ふけ)” の例文
手前てめえが殺したんでなけりゃアほかに敵が有るのだから敵討をしようじゃアねえか、手前お賤とうからふけえ中で逢引するなア種が上って居るが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ふかうなつちや逆旋毛さかさつむじてるてえでりつけねえぢやなんぼ大儀こええかよなあ、そんだがいまぢや、われはうれよりふけえつくれえだなんておとつゝあにやはれんのよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「あの穴場はふけえからな」と忠なあこは話を聞いて云った、「とても機械を揚げるこたあ無理だな」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
急ぎしに※らずも踏迷ふみまよあへぎ/\漸々やう/\秋葉の寶前はうぜんに來りしが此時ははや夜中にてゴーン/\となりしは丑刻やつかねなれば最早もはや何へも行難しふもとへ下ればおほかみ多く又夜ふけに本坊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
須臾しゆゆの間に衣冠を正しくして、秀郷を客位にしようず、左右侍衛官しえのかん前後花のよそおひ、善尽し美尽せり、酒宴数刻に及んで、夜既にふけければ、敵の寄すべきほどになりぬと周章あわて騒ぐ、秀郷は
そこにいる子までしたふけえ仲だと判ってみれば、利根川を挟んで三堀布施ほりふせ、安孫子で姿を見かけたからは、どこへ行くものか女房子供のところと、こう見込みをつけるのが定式だろう。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
「やい! 虫も殺さねえようなつらをして、てめえぐらい、罪のふけえ女はねえぞ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああふけえ! こいつはたまらねえ」
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ふけえ馴染の中だで思出おめえだしてなげきが増して母様かゝさまが泣くべえ、それに種々いろ/\用があってねえでいたが悪く思ってくれるなって、でかい身体アして泣いただ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あの穴場はふけえからな」と忠なあこは話を聞いて云った、「とても機械を揚げるこたあ無理だな」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
美代ちゃんの母親おふくろさんもんなにか悦びましょう、しかし彼のばゝあは何うも慾がふけえたッてなんて、んなのも沢山たんとはありません、慾の国から慾をひらきに来て
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから汽船へ乗ると船で会い、また此処で一緒に成るとは何とまアふけえ御縁かと思ってるだ、しかし其の相手の村上松五郎てえ奴は、もとさむれえだと聞いてるから
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
えゝ老爺おじいさん、お前さんに又此処でお目に懸るてえのは誠にふけえ御縁かと思ってるのよ……貴方あんたたしか四万の關善でお目に懸った橋本幸三郎さんてえお方でげしょう
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
死ぬべえが此の川は国の川と違って底が見えねえからふけいと見える、此処から飛込むべえか、彼処あすこから飛込むべえか、何処から飛込んだらつん流されべえ、死ぬには入らねえ廿八文
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
恭「ナニ本当だよ、身体へね石を巻き附けて、利根川のふけとこほうり込んだんだよ」
色々ふけえ思召があるんだから、わっしも大旦那のおわけえ時分、まだ糸鬢奴いとびんやっこの時分から、甲州屋のお店へ出入りをしてえて、おめえさんとも古い馴染だが、今度来やアがった番頭ね、彼奴あいつが悪い奴なんだ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)