歩調ほてう)” の例文
が、しばらくすると中根なかねはなしにもきがた。そして、三十ぷんたないうちにまた兵士達へいしたち歩調ほてうみだれてた。ゐねむりがはじまつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
いけを、あさから日沒につぼつまで、歩調ほてう遲速ちそくろんぜぬ、大略おほよそ十五時間じふごじかんあひだに、幾𢌞いくまはりか、囘數くわいすうおほいのをもつ勝利かちとする。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『どれ、第一だいいち歩調ほてうをやつてよう!』と海龜うみがめがグリフォンにひました。『えびがなくても出來できるだらう、何方どつちうたはう?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「やあ昨夜さくやは。いま御歸おかへりですか」と氣輕きがるこゑけられたので、宗助そうすけ愛想あいそなくとほぎるわけにもかなくなつて、一寸ちよつと歩調ほてうゆるめながら、帽子ばうしつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼女は、輕やかな歩調ほてうで、小路をこちらへ歩いて來た。
征服のみちにその歩調ほてうますます勇ましく
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
えび舞踏ぶたうのモひとつの歩調ほてうをやつてやうか?』とグリフォンはつゞけて、『それとも海龜うみがめにもひとうたうたつてもらはうか?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
さうして無形むけいくさりつながれたまゝたづさえて何處どこまでも、一所いつしよ歩調ほてうともにしなければならないこと見出みいだした。彼等かれらおやてた。親類しんるゐてた。友達ともだちてた。おほきくへば一般いつぱん社會しやくわいてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ふたゝりくかへる、それで——それが第一だいいち歩調ほてうすべてゞある』と海龜うみがめは、にはかにこゑおとしてひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)