千里せんり)” の例文
むしせざるをあやしむのみと。令史れいしおどろいてふやう、うまはじめよりうまやいださず祕藏ひざうせり。またいへるべきものなし。なん千里せんりくとふや。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
獨逸等ドイツとうおと名高なだか國々くに/″\名所めいしよ古跡こせき遍歴へんれきして、其間そのあひだつきけみすること二十有餘箇月いうよかげつ大約おほよそまん千里せんり長途ながたびあとにして、つひ伊太利イタリーり、往昔むかしから美術國びじゆつこく光譽ほまれたか
阮瞻げんせんあざな千里せんりといい、平素から無鬼論を主張して、鬼などという物があるべき筈がないと言っていたが、誰も正面から議論をこころみて、彼に勝ち得る者はなかった。
巌谷いはや紹介せうかいで入社したのが江見水蔭えみすゐいんです、この人は杉浦氏すぎうらし称好塾せうこうじゆくける巌谷いはや莫逆ばくぎやくで、素志そしふのが、万巻ばんくわんの書を読まずんば、すべから千里せんりの道をくべしと、つねこのんで山川さんせん跋渉ばつせふ
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
居ながらに風景を貪るくせからなのか、それとも、空ばかり眺めくらしてゐた太古たいこの、前生人ぜんしやうびとからの遺傳か、それこそ一足ひとあしから千里せんりも飛ぶやうな空想が、私にはなかなか役にたつ遺産で、私の心を
あるとき (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
殿守とのもりがねぶたがりつる朝ぼらけ 千里せんり
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
千里せんりかなたのくちつけに。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
四辺あたりまた暗き千里せんり
わなゝき (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
鄰家りんか道術だうじゆつあり。童顏どうがん白髮はくはつにしてとしひさしくむ。或時あるときだんことおよべば、道士だうしわらうていはく、それうまは、くこと百里ひやくりにしてなほつかるゝをせいとす。いはんいまよるくこと千里せんりあまる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やまなすなみふねとなし。 千里せんりかぜとなして。