博物館はくぶつかん)” の例文
叔父おじさんは、博物館はくぶつかんほう名残惜なごりおしそうに、もう一見返みかえったが、ついおいあとからついて美術館びじゅつかんぐちをはいってゆきました。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
博物館はくぶつかんにはみなさんのつてゐるように、種々しゆ/″\品物しなものならべてありますが、たいていはある種類しゆるいのものばかりをえらんで、陳列ちんれつしてあるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さそりいい虫じゃないよ。ぼく博物館はくぶつかんでアルコールにつけてあるの見た。にこんなかぎがあってそれでされるとぬって先生がってたよ」
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
このさい調査ちようさむかつた農商務技師のうしようむぎし三浦宗次郎氏みうらそうじろうし同技手どうぎて西山省吾氏にしやましようごし噴火ふんか犧牲ぎせいになつた。少年讀者しようねんどくしや東京とうきよう上野うへの博物館はくぶつかんをさめてある血染ちぞめの帽子ぼうし上着うはぎとをわすれないようにされたいものである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
もちろんぼくの姿すがたを見つけるはずはない。ぼくはつかれはてていたので、ひとやすみしようと思って、博物館はくぶつかんのまっ白な階段かいだんをのぼっていったんだ。その近くで子どもたちが幾人いくにんも遊んでいたよ。
にんは、がっかりして、おのおののっているかぎを三つとも博物館はくぶつかんおさめて、いずこへとなく、おもおもいにってゆきました。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
またさうした博物館はくぶつかんをこしらへるには非常ひじようおほきなものる、それをまはるだけでも二日ふつか三日みつかもかゝり、かへって不便ふべんになります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
津軽海峡つがるかいきょう、トラピスト、函館はこだて五稜郭ごりょうかく、えぞ富士ふじ白樺しらかば小樽おたる、札幌の大学、麦酒ビール会社、博物館はくぶつかん、デンマーク人の農場のうじょう苫小牧とまこまい白老しらおいのアイヌ部落ぶらく室蘭むろらん、ああぼくかぞえただけでむねおどる。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
みなさんは、博物館はくぶつかんといふところたことがありますか。博物館はくぶつかんにはいろ/\のうつくしいものやめづらしい品物しなものならべてあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
博物館はくぶつかんへ、学者がくしゃと三にん若者わかものたちはまいりました。やがて、そこへ金色きんいろはこされたのであります。そのはこはあまりおおきくなかったが、黄金こがねつくられていました。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
このかぎのかかる黄金こがねはこは、幾年前いくねんまえつちなかからされて、いま博物館はくぶつかんおさめてあります。しかし、わたしかんがえでは、そのなかになにもはいっているようすがなかった。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
かえ時分じぶんになって、叔父おじさんは、おもいました。——西洋画せいようがなんて、どこがおもしろいのだろう? そして、博物館はくぶつかんにいい陳列ちんれつがあるのに、にゆかずに、こちらへばかりやってくる——。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
博物館はくぶつかんに、いま光琳こうりんほう一など、琳派りんぱ陳列ちんれつがあるのじゃがな。」と、叔父おじさんは、博物館はくぶつかんもんのあるほうをつえでしました。しかし、そのほうには、人影ひとかげすくなくて、さびしかったのです。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)