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がんちく
ふりがな文庫
“
含蓄
(
がんちく
)” の例文
久吉の言葉は妙に
含蓄
(
がんちく
)
がありますが、小判を一枚持つて居たからと言つて縛る譯にも行かず、平次は其儘隣の浪人の家へ行きました。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「近頃
含蓄
(
がんちく
)
のある教えを承った。この後も、何かと指示を与えられよ。曹操も業を遂げたあかつきには必ず厚くお酬いするであろう」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日曜は一日ゴルフで重役連中に
魚交
(
ととまじ
)
りをする。奥さんが社交の修業を必要とするように言ったのもその辺に
含蓄
(
がんちく
)
がある。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
という句はむしろ実況であるが、何だか殺気があって
含蓄
(
がんちく
)
が足りなくて、口に浮かんだ時からすでに変な心持がした。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それはおかしさとかなしさと、あたたかさが同時にこみあげてくるような、そしてもっと
含蓄
(
がんちく
)
のあることばであった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
▼ もっと見る
流暢
(
りゅうちょう
)
さの代りに、絶対に人に疑を
抱
(
いだ
)
かせぬ重厚さを備え、
諧謔
(
かいぎゃく
)
の代りに、
含蓄
(
がんちく
)
に富む
譬喩
(
ひゆ
)
を
有
(
も
)
つその弁は、
何人
(
なんぴと
)
といえども逆らうことの出来ぬものだ。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
枕許
(
まくらもと
)
に吹き入れて来たという意であるが、表現の技巧が非常に複雑していて、情趣の深いイメージを
含蓄
(
がんちく
)
させてる。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
しかして進化というはすでに発芽すべき力がもともと
含蓄
(
がんちく
)
されているものが、
漸々
(
ぜんぜん
)
に働くことを称すると
同
(
おな
)
じく
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
当時
(
とうじ
)
の
言語
(
ことば
)
は
含蓄
(
がんちく
)
が
深
(
ふか
)
いと
申
(
もう
)
しますか、そのままではとても
私
(
わたくし
)
どもの
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちかぬるところがあり、
私
(
わたくし
)
としては、
不躾
(
ぶしつけ
)
と
知
(
し
)
りつつも、
何度
(
なんど
)
も
何度
(
なんど
)
も
問
(
と
)
いかえして
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
して
見
(
み
)
れば
原始虫
(
げんしちゅう
)
の
如
(
ごと
)
き
我々
(
われわれ
)
に、せめて
苦難
(
くなん
)
ちょうものが
無
(
な
)
かったならば、
全
(
まった
)
く
含蓄
(
がんちく
)
の
無
(
な
)
い
生活
(
せいかつ
)
となってしまう。からして
我々
(
われわれ
)
は
病気
(
びょうき
)
するのは
寧
(
むし
)
ろ
当然
(
とうぜん
)
では
無
(
な
)
いか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
従ってそこには弟子たちの人物や性格、その問答の行なわれた境遇などが、ともに
把捉
(
はそく
)
せられている。それが言葉の意味の裏打ちとなり、命題に深い
含蓄
(
がんちく
)
を与えることになる。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
個性的な
含蓄
(
がんちく
)
のふかいために、早くから公衆に対して、成熟した巧妙な腕を見せていた。
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
畢竟
(
ひっきょう
)
これを率ゐて行く先輩がないのと少年に学問
含蓄
(
がんちく
)
がないのとに基因するのであらう。幾多の少年に勧告する所は、なるべく謙遜に奥ゆかしく、真面目に勉強せよといふ事である。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そこに何物も達しがたい高い芸術的な匂いが
含蓄
(
がんちく
)
されてあると思います。
無表情の表情
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
この思想中には
後日
(
ごじつ
)
の将軍たる、徳川政府最後の将軍
慶喜
(
よしのぶ
)
公すら
含蓄
(
がんちく
)
したるものにして、烈公、藤田の徒は申すにも及ばず、その散じて、天下の尊攘家を喚起し、その流れて薩摩に入りたるもの
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「無用の用」という言葉になかなかの
含蓄
(
がんちく
)
が感ぜられる。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
この言葉は一応
奇矯
(
ききょう
)
に聞こえるが、静かに考えると、非常に
含蓄
(
がんちく
)
の深い、適切無比な形容詞であることに気がつくだろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
同時に秀才だから方々から狙われているという
含蓄
(
がんちく
)
もあった。早くお定めにならないと御損をしますということになる。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
だが、夏侯惇は、曹操の言なので、何か
含蓄
(
がんちく
)
のある命令にちがいないと呑みこんでしまい
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
端粛とは人間の活力の動かんとして、未だ動かざる姿と思う。動けばどう変化するか、
風雲
(
ふううん
)
か
雷霆
(
らいてい
)
か、見わけのつかぬところに
余韻
(
よいん
)
が
縹緲
(
ひょうびょう
)
と存するから
含蓄
(
がんちく
)
の
趣
(
おもむき
)
を
百世
(
ひゃくせい
)
の
後
(
のち
)
に伝うるのであろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
プシキンは
死
(
し
)
に
先
(
さきだ
)
つて
非常
(
ひじやう
)
に
苦痛
(
くつう
)
を
感
(
かん
)
じ、
不幸
(
ふかう
)
なるハイネは
數年間
(
すうねんかん
)
中風
(
ちゆうぶ
)
に
罹
(
かゝ
)
つて
臥
(
ふ
)
してゐた。して
見
(
み
)
れば
原始蟲
(
げんしちゆう
)
の
如
(
ごと
)
き
我々
(
われ/\
)
に、
切
(
せめ
)
て
苦難
(
くなん
)
てふものが
無
(
な
)
かつたならば、
全
(
まつた
)
く
含蓄
(
がんちく
)
の
無
(
な
)
い
生活
(
せいくわつ
)
となつて
了
(
しま
)
ふ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
含蓄
(
がんちく
)
せしむることが出来ると同じである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「そこに皮肉があるじゃないか? 君達年寄は禿げていて見っともないから、僕達若いものは将来禿げないようにして見せるという
挑戦的
(
ちょうせんてき
)
含蓄
(
がんちく
)
がある」
人生正会員
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
お紋のハキハキしたのに比べて、喰ひ足らなさはあるでせうが、この
含蓄
(
がんちく
)
の多い柔順さと、成熟しきつた肉體が案外夫の溺愛の的だつたかもわかりません。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どうか先生の
含蓄
(
がんちく
)
をもって、不備な点は、遠慮なく指摘してもらいたい」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
酒屋の亭主藤七は氣の毒さうには言つて居りますが、伜又吉の非業の死を、隣りの千本家のせゐにして居るらしく、なか/\に
含蓄
(
がんちく
)
の深いことを言ふのです。
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
庶民たちの
臆測
(
おくそく
)
にも、時によって、ばかにならない
含蓄
(
がんちく
)
がある。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白粉
(
おしろい
)
つ氣のない、眞珠のやうに
含蓄
(
がんちく
)
のある顏の色、細い長い眼、低くて少し太い聲に特色があります。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう二十七八にもなるでしょうが、若くて、粋で、美しくて、何となく心ひかれる
含蓄
(
がんちく
)
があります。
銭形平次捕物控:097 許嫁の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう二十七八にもなるでせうが、若くて、意氣で、美しくて、何となく心ひかるゝ
含蓄
(
がんちく
)
があります。
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小八郎は
含蓄
(
がんちく
)
の深い笑ひを殘して、平次の
思惑
(
おもわく
)
に構はず、サツと向うへ行つてしまひました。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小八郎は
含蓄
(
がんちく
)
の深い笑いを残して、平次の思惑に構わずサッと向うへ行ってしまいました。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
促
(
うなが
)
しました。一向つまらない話ですが、お靜の語氣には妙に
含蓄
(
がんちく
)
があるのです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お春の言葉は
含蓄
(
がんちく
)
がありました。母親だけが感ずる恐怖、娘の命が狙はれてゐるといふ、手のつけやうのない豫感、お春はそれを言葉を超えて、平次に感じさせようとするのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
含蓄
(
がんちく
)
の多いことを言つて、伊賀屋の女房の顏を見るのでした。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
含蓄
(
がんちく
)
の多いことを言って、伊賀屋の女房の顔を見るのでした。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
少し
脂下
(
やにさが
)
りに銀煙管を噛んで、妙に
含蓄
(
がんちく
)
の多い微笑を送ります。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
下男猪之松は、何やら
含蓄
(
がんちく
)
の深い笑ひを
漏
(
も
)
らしました。
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の言葉には、何やら深い
含蓄
(
がんちく
)
がありました。
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の言葉には、何やら深い
含蓄
(
がんちく
)
がありました。
銭形平次捕物控:123 矢取娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
友吉の言ふことは、なか/\
含蓄
(
がんちく
)
があります。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
友吉の言うことは、なかなか
含蓄
(
がんちく
)
があります。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
圓三郎の話はなか/\の
含蓄
(
がんちく
)
のあるものです。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何と言ふ簡單な、が
含蓄
(
がんちく
)
の多い言葉でせう。
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎の話は、妙に
含蓄
(
がんちく
)
がありさうです。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の話は、
含蓄
(
がんちく
)
の深いものです。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の話は、
含蓄
(
がんちく
)
の深いものです。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の言葉には
含蓄
(
がんちく
)
があります。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の言葉には
含蓄
(
がんちく
)
があります。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の答には
含蓄
(
がんちく
)
があります。
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“含蓄”の意味
《名詞》
何かを含み、蓄えること。
内容が豊かで深い意味を内蔵していること。
(出典:Wiktionary)
含
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
蓄
常用漢字
中学
部首:⾋
13画
“含”で始まる語句
含
含羞
含嗽
含羞草
含笑
含味
含水炭素
含状
含漱
含声