“万翠楼”の読み方と例文
読み方割合
ばんすいろう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女中に案内せられて、万翠楼ばんすいろうの三階の下を通り抜けて、奥の平家立ての座敷に近づくと、電燈が明るく障子に差して、内からは笑声わらいごえが聞えている。Basseバスいななくような笑声である。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
千葉の町の大きな料理屋、万翠楼ばんすいろうの姉娘が、今の主人の、その頃医学生だったのと間違って。……ただ、それだけではないらしい。学生の癖に、悪く、商売人じみた、はなを引く、賭碁かけごを打つ。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)