笑声
(
わらいごえ
)
が洩れるのを、少なからずいぶかしがった。
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その女の
笑声
(
わらいごえ
)
が耳馴れたように聞えたので、店の上さんが
吊銭
(
つりせん
)
の勘定をしている間、おもちゃの
独楽
(
こま
)
を手に取って眺めていた純一が、ふと頭を挙げて声の方角を見ると
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
侵入者の愉快そうな
笑声
(
わらいごえ
)
を聞くと美しい看護婦は手を振りながら、一足彼の方へ近寄って来た。
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ね、パトラッシュ。くよくよするのは止そうよ。」こう言いながらパトラッシュの頸をだいて
接吻
(
キス
)
してやるのでした。粉挽場の方からは、たのしげな
笑声
(
わらいごえ
)
がつたわって来ます。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
そのお政の
半面
(
よこがお
)
を文三は
畏
(
こわ
)
らしい顔をして
佶
(
きっ
)
と
睨付
(
ねめつ
)
け、何事をか言わんとしたが……気を取直して
莞爾
(
にっこり
)
微笑した
積
(
つもり
)
でも顔へ
顕
(
あら
)
われたところは苦笑い、
震声
(
ふるいごえ
)
とも附かず
笑声
(
わらいごえ
)
とも附かぬ声で
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「朝までいるお客さんだよ」章一は小声で云って
笑声
(
わらいごえ
)
をして、「どうだい」
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
月にも、霧にも、
流
(
ながれ
)
の音にも、一座の声は、
果敢
(
はか
)
なき
蛾
(
ひとりむし
)
のやうに、ちら/\と乱るゝのに、娘の
笑声
(
わらいごえ
)
のみ、水に沈んで、月影の森に遠く響いた。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
女中に案内せられて、
万翠楼
(
ばんすいろう
)
の三階の下を通り抜けて、奥の平家立ての座敷に近づくと、電燈が明るく障子に差して、内からは
笑声
(
わらいごえ
)
が聞えている。
Basse
(
バス
)
の
嘶
(
いなな
)
くような笑声である。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その
笑声
(
わらいごえ
)
の奥に何かしら、まだ解き明かされぬ物が
潜
(
ひそ
)
んでいる様な気がする。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そして、そのうちには
笑声
(
わらいごえ
)
も
交
(
まじ
)
った。
車屋の小供
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
たのしげな
笑声
(
わらいごえ
)
がもれるのでした。
フランダースの犬
(新字新仮名)
/
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー
(著)
これで
思出
(
おもいだ
)
したが、この魔のやることは、
凡
(
すべ
)
て、
笑声
(
わらいごえ
)
にしても、
唯
(
ただ
)
一人で笑うのではなく、アハハハハハと
恰
(
あだか
)
も
数
(
す
)
百人の笑うかの如き
響
(
ひびき
)
をするように思われる。
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男は話し終って笑ったが、妙に陰気な
笑声
(
わらいごえ
)
であった。
目羅博士の不思議な犯罪
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
夜半に及んで、婦人の閨へ推参で、同じ
憚
(
はばか
)
るにしても、黙って寝ていれば呼べもするし、
笑声
(
わらいごえ
)
なら
与
(
くみ
)
し易いが、泣いてる処じゃ、たとい何でも、
迂濶
(
うかつ
)
に声も懸けられますまい。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
声が玄関までよく通って、その間に見物の
笑声
(
わらいごえ
)
が、どッと響いた。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時々どっと
山颪
(
やまおろし
)
に誘われて、
物凄
(
ものすご
)
いような
多人数
(
たにんず
)
の
笑声
(
わらいごえ
)
がするね。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“笑声”の意味
《名詞》
笑 声(しょうせい)
笑う際に発する声。
(出典:Wiktionary)
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“笑”で始まる語句
笑
笑顔
笑止
笑談
笑靨
笑顏
笑窪
笑聲
笑止千万
笑味