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日増
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ひまし
ふりがな文庫
“
日増
(
ひまし
)” の例文
花を
枕頭
(
まくらもと
)
に
差置
(
さしお
)
くと、その時も絶え入っていた母は、
呼吸
(
いき
)
を返して、それから
日増
(
ひまし
)
に
快
(
よ
)
くなって、五年経ってから亡くなりました。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに近頃また
日増
(
ひまし
)
に註文が増えるというのは、何も連中は体裁をつくる仕儀ばかりじゃなくって、脛に傷持つ方々が意外の数だというんです。
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
しかし町子さんへの思慕が
日増
(
ひまし
)
に募って来た。面影を浮べると周囲が花盛りのように明るくなる。つい惹きつけられて、尾崎君のところへ足が向く。
合縁奇縁
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
『ハ。忠一さんは
日増
(
ひまし
)
に悪くなる様ですね。今日も権太といふ小供が新らしく買つて来た墨を、自分の机の中に隠して知らない振してゐたんですよ。』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
社会は
日増
(
ひまし
)
に進歩する。電車は東京市の交通を一変させた。女学生は勢力になって、もう自分が恋をした頃のような旧式の娘は見たくも見られなくなった。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
其
(
それ
)
と
与
(
とも
)
に
一方
(
いつぱう
)
には小説雑誌の
気運
(
きうん
)
が
日増
(
ひまし
)
に
熟
(
じゆく
)
して来たので、
此際
(
このさい
)
何
(
なに
)
か発行しやうと
云
(
い
)
ふ
金港堂
(
きんこうどう
)
の
計画
(
けいくわく
)
が有つたのですから、
早速
(
さつそく
)
山田
(
やまだ
)
へ
密使
(
みつし
)
が
向
(
むか
)
つたものと見える
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その証拠には、お通は
日増
(
ひまし
)
に血色を
革
(
あらた
)
め、今では机に
倚
(
よ
)
って坐っていられるくらいにまでなっている。——一度はどうなるかと、城太郎すら心配したほどであった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それからは、
毎日
(
まいにち
)
毎日
(
まいにち
)
、
菜
(
な
)
の
事
(
こと
)
ばかり
考
(
かんが
)
えていたが、いくら
欲
(
ほ
)
しがっても、
迚
(
とて
)
も
食
(
た
)
べられないと
思
(
おも
)
うと、それが
元
(
もと
)
で、
病気
(
びょうき
)
になって、
日増
(
ひまし
)
に
痩
(
や
)
せて、
青
(
あお
)
くなって
行
(
ゆ
)
きます。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
其
(
その
)
翌
(
あく
)
る日も申分のない天気であった。霜は
日増
(
ひまし
)
に深くなって来るが、朝の日影は
麗
(
うらら
)
かであった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
河水は、
日増
(
ひまし
)
に水量を加えて、軽い
藍色
(
あいいろ
)
の水が、処々の川瀬にせかれて、
淙々
(
そうそう
)
の響を揚げた。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
『これは/\芋の王様、かう
日増
(
ひまし
)
に芋の葉が繁つていつては、しまひには、私達の
呼吸
(
いき
)
がつまつてしまひます、いつこくも早く、世界中の芋の葉を、枯らしていただきたい。』
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
摧
(
くだ
)
きて我が妻の
疾
(
やまひ
)
平癒
(
へいゆ
)
成さしめ給へと祈りしかば定まり
有
(
ある
)
命數
(
めいすう
)
にや
日増
(
ひまし
)
に
勞
(
つか
)
れ
衰
(
おとろ
)
へて今は頼み少なき有樣に吉兵衞は妻の
枕邊
(
まくらべ
)
に
膝
(
ひざ
)
さし
寄
(
よせ
)
彼是
(
かれこれ
)
と力をつけ
言慰
(
いひなぐさ
)
めつゝ何か
食
(
た
)
べよ
藥
(
くすり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
聖賢の言は、生活の虚飾として用いられ、いたずらに神仙の迷信のみ流行し、病人は高価な
敗鼓皮丸
(
はいこひがん
)
を押し売りされて、
日増
(
ひまし
)
に衰弱するばかりなのだ。この支那の民衆の現状をどうする。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼の
我儘
(
わがまま
)
には
日増
(
ひまし
)
に募った。自分の好きなものが手に
入
(
い
)
らないと、往来でも道端でも構わずに、すぐ
其所
(
そこ
)
へ
坐
(
すわ
)
り込んで動かなかった。ある時は小僧の
脊中
(
せなか
)
から彼の髪の毛を力に任せて
挘
(
むし
)
り取った。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
抱へるゆゑ何事も商賣向に
明
(
あか
)
るく
繁昌
(
はんじやう
)
なすに付て小兵衞は女房を
持
(
もた
)
んと思ひ是も
工風
(
くふう
)
して御殿女中の下りを尋ね宿の妻として
都合
(
つがふ
)
よく
日増
(
ひまし
)
に内
福
(
ふく
)
と成たりけり夫に引替向ふ見ずの三吉は三百兩の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
増
常用漢字
小5
部首:⼟
14画
“日”で始まる語句
日
日向
日本
日和
日光
日中
日々
日数
日暮
日毎