)” の例文
手前なんぞは横町の黒や斑と大したちげえがあるものか。黒や斑はおれの顏をみると、をふつて來るだけも可愛らしいや。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「くそうッ、切支丹族のやつなんかに、高麗村の者がおそれていてたまるものか。ちゃんは臆病だから、をまいて逃げて来たんだろう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしばうやはね、ひづめが二つにれてゐて、毛色けいろはぶちでつぽもちやんとついてゐて、わたしぶときは、もう/\つて可愛かあいこゑびますよ。」
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
「見せたいものもある」なんて、一体なんのことなんだらう。……今度はさつきとは違つて、この変にぼやかしたの方が気になりました。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
それにつけて、かういふ結構な土地に来て、鹿のやうに柔和で、鹿のやうにの短い女学生を預つてゐる自分の身の幸福さを思ふらしかつた。
無学なお月様 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
人間は足を切られたが最後、再び足は製造出来ない。しかし蜥蜴はを切られると、すぐにまた尻っ尾を製造する。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
僕少年の頃枕山並に毅堂などのツぽについて東叡山あたりの詩会に赴きし頃毅堂程の貧乏人はなかりしかど、後には大層工面をよくしたるものと見えたり。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そのはそれを着ていた牡牛がスパニッシュ・メーン〔南米の東北海岸地方〕の大草原を走りまわっていたときにもっていたよじれと押っ立った角度とを
下流の方を眺めると、溪が瀬をなして轟々ごうごうと激していた。瀬の色は闇のなかでも白い。それはまたのように細くなって下流の闇のなかへ消えてゆくのである。
闇の絵巻 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
昼に弁当とお茶を持って其処そこに行くと、皆があぜに腰を掛けて食事を始める。立てて置いた鍬の柄に赤蜻蛉が止って、そのっぽの先が高い山のいただきとすれすれになっている。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
改めてもう一度お詫びを申しますが、それにしても、でんぐり返しただけで枯れるなんざ、万年青なんてえものもいい加減なもんですな、あんまりッ腰がなさすぎます。
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
夕立ちが済むと、ノコノコと、どこからか現れてきてをふったりジャレついたり、ハシャギ廻るのであるが、どこへ行くのか、初めのうちはなかなかわからなかった。
雷嫌いの話 (新字新仮名) / 橘外男(著)
おまけに化けそうな大猫で、ふといっぽの長いのだから、なおいやだった。
それにつけて、かういふ結構な土地に来て、鹿のやうに柔和で、鹿のやうにの短い女学生を預つてゐる自分の身の幸福さを思ふらしかつた。
きょうの乱軍のなかで、甲州の孕石忠弥はらみいしちゅうやという剛の者が、家康にせまって、家康の乗っている馬のをつかまえた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると顔が濡れるもんだから、何かと思つて目をさますと、いつのにか大きい虎が一匹、の先に水をつけてはらつぱ卒の顔を撫でてゐたとさ。
虎の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「もう/\が可愛かあいこゑですつて。それにつぽなんか餘計よけいなものよ。」
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
糞とよだれと、牛ののあいだでは、いろといわれても、いる所がない。晩春なのに、もう銀蠅が、慕って来ている。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
Bifteckビフテク pommeパム ——それに比べると、俺の仏蘭西語はまるで鼠のやうに長いやしてら。」
この大きい樟の木のこずえの長い猿が一匹、或枝の上にすわったまま、じっと遠い海を見守っている。海の上には帆前船ほまえせんが一そう。帆前船はこちらへ進んで来るらしい。
誘惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
つぽが餘計よけいなものなら、くちばしなんかも餘計よけいなものよ。」
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
取ッ組み合いが始まった。しかし婆さんの毒舌と腕力もなかなかである。とうとう唐牛児もを巻いて
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喧嘩はただ豚のは柿のへたに似ているとか似ていないとか云うことから始まっていた。
玄鶴山房 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すると如何いかにもはづかしさうに長いを垂らしたなり、何処どこかへ行つてしまつたとさ。
虎の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わしは僧侶そうりょだから、死んでも、僧侶のお経は欲しゅうないなあ。法衣ころものすそから、を出している大僧正だの、大法師、小法師どものくらべなど、日ごろに描いておるでの。
「おい、もっと、列の後の方にけ。荷駄のへついて来い、荷駄の尻っ尾へ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ハイじゃないっ。もう、貴様のは、つかんだ。今夜こそ、帰さないぞ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「武松が帰って来た」と西門慶から今聞いたので、婆としても胸は早鐘を突かれたろうし、もし金蓮が下手へたをつかまれでもしてはと、それのかばい立てにもせつけたに違いない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、老賊の老巧で、やりたい贅沢ぜいたくは、年に何度か、伊勢詣りの、検校けんぎょうの試験に上洛のぼるのだと称して、上方へ行って散財し、江戸では、導引暮らしの分を守り、決してをあらわさない。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝きげんのいい栗鼠りす、はしゃぎ者のむささび、雨ぎらいのてん、などがりながらえさをあさりに出だした。そこらに山葡萄やまぶどうくさるほどなっている。くりはいたるところにれている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
胡正のについて、葬具屋のちょうもあわてて立った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あと
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)