釣合つりあひ)” の例文
顏中かほぢゅうのどこも/\釣合つりあひれて、何一なにひと不足ふそくはないが、まん一にも、呑込のみこめぬ不審ふしんがあったら、傍註わきちゅうほどにもの眼附めつきや。
みぎひだりうで釣合つりあひわるかつたんべい。ほつぺたのにくが、どつちかちがへば、かたがりべいと不具かたわぢや、それではうつくしいをんなでねえだよ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つまはおみつつて、今歳ことし二十になる。なにかとふものゝ、綺緻きりやうまづ不足ふそくのないはうで、からだ発育はついく申分まをしぶんなく、どうや四釣合つりあひほとん理想りさうちかい。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
つき此地球このちきう周圍まはりまはるものにて其實そのじつは二十七日と八ときにて一廻ひとまはりすれども、地球ちきうつきとの釣合つりあひにて丁度ちやうど一廻ひとまはりしてもとところかへるには二十九日と十三ときなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
釣合つりあひよく出來たすらりとした指を持つた、みがき上げたやうなしなやかな手であつた。幅廣の指環が小指にきらめいた。私は身をかゞめてそれを見ると、今迄幾度か見なれた寶石が見えた。
けづとき釣合つりあひひとつで、みづれたときかたちがふでねえかの、たてまればしやうがある、よこれば、んだりよ。……むづことではねえだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
譜本ふほんうたうたふやうに、距離きょり釣合つりあひちがへず、ひいふういて、みッつと途端とたん敵手あひて胸元むなもと貫通ずぶり絹鈕きぬぼたんをも芋刺いもざしにしようといふ決鬪師けっとうしぢゃ。
今度こんどのは完成くわんせいした。して本堂ほんだう正面しやうめんに、さゝえかず、内端うちはんだ、にくづきのしまつた、ひざはぎ釣合つりあひよく、すつくりとつたときはだえ小刀こがたなさえに、あたかしもごとしろえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)