法嗣ほうし)” の例文
ところがその翌年、大徳寺において玉室ぎょくしつ法嗣ほうし正隠せいいんを出世せしめたので、幕府は厳重その非違を譴責けんせきした。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
了善上人には御連合おつれあいも先年寂滅じゃくめつなされ、娘御むすめごお一人御座候のみにて、法嗣ほうしに立つべき男子なく、遂に愚僧を婿養子むこようしになされたき由申出され候うち、急病にて遷化せんげ遊ばされ候。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
大淵は、花園妙心寺統はなぞのみょうしんじとう天猷門下てんゆうもんかで、丹後田辺たんごたなべに大泉寺を開いた戦国の傑僧けっそう琢堂たくどう法嗣ほうしの一人であった。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)