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名題
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なだい
ふりがな文庫
“
名題
(
なだい
)” の例文
天下
名題
(
なだい
)
の貧乏男爵家ですから。ですが私の結婚だけでほぼ事足りていたようですから、兄は結婚の気持もなかったかも知れません。
明治開化 安吾捕物:20 その十九 乞食男爵
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
何処
(
どこ
)
にも白粉の影は見えず、下宿屋の二階から
放出
(
ほうりだ
)
した書生らしいが、
京阪地
(
かみがた
)
にも東京にも人の知った、
巽辰吉
(
たつみたつきち
)
と云う
名題
(
なだい
)
の
俳優
(
やくしゃ
)
。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
城内と城下とを通じての美しいほうでの第一人者——という
名題
(
なだい
)
にはなっているが、ここでは、どうしても城下は眼中に置かれません。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“魁花春”という
名題
(
なだい
)
に“開化”を利かせたのを見ても、いわゆる文明開化の風が世間を吹き
靡
(
なび
)
かせていたことが思いやられる。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此の
度
(
たび
)
お聞きに入れまするは、業平文治漂流奇談と
名題
(
なだい
)
を置きました古いお
馴染
(
なじみ
)
のお話でございますが、
何卒
(
なにとぞ
)
相変らず
御贔屓
(
ごひいき
)
を願い上げます。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
当院
(
たうゐん
)
屋根普請
(
やねふしん
)
勧化
(
くわんけ
)
の
為
(
ため
)
本堂
(
ほんだう
)
に
於
(
おい
)
て
晴天
(
せいてん
)
七日の間芝居
興行
(
こうぎやう
)
せしむるものなり、
名題
(
なだい
)
は
仮名手本
(
かなでほん
)
忠臣蔵役人替名とありて
役者
(
やくしや
)
の名
多
(
おほ
)
くは
変名
(
へんみやう
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
芝居
(
しばい
)
は、と尋ねると、
市村
(
いちむら
)
、中村、森田三座とも狂言
名題
(
なだい
)
の看板が出たばかりのころで、茶屋のかざり物、
燈籠
(
とうろう
)
、
提灯
(
ちょうちん
)
、つみ物なぞは、あるいは見られても
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
劇場前に掲げ出される絵看板は、舞台の技芸よりも更に一層奇怪、残忍、
淫褻
(
いんせつ
)
になった。絵看板と同じく脚本の
名題
(
なだい
)
もまたそれに劣らぬ文字が案出されている。
裸体談義
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
目ッぱの吉五郎のほうは、
享和
(
きょうわ
)
三年、同じく延命院の伏魔殿を突きとめ、悪僧
日潤
(
にちじゅん
)
を
捕
(
と
)
って押えたお手先。これで、
北番所
(
きた
)
の
名題
(
なだい
)
どころが全部顔が揃ったわけ。
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
御当所
名題
(
なだい
)
の地獄極楽
活人形
(
いきにんぎょう
)
、作人の儀は、江戸の名人
雲龍斎
(
うんりゅうさい
)
又六、——八熱八寒地獄、十六
別所
(
べっしょ
)
、小地獄、併せて百三十六地獄から、西方極楽浄土まで一と目に拝まれる
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ツマリ『我楽多文庫』は硯友社の
名題
(
なだい
)
披露の初舞台で、その艶っぽい花やかな元禄張の芸風を示した顔見世狂言は『新著百種』であった。硯友社の基礎はこの『新著百種』で固められた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
然るに竜池は劇場に往き、
妓楼
(
ぎろう
)
に往った。竜池は中村、市村、森田の三座に見物に往く毎に、
名題
(
なだい
)
役者を茶屋に呼んで杯を取らせた。妓楼は深川、吉原を始とし、品川へも内藤新宿へも往った。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
(
江戸
(
えど
)
名題
(
なだい
)
曲独楽
(
きょくごま
)
娘
(
むすめ
)
一座
嵐粂吉
(
あらしくめきち
)
)
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
爭
(
あらそ
)
ひ入り來る故實に松葉屋の
大黒柱
(
だいこくばしら
)
金箱
(
かねばこ
)
と
持
(
もて
)
はやされ
全盛
(
ぜんせい
)
双
(
なら
)
ぶ方なく時めきける
中
(
うち
)
早
(
はや
)
其年も暮て享保七年四月
中旬
(
なかば
)
上方
(
かみがた
)
の客仲の町の
桐屋
(
きりや
)
と云ふ茶屋より松葉屋へ
上
(
あが
)
りけるに三人連にて
歴々
(
れき/\
)
と見え
歌浦
(
うたうら
)
八重咲
(
やへざき
)
幾世
(
いくよ
)
とて何も
晝三
(
ちうさん
)
の
名題
(
なだい
)
遊女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私が京都に「吹雪物語」を書いてゐたとき、下宿屋の娘がこの年頃で京都
名題
(
なだい
)
の不良少女で、無軌道であつたが素直な気立のよい娘であつた。
酒のあとさき
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
当院
(
たうゐん
)
屋根普請
(
やねふしん
)
勧化
(
くわんけ
)
の
為
(
ため
)
本堂
(
ほんだう
)
に
於
(
おい
)
て
晴天
(
せいてん
)
七日の間芝居
興行
(
こうぎやう
)
せしむるものなり、
名題
(
なだい
)
は
仮名手本
(
かなでほん
)
忠臣蔵役人替名とありて
役者
(
やくしや
)
の名
多
(
おほ
)
くは
変名
(
へんみやう
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
明くる二十二年の新富座三月興行から市川荒次郎と大谷門蔵の二人が
名題
(
なだい
)
俳優に昇進して、門蔵は馬十と改名した。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
白雲先生へという
名題
(
なだい
)
で、実は、
臥竜梅
(
がりゅうばい
)
のうつろの中が目的であること申すまでもありません。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
(すきなお
方
(
かた
)
と
相乘人力車
(
あひのりじんりきしや
)
、
暗
(
くら
)
いとこ
曳
(
ひ
)
いてくれ、
車夫
(
くるまや
)
さん
十錢
(
じつせん
)
はずむ、
見
(
み
)
かはす
顏
(
かほ
)
に、その
手
(
て
)
が、おつだね)——
恁
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
流行唄
(
はやりうた
)
さへあつた。おつだね
節
(
ぶし
)
と
名題
(
なだい
)
をあげたほどである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いやに
文字
(
もんじ
)
の
間
(
あいだ
)
をくッ付けて模様のように太く書いてある
名題
(
なだい
)
の
木札
(
きふだ
)
を
中央
(
まんなか
)
にして、その左右には恐しく顔の
小
(
ちいさ
)
い、眼の
大
(
おおき
)
い、指先の太い人物が、夜具をかついだような
大
(
おおき
)
い着物を着て
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寺島の才川平作といえば
名題
(
なだい
)
の高利貸しであった。間接に千や二千の人間は殺してるようなものだぜ、という鬼の商法で巨万の財を築いた男。
明治開化 安吾捕物:21 その二十 トンビ男
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
その相手方には中村
梅雀
(
ばいじゃく
)
という腕達者がいた。梅雀も後に歌舞伎座で
名題
(
なだい
)
に昇進して、中村
翫右衛門
(
かんえもん
)
となった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いやに
文字
(
もんじ
)
の
間
(
あひだ
)
をくツ付けて
模様
(
もやう
)
のやうに太く書いてある
名題
(
なだい
)
の
木札
(
きふだ
)
を
中央
(
まんなか
)
にして、その左右には
恐
(
おそろ
)
しく顔の
小
(
ちひさ
)
い、眼の
大
(
おほき
)
い、
指先
(
ゆびさき
)
の太い人物が、
夜具
(
やぐ
)
をかついだやうな
大
(
おほき
)
い着物を着て
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お米は
名題
(
なだい
)
の淫奔娘で、すでに三人も
父
(
てて
)
なし子を生み落して里子にだしており、この界隈からは然るべき聟をむかえることができない娘であった。
明治開化 安吾捕物:09 その八 時計館の秘密
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
土地
名題
(
なだい
)
のウマイ物店がタクサンある大阪だもの、食べ物は客の好みにまかせ、専門の料理店にまかせるのが至当。
安吾の新日本地理:02 道頓堀罷り通る
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
重吉は、由之が武道教師をしていた中学での教え子であり、柔道の主将であったが、五年の中学生活を九年かかって卒業したという
名題
(
なだい
)
の石頭であった。
復員殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
あの男が
雲隠才蔵
(
くもがくれさいぞう
)
さ。わが社
名題
(
なだい
)
のヤミの天才なんだよ。アイツが一人居りゃ、米だって酒だって自由自在さ。ボクたち寝ころんでいるうちに、みんな手筈を
現代忍術伝
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
このボスは東海道
名題
(
なだい
)
のボスで、土地のボスではなく、このボスに渡りをつけるには、土地のボスの手を通す必要もあり、土地のボスもいくつかあるというわけで
安吾巷談:04 今日われ競輪す
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
当主はまだ若いが、
名題
(
なだい
)
の貧乏で嫁をくれる者がなかったのを、夢酔が世話をしてやって知行所へ談じて出ない金をださせて格式以上の婚礼をさせてやったのである。
安吾史譚:05 勝夢酔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
豊島与志雄先生は
名題
(
なだい
)
の猫好きで、多くの猫と長年の共同生活であるが、何が一番食いたいかというと猫が食いたい、それも自分のウチで飼ってる愛猫が食いたいとさ。
安吾人生案内:04 その四 人形の家
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
そのころ江戸湯島に長崎水右衛門という
名題
(
なだい
)
の獣使いがおりまして、この人に雇われて鼠を使っていた藤兵衛がいま上方に住んでおります。妙庵先生、これを訪れまして
屋根裏の犯人:――『鼠の文づかい』より――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
本宅の者は材木の買いつけに生れ故郷との往復もヒンパンであるから、地方で育った小番頭や小僧は云うまでもなく、東京生れの喜兵衛も重二郎も生地
名題
(
なだい
)
の毒茸の知識はあった。
明治開化 安吾捕物:16 その十五 赤罠
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「天下
名題
(
なだい
)
のホトケを造ったヒダのタクミはたくさん居りますが、お供え物をいただいた話はききませんや。生き神様のお供え物にきまっているから、おいしく煮ておあがり下さい」
夜長姫と耳男
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
神田の甚八といえば江戸
名題
(
なだい
)
の賭碁のアンチャン。本職は大工だが、碁石を握ると素人無敵、本因坊にも二目なら絶対、先なら打ち分けぐらいでしょうなとウヌボレのいたって強い男。
明治開化 安吾捕物:08 その七 石の下
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
律義
名題
(
なだい
)
の呉氏も、神様のためには、人間の約束を破りかねない危険があった。
呉清源
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
ムカデの何とかという天下に隠れもない
名題
(
なだい
)
の茶器に至って、質屋も後のセンギを怖れてか届け出たが、実はそれ以前にも相当な品物が同一の手からかなり度重って入質されていたのであった。
明治開化 安吾捕物:12 その十一 稲妻は見たり
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
話をきくと全然無茶な答案で、
名題
(
なだい
)
の吉屋信子女史を古屋信子と言つて済してゐる没常識だから落第に間違ひないと思つてゐたら、何百人ものうちたつた一人及第したといふのには呆れかへつた。
篠笹の陰の顔
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
話をきくと全然無茶な答案で、
名題
(
なだい
)
の吉屋信子女史を古屋信子と言って済している没常識だから落第に間違いないと思っていたら、何百人ものうちたった一人及第したというのには
呆
(
あき
)
れかえった。
篠笹の陰の顔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
敏司は
名題
(
なだい
)
の道楽書生であるが、ヒサに対する愛着の念はひたむきで、ヒサが中橋の妾になったのを一度ははげしく恨んだが、考えてみれば自分は親のスネをかじる書生の身であるから是非もない。
明治開化 安吾捕物:05 その四 ああ無情
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
大阪で牢に入った大工の新八という
名題
(
なだい
)
の兇状もちであるが、うまいことには牢を破って山中をうろつくうちに、熊と闘って額から頬へ平手うちをくらって、片目がつぶれ、片アゴをかみとられた。
明治開化 安吾捕物:14 その十三 幻の塔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
私は東京といふ天下
名題
(
なだい
)
の人間だらけの町に住んでゐるのだから。
私の小説
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
煙山は日本
名題
(
なだい
)
の名スカウトであった。
投手殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
“名題”の解説
名題(なだい)とは、次のいずれかを意味する歌舞伎用語。
(出典:Wikipedia)
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
題
常用漢字
小3
部首:⾴
18画
“名題”で始まる語句
名題役者