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たちぎき
ふりがな文庫
“
立聞
(
たちぎき
)” の例文
軈
(
やが
)
て健は二階の教室に上つて行く。すると、校長の妻は
密乎
(
こつそり
)
と其後を
跟
(
つ
)
けて行つて、教室の外から我が子の叱られてゐるのを
立聞
(
たちぎき
)
する。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二人が捨石から立上って、大食堂の建物の方へ歩いて行くと、木蔭の
黒入道
(
くろにゅうどう
)
も、
立聞
(
たちぎき
)
をやめて、コソコソと夕闇の彼方へ消えて行った。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そうなれば
屹度
(
きっと
)
この間の
意趣
(
いしゅ
)
を返すに違いはありません、
何
(
なん
)
でも彼奴が一件を
立聞
(
たちぎき
)
したに違いないから、
貴方
(
あなた
)
何
(
ど
)
うかして孝助
奴
(
め
)
を殺して下さい
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
退
(
しりぞ
)
き
投首
(
なげくび
)
なし五日の中に善惡二つを身一つにして分る事の
最
(
いと
)
難
(
かた
)
ければ思案に
暮
(
くれ
)
るに
最前
(
さいぜん
)
よりも部屋の外にて
二個
(
ふたり
)
が
問答
(
もんだふ
)
立聞
(
たちぎき
)
せし和吉は密と忠兵衞の
側
(
そば
)
へ差寄り
袂
(
たもと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
狸退治の極意を一寸こゝにお話すると、(
何
(
ど
)
うか成るべく口の中で
低声
(
こごゑ
)
で読んで欲しい、さもないと狸が
立聞
(
たちぎき
)
するかも知れないから)狸はよく
雨夜
(
あまよ
)
に出て
悪戯
(
いたづら
)
をする。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
島は、
浮
(
うき
)
島、
八十
(
やそ
)
島。浜は、
長浜
(
ながはま
)
。浦は、
生
(
おう
)
の浦、和歌の浦。寺は、壺坂、笠置、法輪。森は、
忍
(
しのび
)
の森、
仮寝
(
うたたね
)
の森、
立聞
(
たちぎき
)
の森。関は、なこそ、白川。古典ではないが、着物の名称など。
古典竜頭蛇尾
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「奴なんぞと云うじゃアねえ。何処に
立聞
(
たちぎき
)
をしていて、
何
(
ど
)
んな
祟
(
たたり
)
をするか知れねえ。幾らお
前様
(
めえさま
)
が理屈を云ったって、𤢖に逢ったが最後、
何
(
ど
)
んな人間だって
敵
(
かな
)
うものじゃねえから……。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
思案に沈んでいる
憐
(
あわ
)
れな人に、
易者
(
えきしゃ
)
がどんな希望と不安と
畏怖
(
いふ
)
と自信とを与えるだろうという好奇心に
惹
(
ひ
)
かされて、面白半分、そっと傍へ寄って、陰の方から
立聞
(
たちぎき
)
をする事がしばしばあった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
不図
(
ふと
)
立聞
(
たちぎき
)
して
魂魄
(
たましい
)
ゆら/\と足
定
(
さだま
)
らず、
其儘
(
そのまま
)
其処
(
そこ
)
を
逃出
(
にげいだ
)
し人なき
柴部屋
(
しばべや
)
に夢の
如
(
ごと
)
く
入
(
いる
)
と等しく、せぐりくる涙、あなた程の方の女房とは
我身
(
わがみ
)
の
為
(
ため
)
を思われてながら吉兵衛様の
無礼過
(
なめすぎ
)
た言葉恨めしく
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
翌日
(
よくじつ
)
ハバトフは
代診
(
だいしん
)
を
伴
(
つ
)
れて
別室
(
べっしつ
)
に
来
(
き
)
て、
玄関
(
げんかん
)
の
間
(
ま
)
でまたも
立聞
(
たちぎき
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
老人は軒の
燕
(
つばめ
)
に
立聞
(
たちぎき
)
でもされるのを気遣ふやうに、
態
(
わざ
)
と声を落した。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
調合
(
てうがふ
)
して用るが
宜
(
よろ
)
しからん此事は
先
(
まづ
)
新道
(
しんみち
)
の
玄柳
(
げんりう
)
方へ行て
相談
(
さうだん
)
致
(
いた
)
すべしと四人
打連立
(
うちつれだち
)
て出行たり
偖
(
さて
)
彼の長助は
毒藥
(
どくやく
)
と云
聲
(
こゑ
)
の
不※
(
ふと
)
聞
(
きこ
)
えければ又々四人の者共が
惡事
(
あくじ
)
ならん何れ
又
(
また
)
七
樣
(
さま
)
の事なるべしとお
常
(
つね
)
の部屋の
傍
(
そば
)
に
寄
(
より
)
立聞
(
たちぎき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
聞
常用漢字
小2
部首:⽿
14画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立籠
立塞