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小鉢
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こばち
ふりがな文庫
“
小鉢
(
こばち
)” の例文
女はたちまち帰り来りしが、
前掛
(
まえかけ
)
の下より現われて膳に
上
(
のぼ
)
せし
小鉢
(
こばち
)
には
蜜漬
(
みつづけ
)
の
辣薑
(
らっきょう
)
少し
盛
(
も
)
られて、その
臭気
(
におい
)
烈
(
はげ
)
しく
立
(
た
)
ち
渡
(
わた
)
れり。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
火箸
(
ひばし
)
が
眞
(
ま
)
ッ
先
(
さき
)
に
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
て、それから
續
(
つゞ
)
いて
肉汁
(
スープ
)
鍋
(
なべ
)
や、
皿
(
さら
)
や
小鉢
(
こばち
)
の
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
つて
來
(
き
)
ました。
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は、
其等
(
それら
)
が
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
を
打
(
う
)
つをも
平氣
(
へいき
)
で
居
(
を
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「そうれお
前等
(
めえら
)
注
(
つ
)
えで
遣
(
や
)
んのにそんな
小鉢
(
こばち
)
なんぞ
桶
(
をけ
)
の
上
(
うへ
)
さ
突出
(
つんだ
)
させちや
畢
(
を
)
へねえな、それだらだら
垂
(
た
)
ツらあ、
柄杓
(
ひしやく
)
そつちへおん
出
(
だ
)
して
行
(
や
)
るもんだ」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
茶碗や
皿
(
さら
)
小鉢
(
こばち
)
が暗い台所に光を与え、清潔が白色であることを教えた功労は大きいが、それでも一方には、物の容易に砕けることを学ばしめた難は有る。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
台所へ来て見ると、
小洋燈
(
こランプ
)
が
点
(
とぼ
)
しては有るがお鍋は居ない。皿
小鉢
(
こばち
)
の洗い懸けたままで打捨てて有るところを見れば、急に用が出来て
遣
(
つかい
)
にでも往たものか。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
女たちは呼ばれた
芸妓
(
げいぎ
)
というかたちであり、器物とは
燗徳利
(
かんどくり
)
とか
盃
(
さかずき
)
とか、
椀
(
わん
)
や皿
小鉢
(
こばち
)
の
類
(
たぐ
)
いである。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
結構つかえる器物がそこらへ
棄
(
す
)
てられたり、下品な皿
小鉢
(
こばち
)
が、むやみに買いこまれたりして、遠海ものの
煮肴
(
にざかな
)
はいつも砂糖
漬
(
づ
)
けのように悪甘く、漬けものも
溝
(
どぶ
)
のように臭かった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それから
旅亭
(
やどや
)
へ着くと
夜具蒲団
(
やぐふとん
)
から
膳
(
ぜん
)
椀
(
わん
)
皿
(
さら
)
小鉢
(
こばち
)
まで一として危険ならざるはなし。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
草木のことを言えば、福寿草を
小鉢
(
こばち
)
に植えて床の間に置いたところが、蕾の黄ばんで来る頃から寒さが強くなって、暖い日は起き、寒い日は倒れ
萎
(
しお
)
れる有様である。驚くべきは南天だ。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それが
甚
(
はなは
)
だ、どうにもややこしい話なのである。かっぽれには、かねて、瀬戸の
小鉢
(
こばち
)
があって、それに梅干をいれて、ごはんの度に、ベッドの下の
戸棚
(
とだな
)
から取出しては梅干をつついていた。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
広くとった土間の片隅は棚になって、
茶碗
(
ちゃわん
)
、
皿
(
さら
)
、
小鉢
(
こばち
)
の
類
(
るい
)
が多くのせてある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
奥座敷の次の間から、廊下一面に、にわかに買いこんできた
水桶
(
みずおけ
)
、七輪、
皿
(
さら
)
、
小鉢
(
こばち
)
……
炊事道具
(
すいじどうぐ
)
をいっさいぶちまけて、泉水の水で米をとぐ。違い棚で魚を切る。毎日毎晩、この騒ぎなので——。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
子供等
(
こどもら
)
の
間
(
あひだ
)
に
交
(
まじ
)
つて
與吉
(
よきち
)
も
互
(
たがひ
)
の
身體
(
からだ
)
を
掻
(
か
)
き
分
(
わ
)
ける
樣
(
やう
)
にして
飮
(
の
)
んだ。
村落
(
むら
)
の
者
(
もの
)
が
飮
(
の
)
んでる
後
(
うしろ
)
から
木陰
(
こかげ
)
に
佇
(
たゝず
)
んで
居
(
ゐ
)
た
乞食
(
こじき
)
がぞろ/\と
來
(
き
)
て
曲物
(
まげもの
)
の
小鉢
(
こばち
)
を
出
(
だ
)
して
要求
(
えうきう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
鉢
常用漢字
中学
部首:⾦
13画
“小”で始まる語句
小
小児
小径
小鳥
小僧
小言
小路
小遣
小刀
小父