受取うけとり)” の例文
受取うけとり再三よく/\見終り如何にも斯樣に委しき證據あれば概略あらましは知たりと云つゝ又熟々思案するに斯る事にかゝり居ては面倒なり山内めを呼出よびいだし渠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これはそのお預け人受取うけとりの四藩の人数なのだ。細川藩だけでも、七百名に近い人員を繰出くりだして、万一の変に備えたのである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
文「士気質さむらいかたぎではうっかりお受取うけとりなさいますまいから、明日みょうにち私が持って往って上げましょう、気を付けてお帰んなさいよ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その帳面のしまいには、右本日受取うけとり右月賦金は皆済相成候事かいざいあいなりそうろうことと島田の手蹟で書いて黒い判がべたりとしてあった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此辺の田舎でも、ちっとまとまった買物を頼めば、売主は頼まれた人に、受取うけとり幾何金いくらと書きましょうか、ときく。コムミッションの天引てんびきほとんど不文律になって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
先生は文字を読むばかりでその意味は受取うけとりの悪い書生だから、これを相手に会読の勝敗ならけはない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
らぬことゝて取乱とりみだせし姿すがたられしか、られしに相違さうゐなしと、かほにわかにあつくなりて、夢現ゆめうつゝうつむけば、ほそきよしきをとここゑに、これは其方そなたさまのにや返上へんじやうせんお受取うけとりなされよと
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
宝物をも我々一同をもお受取うけとりなされて、うから8805
見て是は/\御世話おせわひながら財布さいふうちよりぞろ/\と一分金にて十三兩二分取出しのこらず勘定して質物を受取うけとり我が家をさしてぞ歸りける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夫迄それまでつき一度いちど此方こちらからきよ家賃やちんたしてると、むかふからその受取うけとりこすだけ交渉かうせふぎなかつたのだから、がけうへ西洋人せいやうじんんでゐると同樣どうやうで、隣人りんじんとしてのしたしみは
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
どんな大至急だいしきふ要用えうようでもふうといふをつたことく、つまとは木偶でくのばうがお留守居るすゐしてるやうに受取うけとり一通いつゝう追拂おひはらつて、それは冷淡れいたんげていたものなれば、旦那だんなさまの御立腹ごりつぷくはでものこと
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と云いながら新五郎の受取うけとりに来る処を飛上って
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
撰び結納持參なす可き所ろ思ひたつ吉日きちにちと主人も申し候へば差附さしつけがましく候へど今日品々しな/″\持參したれば何卒お受取うけとり下されと水引掛し目録書もくろくがき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かね受取うけとりたりや」と電報の様なものを白紙しらかみいてした。三四郎は返事をかうと思つて、教師の方を見ると、教師がちやんと此方こつちを見てゐる。白紙しらかみを丸めてあししたげた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
小六ころくうした」とをつとはそれを受取うけとりながらつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)