芳志ほうし)” の例文
「ありがたき御芳志ほうし、手前主人にもなれなく取りつぎまする考え、いかに感佩かんぱいいたしますことか……」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ご芳志ほうしにあまえて、しばらくのあいだ、まくの一ぐうを拝借はいしゃくつかまつります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ御退却のさい、渡辺橋にて戦歿した敵味方のための供養の布施ふせにと、芳志ほうしのご寄進がありましたので、七日間の大般若経転読をいとなみ、今日も主座すざ以下、勤行ごんぎょうの最中にござりまする——と。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨夜は、ご芳志ほうしの馳走に、妻子、兄弟、老臣、それらの女房子どもまでを一殿にならべ、皆楽しく、今生こんじょうの思い出など語らいあい、明日あすの別れをも告げおうて、心ゆくまで名残りを惜しみました。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ご芳志ほうし、ありがたくおうけいたします」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)