“ほうし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
放恣35.2%
放肆21.6%
法師8.0%
奉伺4.5%
奉祀4.5%
芳志4.5%
奉仕3.4%
法嗣2.3%
法諡2.3%
蓬矢2.3%
(他:10)11.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
馬にむちが、弓にけいが必要なように、人にも、その放恣ほうしな性情をめる教学が、どうして必要でなかろうぞ。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
それから、つぶれた同じ声、風にさらされてしわが寄り曇ってる同じ額、放恣ほうしな錯乱した定まりない同じ目つき。
も一人はヨハン・クリスチアン・ギュンテルという放肆ほうしな天才で、風のままに放浪しながら、暴飲と絶望とに身を焦がした人である。
おお、人類の自由な知恵と、科学と、人肉啖食じんにくたんしょく放肆ほうしきわまりなき時代が、まだこのうえに幾世紀も続くだろう。
さらに、ひどかったのは、つぎの、法師ほうしすがたのものと、白衣びゃくえの人をあつかった刑吏けいり待遇たいぐうである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私どものまだ年若な時分、奈良に蔵人得業くろうどとくごう恵印えいんと申しまして、途方とほうもなく鼻の大きい法師ほうしが一人居りました。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この前、長篠ながしのの役後、すぐ上洛して、天機を奉伺ほうししたように、この秋も、越前経略の事が終ると、すぐ上洛の途についていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正月や、その他の祭り日は特に大変で、大抵は妻君同伴で上役の家に御機嫌を奉伺ほうししなければならない。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
また、さす町にある白山はくさん神社、これは小石川の総鎮守で神領三十石、神主由井氏ゆいし奉祀ほうしす。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「祭」という漢字は、その本国においては、今古を一貫して地の神の奉祀ほうしを意味する語であった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「ありがたき御芳志ほうし、手前主人にもなれなく取りつぎまする考え、いかに感佩かんぱいいたしますことか……」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ご芳志ほうしにあまえて、しばらくのあいだ、まくの一ぐうを拝借はいしゃくつかまつります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女が奉仕ほうしの天使の如く突然高樹町のうちあらわれてから六月目むつきめに、主人夫婦は東京を引払うて田舎に移った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
わしは、朝暮ちょうぼに、御座みざちかく奉仕ほうししているので、まのあたりにそのおんなやみをみて、なみだのたえぬくらいである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところがその翌年、大徳寺において玉室ぎょくしつ法嗣ほうし正隠せいいんを出世せしめたので、幕府は厳重その非違を譴責けんせきした。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大淵は、花園妙心寺統はなぞのみょうしんじとう天猷門下てんゆうもんかで、丹後田辺たんごたなべに大泉寺を開いた戦国の傑僧けっそう琢堂たくどう法嗣ほうしの一人であった。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その間と左とに高祖父と父との配偶、夭折ようせつした允成のむすめ二人ふたり法諡ほうしが彫ってある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
摂津国屋の墓石には、遠く祖先にさかのぼって戒名が列記してあるので、香以の祖父から香以自身までの法諡ほうしは下列の左の隅に並んでいる。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
八月二十日 神戸駅前相生あいおい町、三ツ輪亭南店に牛鍋をつゝき、それより泊月、鍋平朝臣、年尾としお、立子、友次郎と共に岡山に矢野蓬矢ほうしを訪ふ。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
六月十三日 二百二十日会。蓬矢ほうし招宴、嵯峨野。
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
明治五年新富町しんとみちょうの劇場舞台開きをなせし時、新柳二橋しんりゅうにきょうの歌妓両花道に並んで褒詞ほうしを述べたる盛況は久しく都人の伝称せし所なりけり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
それから筒井の褒詞ほうしを受けて酉の下刻に引き取った。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
今や英夷えいい封豕ほうし長蛇ちょうだ、東洋を侵略し、印度インド先ずその毒を蒙り、清国続いでその辱を受け、余熖よえんいままず、琉球に及び長崎に迫らんとす。天下人々心を痛め、首をましめ、防禦を事とす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
唐の玄宗帝の時に、ある方士ほうしが一頭の小さい亀を献上した。亀はさしわたし一寸ぐらいで、金色の可愛らしい物であった。
杜光庭は方士ほうしで、学者で、唐の末から五代に流れ込み、蜀王のしょうに親任された人物です。
正直な、里の人々は、(わしらの郷土の秀才に、神仙が宿った)とにうけて、たちまち張角を、救世の方師ほうしあがめて、触れまわった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大方だいほう中方ちゅうほう小方しょうほうなどというのは、方師ほうし術者じゅつしゃ・祈祷師)の称号で、その位階をも現わしていた。黄巾賊の仲間では、部将をさして、みなそう呼ぶのであった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母族林彦清りんげんせい、妻族鄭原吉ていげんきつ九族既に戮せられて、門生等まで、方氏ほうしの族として罪なわれ、坐死ざしする者およそ八百七十三人、遠謫えんたく配流はいるさるゝもの数う可からず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あまがわの西の岸にすぎなの胞子ほうしほどの小さな二つの星が見えます。あれはチュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精すいしょうのお宮です。
双子の星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
主人公月君げっくん、これをたすくるの鮑師ほうし曼尼まんに公孫大娘こうそんたいじょう聶隠娘しょういんじょう等皆女仙なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「荊州の敗れた折、私は身に深傷ふかでを負い、鮑氏ほうしの家にかくまわれておりました。今日丞相が南蛮へご進発あるという噂を聞いて、昼夜わかちなくこれまで馳せつけて来たわけです」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんなのを竜眼鳳眦ほうしというのか、一重瞼の切れの長い眼の中には淀まぬ清い光があり、唇は無限の威厳を示して寛濶に引結ばれている。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さて安南王はしきりに鍵をガチャガチャいわせていたが、やがて扉を引開けて例の貴人の相を悠然と廊下へ突き出し、加十の肩の上で生色を失っている鶴子を見ると急に鳳眦ほうしを釣り上げ、ただならぬ眼付で二人の奇妙な結合を眺め始めた。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)